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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ゲンゴロウは、どんな 水の ある ところで くらして いるの?

ゲンゴロウはどこで暮らしている? 水の中の虫が夜に空を飛ぶ暮らし

水の中のゲンゴロウは、なぜ夜に灯りへ飛んでくるのか ── 池と水田をわたる暮らし

分野:生きもの

水の 中で くらす ゲンゴロウが、夏の 夜、あかりを めがけて とんで くる ことが あると いわれて います[2]。3.4〜4.2センチほども ある 大きな むしが、夜空を とぶのです[1]。

水の むしなのに、どうして そらを とぶのでしょう。この メモを 読むと、ゲンゴロウが どんな ところで、どんな ふうに 1年を すごして いるのかが わかります。

夏の夜、水の中で暮らしているはずのゲンゴロウが、灯りをめがけて飛んでくることがあります。事典には、生息地の近くでは夏に灯火へ飛来する、と書かれています[2]。体長は約34〜42mm、日本のゲンゴロウ科の中でも最大級の虫です[1]。

水中の虫が、なぜ夜の空を飛ぶのでしょうか。ゲンゴロウがどんな水場にすみ、水の中でどう息をし、冬と初夏でどの水場を使うのか、そして水路や池が変わると何が起きるのかが分かります。

ゲンゴロウ(ナミゲンゴロウ)は、体長約34〜42mm(京都府RDB)と日本のゲンゴロウ科でも最大級の水生甲虫で[1]、池沼や水田にすむ一方、生息地付近では夏に灯火へ飛来する、と世界大百科事典の記述にある[2]。水中の虫が夜の空を飛ぶのはなぜか。

この問いは、ゲンゴロウが一つの水場で完結しない暮らしをしている、という見方につながる。京都府のレッドデータブック、愛媛県の調査年報、兵庫県と鳥取県の資料などから、生息環境、水中での呼吸、冬と初夏の水場の使い分け、水場のつながりが切れたときの影響が分かる。

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1. 水の むしが、夜の あかりに 来るの?

1. 夏の夜、ゲンゴロウは水場から灯りへ飛ぶことがある

1. 灯火に飛来する水生昆虫 ── 夜に動く大型種

ゲンゴロウは、水の 中で くらす 大きな むしです。ながさは 3.4〜4.2センチ ほどで、500円玉より 大きいです[1]。日本の ゲンゴロウの なかまの 中でも、いちばん 大きい ほうに はいります。

夏の 夜には、すんで いる ところの ちかくの あかりに、とんで くる ことが あると いわれます[2]。ほかの しりょうにも、夜に さかんに とぶ むしだと 書いて あります[3]。

とぶ ことが できるなら、1つの 池だけで くらして いる わけでは ないのかも しれません。その 前に、ふだんは どんな 水の ところに いるのかを 見て みましょう。

ゲンゴロウの体長は約34〜42mm、つまり3.4〜4.2cmほどです[1]。直径26.5mmの500円玉と並べると、1.3〜1.6倍ほどの長さです。日本にいるゲンゴロウ科の中でも最大級で、池沼や水田にすみ、生息地の近くでは夏に灯火へ飛来する、と世界大百科事典は述べています[2]。

別の資料は、成虫は夜行性で、夜に活発に飛ぶと説明しています[3]。水の中の虫が、夜の空を飛ぶのです。

空を飛べるなら、ゲンゴロウは一つの水場に閉じこめられていないのかもしれません。そもそも、ふだんはどんな水場にいるのでしょうか。

世界大百科事典の記述では、ゲンゴロウは体長約34〜42mmで、日本のゲンゴロウ科でも最大級とされる[1]。直径26.5mmの500円玉と比べると、1.3〜1.6倍ほどの長さだ。この虫は池沼や水田にすみ、生息地付近では夏に灯火へ飛来する[2]。ホンダの森のライブラリーは、成虫は夜行性で夜に活発に飛ぶと述べる[3]。

水に潜って暮らす虫に、空を飛ぶ習性がある。これは偶然の癖というより、水場の間を移る暮らしと関係しているのではないか、というのが次章以降の見通しだ。ただし灯火に来る理由そのものを説明した資料は、今回の材料にはない。

まず、どんな水場に記録されているのかから確かめる。

2. どんな 水の ところに すんで いるの?

2. 水草のある池と、田んぼにいる

2. 水生植物の多い池沼・水田・休耕田 ── 記録された生息環境

京都府きょうとふが まとめた 本には、ゲンゴロウは、たいらな ところから ひくい 山の ちかくに ある、水草の 多い 池や ぬまに すむと あります[1]。しばらく たがやして いない 田んぼにも います。ふつうの 田んぼにも すむと、ほかの 本には あります[2]。

くらべて みると、おなじ なかまの クロゲンゴロウも、水草が 多い 池や 田んぼに すむと 書かれて います[6]。ゲンゴロウでも クロゲンゴロウでも 目に とまるのは、「水草」です。水の 中に 草が はえて いる ところが、すみかに なって いるのです。

水草には、あとで 出て くる ように たまごを うむ 場所としての やくわりも あります。その 前に、水の 中での いきの しかたを 見て みましょう。

京都府のレッドデータブックは、ナミゲンゴロウを、平地から低山地の、水生植物の多い池沼や休耕田にすむ虫としています[1]。事典には池沼と水田の記述があります[2]。同じ科のクロゲンゴロウも、平地から低山地の、水草が多く生える浅い池沼、水田、休耕田に生息すると書かれています[6]。

種が違っても、顔ぶれは似ています。水草が多く、流れの少ない水場です。池や沼、田んぼ、使われなくなった田んぼと、自然にできた水場も人がつくった水場も入っています。

水草は、ただの背景ではなさそうです。それを調べる前に、まず水の中でどうやって息をしているのかを見ておきます。

京都府レッドデータブック(2015)はナミゲンゴロウの生息地を、平地から低山地の、水生植物の多い池沼や休耕田としている[1]。世界大百科事典は池沼と水田を挙げる[2]。同じ京都府のクロゲンゴロウの項では、水生植物の多い浅い池沼、水田、休耕田とあり[6]、2種の記述はよく重なる。

共通するのは、水生植物があり、流れの少ない水場という条件だ。そこに、自然の池沼と、人が管理する水田・休耕田が同じ並びで入っている点が興味深い。ゲンゴロウの暮らしは、人の農業のしくみとすでにつながっていると読める。なお、ここで引いたのは府県の図鑑的な記述で、どれほどの密度でいるかを示す数字ではない。

水生植物は、のちに産卵の場所として出てくる。先に、水中での呼吸のしくみを整理する。

3. 水の 中で、いきは どうして いるの?

3. 羽の下に空気をためて潜る

3. 上ばねの下に空気をためる呼吸 ── 成虫と幼虫のちがい

ゲンゴロウは、さかなの ように 水から いきを とる ことが できません。かわりに、うわばねと おなかの あいだに 空気を ためて、水に もぐります[2]。ダイバーが せおう 空気タンクの ように 使うと、本には 書かれて います[3]。ただし 本当は、タンクを せおって いるのでは なく、体の すきまに 空気を ためて いるのです。

空気が へって くると、ときどき 水面に 来て、空気を いれかえます[2]。幼虫ようちゅうは、おしりの 先の くだを 水面に 出して、いきを します[2]。

もっと 小さな なかまには、水面の うらがわを、あおむけで あるく 幼虫ようちゅうも 見つかりました。ゲンゴロウでは なく、ながさ 5ミリ ほどの ちがう むしです[7]。水面は、水の むしに とって、いきを する 大切な ところなのです。

では、ゲンゴロウは 水の 中で、いつ、どこへ たまごを うむのでしょう。

ゲンゴロウの成虫は、上ばねと腹部の間に空気をたくわえて水に潜り、ときどき水面に来て空気を入れかえます[2]。Hondaの図鑑はこれを「空気タンクのように使う」と説明し、息をするための穴(気門)は背中にある、と書いています[3]。

幼虫のほうは、尾の先にある呼吸管を水面に出して息をします[2]。成虫も幼虫も、息をするには水面と行き来する必要があるわけです。

水面の使い方の別の例もあります。石川県ふれあい昆虫館は、体長が最大約5mmのナガケシゲンゴロウの幼虫が、水面の裏側をあおむけで歩くことを世界で初めて確認しました。捕食者を避けたり、息をするための移動の手間を減らしたりしている可能性がある、とされています[7]。ゲンゴロウとは別の小型種の話ですが、水面が水中の虫にとって大事な場所であることがうかがえます。

息のために水面へ通う虫は、卵をどこに産むのでしょうか。

成虫は上ばね(前翅)と腹部の間に空気をたくわえて潜り、ときどき水面で空気を替える[2]。ホンダの図鑑はこれを空気タンクにたとえ、気門が背中側にあることも述べる[3]。水中に空気の膜を持ちこむことで、鰓のない虫が水の中で長く過ごせる。一方、幼虫は尾端の呼吸管を水面に出して息をする[2]。成虫も幼虫も、呼吸のために水面との往復が欠かせない点は共通している。

この「水面が呼吸の場」という見方を補う例が、近年報じられた研究だ。石川県ふれあい昆虫館が、体長最大約5mmのナガケシゲンゴロウの幼虫が水面の裏側をあおむけで歩くことを世界で初めて確認し、日本昆虫学会発行の国際誌に掲載された。捕食者を避ける、呼吸のための移動の労力を減らす、といった可能性が指摘されている[7]。小型種の観察であり、ゲンゴロウに同じ行動があるとはいえない。

水面に通う必要があるなら、卵や幼虫が育つ場所にも条件があるはずだ。成虫は、卵をどこに産むのか。

4. 冬と 夏で、すむ ところが かわるの?

4. 冬は池で、初夏は田んぼへ

4. ため池での越冬と水田での繁殖 ── 愛媛県のコガタノゲンゴロウ調査から

ゲンゴロウは、成虫せいちゅうの まま 冬を こします。夏の はじめに なると、水の 中の 草の くきを かじって あなを あけ、その 中に ほそ長い たまごを うみます[3]。水草は、たまごの ゆりかごでも あるのです。

では、冬と 夏の はじめで、おなじ 場所に いるのでしょうか。愛媛県えひめけんで、ゲンゴロウの なかまの コガタノゲンゴロウを しらべた 研究が あります[4]。冬を ため池で すごした 成虫せいちゅうが、夏の はじめの ころまでに 田んぼへ うつり、水の ある 田んぼで 子どもを そだてて いると 考えられました。6月の 終わりには、水の ある 田んぼで 幼虫ようちゅうが 見つかって います[4]。

これは ゲンゴロウの ほかの なかまの しらべで、ゲンゴロウ ぜんぶに あてはまる とは かぎりません。それでも、冬は 池、夏の はじめは 田んぼと、場所を かえて くらす すがたが 見えて きます。

田んぼの 水は、ずっと あるのでしょうか。そこに、つぎの なぞが あります。

成虫で冬を越し、初夏に水中の草の茎をかじって穴を開け、その中に細長い卵を産む、とホンダの図鑑は説明しています[3]。産卵場所として、水草が使われているわけです。

冬と初夏で、いる場所は同じなのでしょうか。愛媛県衛生環境研究所の年報には、同じ仲間のコガタノゲンゴロウの調査があります。ため池で冬を越した成虫が、初夏までに水田へ移り、水のある水田で繁殖している可能性が示されました。6月末には、水のある水田で幼虫が確認されています[4]。

ただし、これは愛媛県南西部のコガタノゲンゴロウの調査です。ナミゲンゴロウをふくむ、ゲンゴロウ類のすべてに同じことが言えるわけではありません。それでも、冬はため池、初夏は水田という場所の使い分けが見えてきます。

調査地の水田の水は、一年中あるわけではありません。愛南町では6〜7月に、一時的に水を抜く「中干し」が約10日間行われています。水田に水を張っておく期間は、一般に60〜65日ほどです[4]。水田が使える期間は、限られているのです。

成虫が越冬し、初夏に水中の草の茎をかじって穴を開け、茎の中に細長い卵を産む[3]。この記述だけでは、成虫が冬をどこで過ごし、産卵のためにどこへ動くのかは分からない。手がかりになるのが、愛媛県衛生環境研究所年報にある、同属のコガタノゲンゴロウの調査だ。

調査によると、ため池で越冬した成虫が初夏までに水田へ移り、水のある水田を繁殖水域として使っていると示唆される。6月末には水のある水田で幼虫が確認された[4]。冬を過ごす水域と、子を育てる水域が別である、という見方だ。ただし、これは愛媛県南西部のコガタノゲンゴロウという一種の調査で、ナミゲンゴロウを含むゲンゴロウ類全体に断定はできない。「示唆される」という書き方も、確定ではないことを表している。

水田の水の条件も、同じ年報から読める。水田の湛水期間は一般に60〜65日で、調査地の愛南町では6〜7月に水を一時的に抜く「中干し」が約10日間行われる[4]。水のある水田は、季節の一部にだけ現れる繁殖の場だと読める。

水田が一年のうち2か月ほどしか水を張らないなら、年間を通して水が残る場所が別に必要になる。それがため池ということになる。では、ため池と水田は、ゲンゴロウにとってどうつながっているのか。

5. 池と 田んぼは、どうやって つながるの?

5. 池・水路・田んぼを一続きの水場として考える

5. 止水域と水路・水田のつながり ── 一続きの水場という見方

愛媛県えひめけんの しらべでは、冬は ため池、夏の はじめは 田んぼでした。池と 田んぼが はなれて いるなら、ふたつの あいだに、水の みちのような つながりが ありそうです。

このメモでは、池と 水の みちと 田んぼを、1本の ろうかのように つづいた 水場として 考えて みます。これは 資料しりょうに 書いて ある ことでは なく、ここまでの 話から 考えた 見かたです。

ゲンゴロウは、夜に とぶ ことも できます。水の みちが とぎれて いても、とんで 次の 水場へ 行けるのかも しれません。ただ、とびかたを しらべた 資料しりょうは ありません。

この ろうかが とぎれたら、どう なるのでしょう。

前の章の愛媛県の調査では、冬はため池、初夏は水田と、使う水場が分かれている可能性が示されました。池と水田が離れていれば、その間を水路などがつないでいるかもしれません。

そこでこのメモでは、池・水路・田んぼを「一続きの水場」として考えてみます。これは資料に書かれた説明ではなく、ここまでの話から組み立てた、このメモ独自の見方です。

ゲンゴロウには、夜に飛ぶ力もあります。水路が途切れている場所を、飛んで越えることがあるのかもしれません。ただし、飛び方を調べた資料はなく、ここも推測です。

もしこの見方が当たっているなら、水路や池が変わったとき、影響は一つの水場にとどまらない可能性があります。実際には何が起きているのでしょうか。

前章の愛媛県の調査は、ため池での越冬と水田での繁殖を示唆した。この動きが成り立つには、池と水田の間に、移動できる経路が必要になる。そこで本記事では、池・水路・水田を一続きの水場として考える。これは資料の説明ではなく、愛媛の結果を空間として捉え直した、記事独自の見方だ。

成虫が水路を泳ぐのか、夜に飛ぶのかといった移動の方法は、今回の資料には述べられていない。灯火に飛来する習性(第1章)が移動と関係している可能性はあるが、これは材料から導いた仮説にすぎない。

この見方が意味を持つのは、守る単位が変わりうるからだ。冬を過ごす池と初夏に使う水田が離れている場合、水路などのつながりが失われると、両方を使う暮らしに影響する可能性がある。では、水場や水路は実際にどう変わり、何が減少の要因になっているのか。

6. 水の みちが かわると、どう なるの?

6. 水路や池が変わると、暮らせる場所が減る

6. 圃場整備と池沼の改修 ── 減少の要因とレッドリスト上の位置づけ

兵庫ひょうご県の 子ども向けの ページに、ゲンゴロウが へった わけが 書いて あります[5]。田んぼへ 水を はこぶ 水の みちが、コンクリートで かためられたり、土の 中に うめられたり しました。水草が たくさん はえて いた あさい ところも、なくなって しまいました。

田んぼに まく のうやくや、くらしで 出る よごれた 水で、水が よごれた ことも あります。もともと いなかった ブラックバスや ウシガエルに たべられる ことも あると いいます[5]。

京都府きょうとふの 本では、ゲンゴロウは 環境省かんきょうしょうの リストで、へって いて 気を つけたい むしの 1つに なって います[1]。

水草の ある あさい 水場と、つながった 水の みち。この 2つが どんな ものかが わかれば、のこす くふうも 考えられます。

兵庫県の子ども向けページは、ゲンゴロウが減った理由を挙げています。用水路がコンクリートで固められたり地中に埋められたりしたこと、農薬や肥料、生活排水で水が汚れたこと、ため池が深いコンクリートの池になって、水草の生える浅場がなくなったこと、そしてウシガエルやブラックバスに食べられることです[5]。

京都府のレッドデータブックも、圃場整備などによる池沼の改修・消滅と、農薬の流入による水質の悪化を主な脅威とし、大きな池では外来魚による捕食も問題だとしています。環境省のカテゴリーは絶滅危惧II類とされています[1]。クロゲンゴロウでも、池沼の消滅、水質汚染、外来魚が脅威とされ、環境省のカテゴリーは準絶滅危惧です[6]。

これまでの章と合わせると、浅場が消えることは、水草のある暮らしの場所と産卵の場所が減ることにつながります。水路が地中に埋まることは、池と田んぼを結ぶ水の道の一部が切れることかもしれません。

何が必要かが分かれば、残すための工夫も考えられます。水草のある浅い水場と、それをつなぐ水の道が、手がかりです。

兵庫県の子ども向けページは、減少の要因として、用水路のコンクリート化や地中化、農薬・肥料・生活排水による水質悪化、ため池の深いコンクリート化による水草のある浅場の消失、ウシガエルやブラックバスによる捕食を挙げる[5]。

京都府レッドデータブックも、ナミゲンゴロウの主な脅威を、圃場整備等による池沼の改修・消滅と農薬の流入による水質悪化とし、大きな池では外来魚の捕食も問題とする。環境省のカテゴリーは絶滅危惧II類(VU)と記載されている[1]。ただし、これは京都府のページ内の記述であり、環境省の最新版そのものではない。クロゲンゴロウでも、池沼の消滅、水質汚染、大きな池での外来魚が脅威とされ、環境省のカテゴリーは準絶滅危惧だ[6]。

これらを前の章と重ねると、因果が見えてくる。浅場の消失は、水草のある生息地と産卵場所(水中の草の茎)を同時に減らす。用水路の地中化は、池と水田を結ぶ水の道の一部を断つ可能性がある。冬を池で過ごし、初夏に水田へ移る暮らしがあるとすれば、池・水路・水田がつながって残ることが、その暮らしを支えるのかもしれない。これは複数の資料から導いた見方で、一つ一つの水場の変化が個体数に与える影響を測った研究の結論ではない。

要因が具体的に分かっているのは、手がかりでもある。何が減らしたのかが見えれば、何を残せばよいのかも考えられる。

7. 近くの 水の みちを 見て みよう

7. 近くの水場は、ゲンゴロウが暮らせる形か

7. 資料を読み比べて、自分の地域に当てはめる

家の 近くに、田んぼや 水の みち、ため池は ありますか。水の 中に は 入らず、道から 見える ところだけ、見て みましょう。水の みちは、コンクリートか、土ですか。水草は はえて いますか。あさい ところは ありますか。

水の ちかくは すべりやすく、あぶない ところも あります。ひとりでは 行かず、おうちの 人と いっしょに 出かけて ください。

おうちに ある 紙に、近くの 田んぼ、水の みち、ため池を 思い出して かいて みましょう。つながって いるかを 線で むすび、水草が ありそうな あさい ところに しるしを つけます。

通学路や散歩の道で、田んぼや水路、ため池が見えるところがあれば、道から眺めてみましょう。水路の壁はコンクリートか土か。水草は生えているか。浅くなっている場所はあるか。この記事で出てきた、ゲンゴロウに必要な条件と、見比べられます。帰ったら、家の紙に池・水路・田んぼのつながりを描き、水草や浅場がありそうな所に印をつけてみてください。水辺は足もとがすべりやすいので、水に近づきすぎず、大人と一緒に行ってください。

調べものとしては、京都府のレッドデータブックのゲンゴロウとクロゲンゴロウの項を、並べて読むと、生息環境と脅威の書き方がどこまで同じで、どこが違うかを探せます[1][6]。

愛媛県衛生環境研究所の年報(コガタノゲンゴロウの調査)を開き、調査地点と確認時期を探して、どの地域・どの時期の記録かをメモする[4]。本記事の「冬はため池、初夏は水田」が、愛媛県南西部の一種の調査にもとづくことを、自分の目で見られる。

京都府レッドデータブックのナミゲンゴロウとクロゲンゴロウの項を並べ、生息環境と脅威の記述を比べる[1][6]。自分の住む都道府県のレッドデータブックの記述と合わせれば、地域による違いもつかめる。

近所の水場を外から観察し、水路の壁がコンクリートか土か、水草が見えるか、浅場があるかを記録する。家に戻ったら、紙に池・水路・水田のつながりを描き、水草や浅場がありそうな所に印をつけると、本記事の見方と比べやすい。水辺は足もとが不安定なので、水に近づきすぎず、大人と行くこと。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:府県の資料、研究所の年報、事典、図鑑、報道を突き合わせて使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 京都府レッドデータブック2015「ゲンゴロウ」. https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/ins0044.html (体長、生息環境、減少の要因、環境省カテゴリーの記載について)
  2. コトバンク「ゲンゴロウ」(世界大百科事典の記述). https://kotobank.jp/word/ゲンゴロウ-3151331 (体の大きさ、すむ場所、灯火に来ること、空気をたくわえる呼吸について)
  3. Honda 森のライブラリー「ゲンゴロウ」. https://global.honda/jp/philanthropy/hondawoods/forest/library/021/ (空気タンクのような呼吸、夜行性、成虫での越冬と産卵について)
  4. 愛媛県衛生環境研究所年報「コガタノゲンゴロウの生息状況調査」. https://www.pref.ehime.jp/uploaded/attachment/32501.pdf (ため池での越冬と水田の利用、水田の水の期間、中干しについて)
  5. 兵庫県「こどもむけ ゲンゴロウ」. https://web.pref.hyogo.lg.jp/ac02/kids_n_ge.html (減少の要因について)
  6. 京都府レッドデータブック2015「クロゲンゴロウ」. https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/ins0135.html (同じ科の別の種の生息環境と脅威との比較について)
  7. 熊本日日新聞(共同通信)「ゲンゴロウ科の幼虫が水面の裏側をあおむけで歩く」. https://kumanichi.com/articles/2018613 (小型種ナガケシゲンゴロウの幼虫の行動について)

なおした ところ

更新履歴

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  •  中学生向けの題名を、日常の疑問が先に来る形に見直した。

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