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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

イルカは どうして ジャンプ するの?

イルカはなぜ水面から跳び出すのか ── 速く泳ぐときの「省エネ」と、回るジャンプの謎

イルカのジャンプの理由 ── 高速時の省エネ説(ポーポイジング)と、回転跳躍をめぐる仮説

分野:生きもの

イルカが 海を はやく 泳ぐとき、水の 中を 泳ぎつづけるより、空へ とびだして すすむ ほうが らくに なる ことが ある、と いわれて います。

では、ジャンプは ぜんぶ それで せつめい できるのでしょうか。くるくる 回る ジャンプは どう なのか。この きじで、わかって いる ことと、まだ わからない ことが わかります。

イルカが水面から跳び出すのは、遊んでいるからだけではありません。群れが速く泳ぐとき、水中を泳ぎ続けるより、跳びながら進むほうが、体力の節約になる速さがある、と研究者は説明しています。

野生のカマイルカの測定では、速く泳ぐと抵抗の数字が最大89%小さくなり、跳ぶことでさらに17%小さくなりました。では、くるくる回るジャンプはどうでしょうか。その理由は、まだ決着していません。この記事では、研究でよく支えられていることと、仮説にとどまることが、それぞれ分かります。

イルカのジャンプのうち、理由が最もよく裏づけられているのは、高速で移動するときの省エネ効果だ。ある速さ(交差速度)を超えると、空中に出るほうが、水中を泳ぎ続けるよりエネルギー的に有利になるという[1]。

一方、ハシナガイルカの回転跳躍や、日常的に見られるジャンプの多くは、複数の仮説が並ぶ段階にある[6]。何が研究で分かっていて、何が推測なのか。この記事では、その境目が分かる。

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1. イルカは、はやく 泳ぐとき ジャンプしながら すすむ

1. 速く泳ぐイルカの群れは、跳ねながら進む

1. 高速で移動するイルカは、なぜ水面から出入りを繰り返すのか

海の 上を、イルカの むれが ジャンプを くりかえしながら すすんで いく ことが あります。この 動きを「ポーポイジング」と いいます[1]。

ポーポイジングは、とても はやく 泳ぐ ときの 動きと して 知られて います[1]。しらべた 人たちは、ある はやさを こえると、水の 中を 泳ぐより、ジャンプしながら すすむ ほうが 力を つかわずに すむ、と せつめい して います[1]。

ただし、いつも ジャンプした ほうが とく、と いう わけでは ありません。とくに なるのは、はやく 泳ぐ ときだけです。

海の上を、イルカの群れが水面から出たり入ったりしながら、ほぼ同じ向きに進んでいく。そんな場面が知られています。この動きは「ポーポイジング」と呼ばれ、速く泳ぐときの動きだとされています[1]。

研究者は、この動きに次のような説明をしています。ある「交差速度」を超えると、空中で水の抵抗が減る分が、跳ぶための余分なコストを上回り、跳びながら進むほうがエネルギーの面で有利になる、という説明です[1]。

ただし、この説明が当てはまるのは速く泳ぐときだけです。ゆっくり泳ぐときにまで、跳ぶほうが得になるわけではありません[1]。では、なぜ空中のほうが楽になるのでしょうか。

群れで高速移動するイルカが、水面から跳び出しては入る動きを繰り返す。この行動はポーポイジングと呼ばれ、1980年のAuとWeihsの研究以来、次のように説明されてきた。ある「交差速度」を超えると、空中で抵抗が減る利益が、跳ぶための余分なコストを上回り、エネルギー的に有利になる[1]。

注意したいのは、有利になるのが高速のときに限られる点だ。交差速度は理論の上で導かれる値で、種や体の長さによって変わる。したがって、いつも跳ぶほうが得だとは言えない[1]。では、空中に出ると、何がどう変わるのか。

2. どうして 空に でると、らくに なるの?

2. 水中より空中のほうが、抵抗が小さいから

2. 空気中の抵抗、息つぎ、そして跳躍のコスト

水の 中は、空気の 中より、体を おし かえす 力(ていこう)が 大きい ところです。空へ とびだして いる あいだは、その 水の ていこうを うけません[1]。

けれども、とびだす ためには 力が いります。それで、はやく 泳ぐほど、空で へる ぶんが、とびだす ための 力より 大きく なります。この ざかい目の はやさを、交差こうさそくど と いいます[1]。

もう ひとつ あります。はやく 泳ぎながら 息を する とき、ポーポイジングが いちばん 力を ためられる ほうほうだと 思われる、と 書いた 本も あります[2]。空に でた とき、いっしょに 息も できる からです。

見て いると、ジャンプの あとに、水めんの ちかくを すべる ように すすみ、また 泳いで はやさを つけます。ジャンプと ジャンプの あいだの 泳ぎは、ジャンプの 長さの 2ばい ほどだ、という 見かたが あります[1]。たとえば 5メートル とぶなら、つぎに 10メートルほど 泳ぐ、という ことです。

空中に出ると、何がちがうのか

水は空気よりずっと重く、体を押し返す力、つまり抵抗も大きくなります。空中に出ているあいだは、この水の抵抗を受けません[1]。

ただし、跳び出すにも力が要ります。速度が低いうちは、跳ぶためのコストのほうが大きく、水中を泳ぐほうが楽です。速度が上がると、空中で減る抵抗の分が勝ちはじめます。この切りかわりの速さが「交差速度」です[1]。

息つぎも、いっしょに済む

イルカは肺で呼吸するので、泳ぎながら息つぎをしなければなりません。1991年のイルカの泳ぎの総説は、高速で泳ぎながら息をする方法として、ポーポイジングが最もエネルギーを節約できる方法と思われる、と述べています[2]。跳んで空中に出た一瞬が、そのまま息つぎになるわけです。

跳んで、滑って、また泳ぐ

Weihsは観察をもとに、跳躍と跳躍のあいだに、跳躍の長さの約2倍の泳ぎの区間がはさまると報告しました。そして、跳躍、水面近くの惰性での滑走、加速して泳ぐ区間、という3段階のモデルを提案しています[1]。たとえば5mの跳躍なら、次の跳躍までに10mほど泳ぐ計算です。

空中での利益は、抵抗の差から生じる。水中で受ける抵抗は大きく、空中ではそれが減る。一方、跳び出すには余分な仕事が要る。速度が低ければこのコストが勝ち、水中を泳ぐほうが有利になる。速度が上がって、空中で減る抵抗の分がコストを上回ったところが、交差速度である[1]。

呼吸も関わる。Fish & Hui(1991)の総説は、高速遊泳中の呼吸方法として、ポーポイジングが最も省エネルギーと見られる、と述べ、日常的な最大遊泳速度として報告された値を約3 m/s(時速約11km)とした。これは日常的な泳ぎの上限として報告された値で、瞬間の最高速度ではない[2]。

Weihs(2002)は、観察をもとに、跳躍の間に跳躍の長さの約2倍の泳ぎの区間が挟まるとし、跳躍・水面近くの惰性滑走・加速泳ぎの3段階を繰り返すモデルを示した[1]。たとえば跳躍が5mなら、泳ぎは10m程度という見積もりになる。つまり、跳びっぱなしではなく、跳ぶ・滑る・泳ぐを組み合わせて、全体の消費を抑えていると読める。

3. 野生の イルカで、はかって みると

3. 野生のイルカをドローンで測った研究

3. 野生のカマイルカの測定 ── 抵抗の減少が89%、跳躍の上乗せが17%

この せつめいは、りくの うえで かんがえた だけの 話では ありません。2024年に、野生の カマイルカを ドローンで うつして はかった 研究が 出されました[3]。

けっかは、こうです。秒速 2メートルを こえると、水の ていこうを あらわす 数字が、さいだい 89%も 下がりました。さらに、秒速 4メートルを こえて ジャンプしながら すすむと、17%、よぶんに 下がりました[3]。

ここで 気を つけたい ことが あります。89%の ほうは、はやく 泳ぐ ほど 下がる、という 話です。ジャンプの おかげだけでは ありません。ジャンプの ぶんは、あとから 足された 17%です[3]。

2024年、野生のカマイルカをドローンで撮影して速度と抵抗を調べた研究が発表されました。速度は秒速0.9〜6.9mの範囲でした。論文の抄録によると、秒速2mを超えると抗力(水の抵抗の大きさ)を表す数字が最大89%小さくなり、秒速4.0mを超えてポーポイジングをすると、さらに17%小さくなりました[3]。

ここで、数字の読み方に注意が要ります。89%は、速く泳ぐほど抵抗の数字が下がる、という話です。跳んだ効果だけではありません。跳躍が上乗せしたのは、その後ろにある17%のほうです[3]。

水中を泳ぐだけで、すでに速いほど有利になる。そのうえ、さらに跳ぶと少し得をする。理論の説明と、野生の個体の測定が、同じ方向を指していることになります。ただし、この数字は1種の、特定の群れの測定です。すべてのイルカに当てはまるとは限りません。

理論は、野生の個体でも確かめられつつある。Davis et al.(2024、J. R. Soc. Interface)は、野生のカマイルカ(dusky dolphin)をドローンで撮影し、速度0.9〜6.9 m/sの範囲で抗力を調べた。論文の抄録では、2 m/sを超えると抗力が最大89%小さくなり、4.0 m/sを超えてポーポイジングをするとさらに17%小さくなった[3]。

読み方に注意が要る。89%は、速度が上がるほど抗力係数が下がるという、泳ぎそのものの変化だ。跳躍の効果ではない。跳躍が上乗せしたのは、その後の17%である。両者を混ぜると、「ジャンプで抵抗が9割近く減る」と誤読する[3]。

水中を泳ぐだけでも速いほど有利になり、その上で跳ぶとさらに有利になる。この構図は、Au & Weihsの理論の方向と合う。ただし対象は1種の特定の群れで、他の種や体の大きさに、そのまま当てはめられるとは限らない。

4. くるくる 回る ジャンプは、べつの わけ?

4. 回転するジャンプは、「速く泳ぐため」だけでは説明しにくい

4. ハシナガイルカの回転跳躍 ── 省エネ説の外にある行動

ところが、ジャンプには、「はやく すすむ ため」だけでは せつめい しにくい ものも あります。ハシナガイルカの、くるくる 回る ジャンプです。

ハシナガイルカは、水めんから とびだして、体を 回す ジャンプで 知られて います。アメリカの NOAA(ノア)という 役所は、1回の ジャンプで 4回てんまで 回る ことが ある、と しょうかい して います[4]。おなじ ページには 7回、という 書き方も あるので、ここでは「数回てん」と して おきます。

NOAAは、こうした 動きは、おもに 音を つかった 合図や、なかまとの やりとりの ため、と くわしい 人たちは 考えて いる、と 書いて います[4]。

省エネの説明は、速く泳ぐとき限定の話でした。ところが、ジャンプのなかには、これだけでは説明しにくいものがあります。ハシナガイルカの、体をくるくる回す跳躍です。

米国海洋大気庁(NOAA)は、ハシナガイルカが水面から跳び出して体を回転させる跳躍で知られ、1回の跳躍で最大4回転することがある、と紹介しています。同じページには「最大7回」という書き方もあり、回数ははっきりしません。ここでは「数回転」としておきます[4]。

NOAAは、この行動は主に音による合図やコミュニケーションのためだと専門家は考えている、と説明しています[4]。ただし、これは「専門家は考えている」という説明で、実験で確かめられた結論ではありません。

省エネ説は、高速移動時の跳躍には当てはまるが、回転跳躍の説明にはなりにくい。ハシナガイルカ(spinner dolphin)は、水面から跳び出して体を回転させる跳躍で知られる。NOAAは、1回の跳躍で最大4回転すると紹介するが、同じページに「最大7回」という記述もあり、食いちがいがある。このため、回数は断定せず「数回転」と読むのが妥当だ[4]。

NOAAは、この行動が主に音による合図やコミュニケーションのためと専門家は考えている、と説明している[4]。これは専門家の見解の紹介であり、実験で決着した結論ではない。NOAAはもう1つの見方として、コバンザメなどの除去を挙げている。次の章で、その中身を読む。

5. コバンザメを ふり おとす ため、という 見かた

5. コバンザメを振り落とすため、という見方は決着したか

5. コバンザメ除去説 ── 「そう見える」と「取れた」のあいだ

NOAAは、もうひとつの 見かたも 書いて います。ジャンプは、体に ついた コバンザメなどを おとす ほうほうにも なりうる、と いう ものです[4]。

野生の イルカを 長く 見て いる、けんきゅうを して いる ところの 話も あります。わかい イルカが、コバンザメを ふり おとそうと して はねて いる ように 見える。ジャンプの わけの すくなくとも 1つは、それらしい、と 書いて います[5]。

けれども、そこでは、ジャンプで コバンザメが とれた ばめんは 見て いない、とも 書いて います[5]。「そう 見える」ことと、「とれた」ことの あいだには、まだ すき間が あります。

NOAAは、跳躍が、コバンザメなどの外部寄生生物を落とす手段にもなりうる、とも説明しています[4]。

野生のイルカを長く観察している研究団体Wild Dolphin Projectも、若いイルカがコバンザメを振り落とそうとして跳ねているように見え、跳躍の理由の少なくとも1つはそれらしい、と述べています[5]。

ところが同じ団体は、跳躍でコバンザメが取れた場面は見ていない、とも書いています[5]。「そう見える」ことと「実際に取れた」ことのあいだには、まだ差があります。この説は、有力な仮説の1つにとどまっています。

NOAAは、回転跳躍がコバンザメなどの外部寄生生物を落とす手段にもなりうる、と述べる[4]。野生イルカの長期観察で知られるWild Dolphin Projectも、若いイルカがコバンザメを振り落とそうとして跳ねているように見え、跳躍の理由の少なくとも1つはそれらしい、と書く[5]。

だが、同じ文章は、跳躍でコバンザメが取れた場面を見ていない、とも述べる[5]。観察による「そう見える」と、「実際に落ちた」との間には距離がある。しかも、この団体の話の対象は、ハシナガイルカとは限らない野生の群れであり、回転跳躍の話をそのまま重ねることはできない。

以上から、コバンザメ説は、無視できない仮説だが、確かな結論でもない。同時に、合図説と両立しうる。1回の跳躍が、複数の役目を兼ねている可能性も、否定はされていない。

6. わけは ひとつでは ない、と 考えられて いる

6. 高速時の省エネ以外にも、複数の仮説がある

6. 仮説の一覧と、検証の現状 ── 研究が追いついていない領域

2010年の ポルトガル語の まとめは、イルカや クジラが とぶ わけとして、いくつもの 見かたを あげて います。なかまへの 合図、えさを とる ため、体に ついた 生きものを おとす ため、いらだちや あそび、よぶんな 力を ぶつける ため、なかよく する ため、などです[6]。

そして、どれも 十分には ためされて いない、と 書いて います[6]。これは、「どれも まちがい」と いう 意味では ありません。たしかめる 方ほうが、まだ 足りない、と いう こと です。

イルカやクジラの仲間がなぜ跳ぶのかについて、2010年のポルトガル語の総説は、いくつもの仮説を挙げています。コミュニケーション、えさとり、寄生虫や付着生物を落とすこと、いらだちや遊び、エネルギーの発散、性行動、社会的なきずな、などです[6]。

そして、跳躍の理由として挙げられた仮説の多くは、十分には検証されていない、と述べています[6]。これは「どれも間違い」という意味ではなく、確かめる方法が足りない、という意味です。

こうして見ると、研究でよく支えられているのは、高速で泳ぐときの省エネという説明です。それ以外の理由は、場面や種によって違う、と考えるのがよさそうです。回転跳躍も、1つの理由で片づけられるとは限りません。

Nascimento(2010)の総説は、イルカ・クジラ類が跳ぶ理由として、コミュニケーション、採餌、寄生虫や付着生物の除去、いらだち・遊び、エネルギーの発散、性行動、社会的な絆などの仮説を挙げ、いずれも十分には検証されていないと述べる。ポルトガル語の総説で、ここでは抄録に拠る[6]。

「十分に検証されていない」は、「誤り」ではない。観察で得られるのは「そう見える」ところまでで、理由を決める証拠がまだ足りない。だから複数の仮説が並んでいる、と読める。

整理すると、「高速時の省エネ」は理論と野生の測定の両方で支えられ、「合図」「コバンザメ除去」は専門家の見解や観察にとどまる。1種類の跳躍に1つの理由が対応するとも限らず、種や場面ごとに考える必要がある。

7. 手を 水に いれて、ていこうを 感じて みよう

7. 水と空気の抵抗の差を、手で感じる

7. 抵抗の差を体感する、跳躍の前後を観察する

水を 入れた おけや ボウルを、ぬれても いい ところに おきます。まず、手を 空気の 中で、すばやく 前へ ふって みます。つぎに、手を 水の 中に 入れて、おなじ はやさで 動かして みます。

水の 中の ほうが、手が おもく 感じられるはずです。水の 中では、手を 動かすのに 空気の 中より 大きな 力が いります。この 力の ちがいが、水の ていこうを 感じる 手がかりです。イルカは ジャンプで、この ていこうを へらして います。水を こぼさない ように、ゆっくり やりましょう。

もし 水ぞくかんや 海で イルカを 見る ことが あれば、ジャンプの 前に はやく 泳いで いたか、むれで いたか、1頭 だけ だったかを 見て みましょう。ジャンプの わけは、その 場面で ちがうかも しれません。

水を入れたおけやボウルを、ぬれてもよい場所に置きます。まず手を空気中ですばやく前へ振り、次に水中に入れて同じ速さで動かしてみます。水中のほうが手が重く感じられるはずです。水中では、手を動かすのに空気中より大きな力が要ります。この力の差が、水の抵抗を感じる手がかりです。水をこぼさないよう、ゆっくり動かしてください。

水族館や海でイルカを見る機会があれば、跳ぶ前に速く泳いでいたか、群れでいたか、1頭だけだったかを見てみてください。省エネの説明が当てはまりそうな場面と、そうでない場面が見分けられるかもしれません。

回転跳躍の理由は、研究の途中にあります。手で感じた水の抵抗と、イルカが水面から出て進む動きを、頭の中で並べてみると、跳ぶことの意味が少し見えてきます。

抵抗の差は、家庭でも体感できる。水を入れたおけに手を入れ、空気中と同じ速さで動かすと、水中のほうが大きな力を感じる。これは、跳躍が空中で減らす抵抗の感覚的な手がかりになる。ただし、手の動きとイルカの体の形は大きく異なるので、定量的な比較にはならない。水をこぼさないよう、ぬれてもよい場所で行うこと。

観察の視点も得られる。跳ぶ直前に速く泳いでいたか、群れだったか、単独だったか。省エネ説は高速移動時に限られるので、跳躍のきっかけが「速度」にあるかどうかが見分けの鍵になる。

原典に当たるなら、交差速度の理論はWeihs(2002)の抄録[1]、野生の測定はDavis et al.(2024)[3]、回転跳躍についてはNOAAの解説[4]が出発点になる。回転がコバンザメを実際に落としているのかは、今も決着していない問いで、自分で調べる価値がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:学会の抄録、論文の記録、米国海洋大気庁の解説、研究団体の記事を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. Weihs, D. (2002) "Dynamics of Dolphin Porpoising Revisited", Society for Integrative and Comparative Biology(抄録)。https://sicb.org/?p=36016 (交差速度と、跳躍・滑走・泳ぎの3段階のモデルについて)
  2. Fish, F. E. & Hui, C. A. (1991) "Dolphin swimming: A review", Mammal Review(USGS記録)。https://pubs.usgs.gov/publication/1008153 (高速時の呼吸と日常的な最大遊泳速度について)
  3. Davis et al. (2024) "Drag reduction and locomotory power in dolphins: Gray's paradox revealed" Journal of the Royal Society Interface 21:20240227。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11463224/ (野生のカマイルカの抵抗の測定について。89%と17%の数字は抄録による)
  4. NOAA Fisheries "Spinner Dolphin"。https://www.fisheries.noaa.gov/species/spinner-dolphin (ハシナガイルカの回転跳躍と、その理由の見方について)
  5. Wild Dolphin Project "Pesky Remoras"。https://www.wilddolphinproject.org/pesky-remoras/ (コバンザメと跳躍についての観察記録)
  6. Nascimento, L. F. (2010) "Por que os botos, baleias e golfinhos saltam?", Oecologia Australis 14(4)。https://revistas.ufrj.br/index.php/oa/article/view/7119 (跳躍の理由として挙げられている仮説の一覧について)

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