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きょうりゅうの ほねは どうして のこったの? ── ほとんどの 化石は 海の いきもの

恐竜の骨が石になって残るまで ── ロンドン自然史博物館は「化石の約99%は海の動物」と説明

化石ができる条件 ── ロンドン自然史博物館が示す「海の動物が99%」の理由と、骨のすき間に鉱物が入る石化

分野:自然

ロンドンの しぜんし はくぶつかんでは、見つかる 化石の ほとんど(およそ 100こ のうち 99こ)は、貝や サメなど 海の いきものだと せつめいして います[4]。りくに すんで いた きょうりゅうは、ずっと すくないのです。

どうして きょうりゅうの ほねは、石に なって のこれたのでしょう。化石が できる 道すじと、石に ならない 化石の ことが わかります。

ロンドン自然史博物館は、見つかる化石の約99%は貝やサメなど海の動物のものだと説明しています[4]。陸にいた恐竜の化石は、ごく一部です。

では、陸の恐竜の骨は、どんな幸運が重なって石になり、現代まで残ったのでしょうか。化石ができる道すじと、石にならずに残る例が分かります。

ロンドン自然史博物館は、見つかる化石のほぼ99%が貝やサメなど海の動物だと説明する[4]。これは同館のページの記述で、生きものの種類の割合ではない。陸の恐竜が残るには、何が必要だったのか。

死後すぐの埋没、骨のすき間への鉱物の沈着、埋まったあとに壊れないこと。この三つの条件と、石にならない保存の例が分かる。

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1. まず、しんだ あと すぐ うまる こと

1. 化石になる第一の条件は、死んだあとすぐ埋まること

1. 死後すぐの埋没 ── 分解・風化・捕食を避ける条件

きょうりゅうが しぬと、にくや 皮は ほかの どうぶつに 食べられたり、バクテリアで くさったり して なくなります。のこるのは、かたい ほねです[3]。

その ほねが、みずうみや かわ、うみで 土や すなに うまると、化石への 第一歩です[3]。すぐに うまれば、くさったり、食べられたり、風で けずられたり しにくく なります[6]。

海の いきものが 多い わけも ここに あります。みずの 中では、しんだ あと すぐ どろに おおわれやすいからです[4]。

肉が消え、骨だけが残る

福井県立恐竜博物館の説明では、恐竜が死ぬと、肉や皮はほかの動物に食べられたり、バクテリアに分解されたりして失われ、骨が残ります。その骨が湖や川、海で砂や泥に埋もれると、化石への一歩目になります[3]。

アメリカ国立公園局も、死後すぐに堆積物に埋まれば、分解・風化・食べられることを防げると説明します。残りやすいのは、殻・骨・歯・木のような硬い部分です[6]。

陸の恐竜は、水のそばにいたから残った

水の中は堆積物がたまりやすく、すぐ埋まれます。ロンドン自然史博物館は、恐竜の化石の多くは湖や川の近くにいた動物で、洪水で泥に覆われたものがある、と説明します[4]。

恐竜の骨が化石になる出発点は、軟組織が食べられたり分解されたりして骨が残り、それが湖・川・海の砂や泥に埋もれることだ[3]。なぜ「すぐ」なのか。堆積物による早い埋没が、分解・風化・捕食から遺骸を守るからだ[6]。同じ理由で、骨・歯・殻・木といった硬い部分のほうが、軟組織より残りやすい[6]。

福井県立恐竜博物館も、骨の強度が高いこと、土砂のたまりやすい場所へ運ばれること、バクテリアに分解されない特殊な環境に置かれることを、条件に挙げる[1]。同館は、見つかる化石の約99%が海の動物なのは、水中での急速な埋没が起きやすいためと説明する。恐竜化石の多くも、湖や川のそばにいて、洪水の泥に覆われた動物と考えられている[4]。

2. ほねは「石に へんしん」した わけじゃ ない

2. 骨は「石に変身」したのではなく、鉱物が入りこむ

2. 石化 ── 水が運ぶ鉱物と、パーミネラリゼーション・置換

うまった ほねは、どうやって 石に なるのでしょう。まわりの 土や すなから、石の もとに なる ものが、ゆっくり しみこんで いきます[1]。

ほねは 小さな すきまが たくさん ある スポンジの ようです。そこに みずが しみこみ、みずが ひいたあと、石の つぶ(けっしょう)が のこります[4]。ほねの すきまに 石の つぶが のこると、化石の 中に 小さな つぶつぶが 見える ことが あります。すきまが、スポンジのように 見える 化石も あります[4]。

ほねが すっかり 石の もとと いれかわる ことも あります[1]。ただし ほんとうは、どこまで いれかわるかは、化石ごとに ちがいます。

水がしみこみ、鉱物を残していく

骨が埋まると、周りの土砂から、石のもとになる成分がゆっくりしみこみます。これが進むと、骨が石のもとの成分と置きかわって、石のような化石になります[1]。ロンドン自然史博物館は、いちばん一般的なこの化石化を「石化」と呼び、水が骨や歯にしみこんで鉱物を残していく、と説明します[4]。

骨にはもともと細かいすき間があります。水が去ったあとに鉱物の結晶がそこに残るので、恐竜の化石はスポンジやハチの巣のような質感になることが多い、といわれます[4]。

入りこむ場合と、入れかわる場合

アメリカ国立公園局は、鉱物が生物の自然なすき間を満たすことを「パーミネラリゼーション」、溶けた硬い部分を鉱物が置きかえることを「置換」と区別しています。石になった木(珪化木)で有名なペトリファイド・フォレスト国立公園は、その例として紹介されています[5]。

では、骨は何に変わるのか。福井県立恐竜博物館の説明では、周囲の土砂から石のもとになる成分が染みこみ、それが進むと骨などがその成分と置換される[1]。ロンドン自然史博物館が「最も一般的」とする石化は、水が骨や歯に染みこみ、鉱物を残して石に変えるもので、数千年から数百万年かかることがある[4]。

骨が海綿状に見える理由も同じ道すじで説明できる。水が去ったあとに、骨の空隙に鉱物の結晶が残るためだ[4]。米国国立公園局は、原物質の自然な空隙を鉱物が満たすパーミネラリゼーションと、溶けた硬組織を鉱物が置きかえる置換を、別の過程として区別している[5]。珪化木はその例だ。実際の化石で両者がどう混ざるかは、ここで使った資料からは細かく言えない。

3. 石に なるまで、どれくらい かかるの?

3. 石になるまでの時間は、環境で大きくちがう

3. 化石化の所要時間 ── 1年未満から数百万年までの幅

石に なるまでの 時間は、いつも おなじでは ありません。みじかければ 1ねん みまん、ながければ 数百万ねんも かかると 考えられて います[2]。

とても みじかい れいも あります。石の もとが たくさん とけた こうせんのような ところでは、数しゅうかんで すすむらしい、と いわれます[2]。これは とくべつな 場所の 話です。

福井県立恐竜博物館は、骨が化石化する時間について、短ければ1年未満、長ければ数百万年かかると考えられている、と説明します。石のもとになる鉱物の成分が豊富な鉱泉のような環境では、数週間以内に進むようだ、ともいいます[2]。

この「数週間」は特殊な環境の例で、どこでもそうなるわけではありません。ロンドン自然史博物館が石化について「数千年から数百万年かかることがある」とするのも、同じ幅の中の話です[4]。

化石化にかかる時間は、環境しだいで桁が変わる。福井県立恐竜博物館は、骨の化石化は短ければ1年未満、長ければ数百万年と考えられているとし、鉱物成分が豊富な鉱泉のような環境では数週間以内に進むようだ、と述べる[2]。

この「数週間」は特殊な環境の一例で、一般的な所要時間として読むべきではない。ロンドン自然史博物館の「数千年から数百万年」という石化の説明も[4]、この幅の内側にある。

4. 貝や 足あとは、ほねと ちがう のこり方を する

4. 貝は「型」で、足あとは「痕跡」で残る

4. 型・鋳型・内型と、生痕化石

化石は、ほねだけでは ありません。貝がらを 土に おしつけた ところを 思いうかべて ください。ぬけたあとに、「かた」が のこります。これを モールドと いいます[7]。

その かたの 中に 土や 石の もとが 入って かたまると、貝と おなじ 形の コピーに なります。これを キャストと いいます[7]。貝がらの 中に 土が 入って できる 石の かたも あります[7]。

足あとや すあなも 化石です。きょうりゅうの 足あとや、皮や はねの あとが のる ことも あります[4]。生きものの からだそのものでは なく、生きていた 「あと」が のっているのです。

型と鋳型

アメリカ国立公園局によると、貝殻などは「型」(モールド)の形で残ることがあります。型は生物の体の立体的な跡です。その型に堆積物が入りこんでかたまると、複製のような「鋳型」(キャスト)になります。殻の内側に土砂が入ってできた石の鋳型は、シュタインケルンと呼ばれます[7]。

足あとや巣穴も化石

化石は、生きものの体だけではありません。福井県立恐竜博物館や産総研の説明では、足跡、巣穴、糞のような生物活動の痕跡も、地層の中に残れば化石です[1][10]。ロンドン自然史博物館は、恐竜の足あとや、皮・羽毛の跡も保存されることがある、と書いています[4]。

貝殻は、骨とは別の残り方もする。米国国立公園局の用語では、型(モールド)は生物の立体的な印象、鋳型(キャスト)は、その自然の型に堆積物などが入って複製になったもの、シュタインケルンは殻の内側に堆積物が入って石になった内型(独語で「石の核」)である[7]。

足跡や巣穴などの生痕化石も、化石に含まれる。福井県立恐竜博物館は、昔の生物の遺骸や痕跡が地層中に埋もれて保存されたものと定義し[1]、産総研も足跡・棲み穴・糞を化石に含める[10]。ロンドン自然史博物館は、恐竜の足跡や、皮・羽毛の跡も保存される例を挙げる[4]。そのため「化石=石になった体」という理解は、定義としては狭すぎる。

5. 石に ならなくても、化石と いえるの?

5. 石にならない保存もある ── 凍結と琥珀、そして石炭の位置づけ

5. 非石化の保存 ── 凍結・琥珀と、化石に含まれないもの

こおりの 中に とじこめられて、からだ ぜんたいが のこる ことが あります。きんにくや ないぞう、皮まで のこる 場合も あります[8]。

また、木の しるが かたまった 琥珀こはくは、むしを つつんで のこす ことが あります。ただし、とても まれです[8]。

いっぽう、石油や 石炭は、生きものから できても、もとの 形や つくりが のこって いません。ふつうは 化石には 入れません[10]。

石にならない保存もあります。アメリカ国立公園局によると、凍結では、筋肉・腱・内臓・皮を含む動物の全身が残ることがあります。また、琥珀は針葉樹などの樹脂が固まったもので、昆虫を包んで保存することがありますが、とてもまれです[8]。

一方で、石油や石炭は生物に由来しますが、元の形や構造を残していないので、通常は化石には分類されないと、産総研は説明します[10]。

石化をともなわない保存もある。米国国立公園局は、凍結では筋肉・腱・内臓・皮を含む全身が残ることがあるとし、琥珀は針葉樹などの樹脂が固まったもので、ごくまれに昆虫を包んで保存すると述べる[8]。これらは、骨が鉱物に置きかわる過程を経ない保存の例だ。

産総研の用語解説は、生物由来でも、石油や石炭のように元の形状や構造を残していないものを、通常は化石に分類しないとする[10]。化石かどうかは、生物由来かだけでなく、元の形や痕跡がどれだけ保たれているかで線が引かれる。

6. 見つかった 化石は、うんが よかった

6. 埋まったあとも運しだい ── 化石が見つかるのは「運がよかった」

6. 埋没後の消失と、化石記録の偏り

うまった あとも、あんしんは できません。うまる とちゅうで こわれる ことも あり、その あとの 大地の うごきで こわれる ことも あります[9]。

ひとつの いきものが 化石に なる 見こみは、とても 小さいと いわれます[6]。ロンドンの しぜんし はくぶつかんも、とても まれな できごとだと 書きます[4]。

それでも、のこった ものを 集めると、地球の 生きものの れきしが わかります[6]。のこった 化石を 集めると、むかしの いきものの くらしが 少しずつ 見えて きます。

埋まってからも、壊れるかもしれない

名古屋市科学館の解説では、土砂に埋もれて酸素に触れないようにならないと、体は腐ってしまいます。埋もれる途中で壊れることもあり、その後の地殻変動で壊れることもあります[9]。

だから、見つかるのは運がいい

アメリカ国立公園局は、個々の生きものが化石になる確率はとても小さい、としながら、残ったものを全体で見ると、地球の生命の歴史が豊かに分かる、と述べます[6]。ロンドン自然史博物館も、化石化は非常にまれな出来事だと書きます[4]。具体的な確率の数字は、ここでは示しません。

埋まれば終わりではない。名古屋市科学館の展示解説は、土砂に埋もれて酸素と触れない状態にならなければ腐ること、埋もれる過程で壊れること、その後の地殻変動で壊れることがあると説明する[9]。つまり、化石になることも、掘り出されることも、条件が重ならなければ起こらない。

米国国立公園局は、個体が化石になる確率はごく小さいが、化石記録全体では生命の歴史を豊かに示す、とする[6]。ロンドン自然史博物館も、化石化を非常にまれな出来事と述べる[4]。確率を具体的な数字で示した資料は、ここでは使っていない。そのため、見つかる化石は残りやすい条件を満たした一部に偏る、という読み方にとどめる。

7. はくぶつかんで、どう のこったか 見て みよう

7. 博物館の化石を、「どう残ったか」で見分けてみる

7. 出口 ── 展示を残り方で読み分ける

うちで できる ことが あります。ぬれた すなや 土に、貝がらを そっと おしつけて、はずして みましょう。のこった くぼみが、「かた」に にて います。

はくぶつかんに いったら、化石を 見て、「ほね」「貝」「足あと」「こはく」の どれか、どう のこったのか、考えて みましょう。ほねなら スポンジのような すきまが あるか、足あとなら 土の ようすは どうか、じっくり 見ます。

ガラスの ケースには ふれないで ください。

家でできることがあります。湿った砂や土に貝殻をそっと押しつけて外し、残ったくぼみを見てみてください。これが「型」に似ています。

博物館に行くときは、展示の化石を「骨」「貝」「足あと」「琥珀」に分けて、どう残ったのかを想像してみましょう。骨ならすき間に鉱物が入っていそうか、足あとなら地面の様子はどうか、琥珀なら何を包んでいるかを見ます。

展示ケースには触れず、決まりを守って見学してください。

もっと読みたくなったら、福井県立恐竜博物館のQ&A[1][2]や、名古屋市科学館の展示解説[9]が日本語で読めます。

家で型を試すなら、湿った砂や土に貝殻を押しつけて外し、くぼみを観察する。これはモールドの考え方に近いが、実際の化石化は何千年もかかる自然の過程で、同じではない。博物館では、展示の化石を、骨・貝・足跡・琥珀に分け、どの保存の道すじをたどったかを、すき間の質感や形から推測してみるとよい。

資料を読むなら、福井県立恐竜博物館のQ&A[1][2]が日本語で化石化の条件と時間を、名古屋市科学館の展示解説[9]が失われる要因を説明している。ロンドン自然史博物館[4]と米国国立公園局[6][5][7][8]の英語ページは、石化・型・凍結などの用語の原典にあたる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:福井県立恐竜博物館、名古屋市科学館、産総研、ロンドン自然史博物館、米国国立公園局の資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 福井県立恐竜博物館 Q&A「化石はどうやってできるの?」。https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/dino/faq/r02093.html (化石の定義、置きかわり、化石になりやすい条件について)
  2. 福井県立恐竜博物館 Q&A「骨が化石化するにはどのくらいの時間がかかるの?」。https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/dino/faq/r02094.html (化石化にかかる時間について)
  3. 福井県立恐竜博物館「化石ができるまで」。https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/dino/excavation/fossil.html (肉が失われ、骨が埋もれる流れについて)
  4. Natural History Museum (London) "How are dinosaur fossils formed?"。https://www.nhm.ac.uk/discover/how-are-fossils-formed.html (石化、骨のすき間の結晶、海の化石の割合、足あとについて)
  5. U.S. National Park Service "Permineralization and Replacement"。https://home.nps.gov/articles/000/permineralization-and-replacement.htm (鉱物が入りこむ場合と置きかわる場合の区別について)
  6. U.S. National Park Service "How Fossils Form"。https://www.nps.gov/subjects/fossils/how-fossils-form.htm (化石になりやすい条件と、化石になる確率について)
  7. U.S. National Park Service "Mold, Casts, and Steinkerns"。https://www.nps.gov/articles/000/mold-casts-and-steinkerns.htm (型・鋳型・内型について)
  8. U.S. National Park Service "Preserved Remains"。https://home.nps.gov/articles/000/preserved-remains.htm (凍結と琥珀による保存について)
  9. 名古屋市科学館 展示解説 L221。https://www.ncsm.city.nagoya.jp/exhibit_files/pdf/L221.pdf (埋まったあとに壊れることについて)
  10. 産総研 地質用語解説「化石」。https://gbank.gsj.jp/geowords/glossary/fossil.html (化石の定義と、石油・石炭の位置づけについて)

なおした ところ

更新履歴

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