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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

キリンの くびは、どうして ながく なったの?

キリンの首はなぜ長い? 食べ物説とオスの戦い説

キリンの首はなぜ長いのか ── 食べ物説と繁殖競争説の論争、約1700万年前の頭突き型の化石、首の伸び方の順序

分野:生きもの

キリンの くびは、「たかい ところの はを たべる ため」に ながい、と きいた ことが ある人も おおいでしょう。でも、かせつは ほかにも あって、けんきゅうする 人たちの あいだでは、まだ きまって いません。

いまから 1700万年まえには、あたまを ぶつけあう ための くびと あたまを もった、キリンの なかまが いました。キリンの くびは、なにの ために ながく なったのでしょう。ふたつの かんがえかたと、ばらばらに 見える 手がかりが つながる ようすが わかります。

キリンの首が長いのは「高い所の葉を食べるため」と説明されることが多く、教科書にもそう書かれます。けれども、その説明が正しいと決まったわけではありません。約1700万年前には、頭突きの戦いに向いた頭と首をもつキリンの仲間が、いまの中国の北西部にいました[5]。

では、キリンの首は何のために長くなったのでしょうか。「食べ物」と「オスどうしの戦い」という2つの説がどんな証拠をもっているか、化石が何を足したのか、そして最近は両方が働いたと考える人もいることが分かります。

キリンの首が長い理由は、高い所の葉を他の草食動物と競わずに食べるためだ、と説明されることが多い。しかし研究者の間でこの説は決着しておらず、発情したメスを得るためのオス同士の戦いに使うためだ、という説が並び立つ[1]。2022年には、約1700万年前の中国北西部から、頭突きの戦いへの適応と解釈された化石のキリン上科が報告された[5]。

なぜ、教科書的な説明が決着していないのか。食べ物説とオスの戦い説それぞれの根拠と反論、化石が加えた材料、首の伸び方の順序、そして両方の圧力を考える立場が分かる。

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1. 「たかい はの ため」は、ほんとうに きまった こと?

1. 「高い葉を食べるため」という説は、どこまで確かなのか

1. 「高い葉のため」の説明は、どこまで確かな話か

キリンの くびは、どうして ながいのでしょう。いちばん よく きく こたえは、「たかい ところの はを、ほかの どうぶつと あらそわずに たべる ため」です。

けれども、もうひとつ かんがえが あります。「おとなの オスどうしが、たたかうとき くびを つかう ため」と いう かんがえです[1]。

さて、むかしの 学者さんは、どう かんがえたのでしょう。

キリンの首が長い理由には、おもに2つの説があります。ひとつは、高い所の葉を、ほかの草食動物と競わずに食べられるから、という説です。もうひとつは、発情したメスを得るためのオス同士の戦いに、首を使うから、という説です[1]。2010年には、この2つの説について最近の進み具合を検討した総説論文が出ています[1]。

食べ物の説は、ずっと昔から教科書の話だったように思えます。ところが、歴史をたどると、少し話がちがいます。ダーウィンがキリンの首を論じたのは『種の起源』の第6版で、自然選択を批判したミヴァートへの反論の部分でした。そこでは、自然選択に加えて、よく使った体の部分が子に伝わる効果も合わせて説明されています[9]。進化論の歴史を調べた古生物学者グールドは、ラマルクもダーウィンも、キリンを大きな論点にはしていなかったと述べたと紹介されています[9]。

では、食べ物の説は、現代の観察でどこまで支えられているのでしょうか。

キリンの首の長さについては、①高い所の葉を他の採食者と競合せずに食べられる(競合する採食者仮説)、②発情したメスを得るオス同士の戦いに用いる、という2つの仮説が中心になっている。2010年にSimmonsとAltweggが、両説の最近の進展を検討した総説を発表した[1]。

食べ物説は教科書では当然の話のように語られるが、歴史的には単純化されている。ダーウィンがキリンの首を論じたのは『種の起源』第6版で、自然選択を批判したミヴァートへの反論の節だった。そこでは自然選択に、使用の遺伝効果を併せた説明が用いられている[9]。しかもグールドは、ラマルクもダーウィンもキリンを大きな論点にはしなかったと指摘したという[9]。なお第1版にキリンの記述があるかどうかは、ここでは言わない。

では、現代の観察は、食べ物説をどこまで支えているのか。

2. たかい ところで たべると、とくを するの?

2. 高い所で食べると、一口の葉が多い

2. 食べ物説の根拠 ── 高さと一口あたりの葉の量

キリンは、ひくい ところの はも たべられます。それでも、たくさんの キリンは、ほかの どうぶつより たかい ところで たべて いたと いう けんきゅうが あります[2]。

たかい ところで たべると、ひとくちで たべる はの りょうが おおい、とも わかりました[2]。ひくい ところは、ちいさな どうぶつに たべられて すくなく なったり、木が うえの ほうへ えだを のばしたり する からだ、と かんがえられて います[2]。

ただし、ぜんぶの キリンが いつも たかい ところで たべる わけでは ありません。「おもって いたより ひくい ところで たべる キリンが おおい」と いう 見かたも あります[3]。

2007年のカメロンとデュ・トワの研究は、キリンが低い所の葉も食べられるのに、多くの場合は他の草食動物より高い位置で食べていることを示しました。しかも、木の高い所で食べるほうが、一口で口に入る葉の量が多いと報告されています[2]。低い所の葉は、小さな動物に食べられて減るか、木が上の枝を伸ばしてしまうためだと考えられています[2]。

これは食べ物説を支える材料です。ただし、研究の要旨で言えるのは「多くの場合」「一口あたり」までで、キリンが高い所だけで食べるという意味ではありません。

実際、シモンズとシェーパースは、予想より低い位置で食べているキリンが多いことを観察しています。一方で、低い所と中ほどの葉が食べ尽くされたときは、高い所で食べるのがいちばん得だという研究もあり、論争は続いています[3]。

食べ物だけでは説明しきれないのかもしれません。もう一つの説の中心にいるのは、キリンのオスの戦い方です。

食べ物説の根拠の1つが、2007年のCameronとdu Toitの研究(要旨)である。キリンは低い所の葉も食べられるのに、多くは他の採食者より高い位置で食べる。木の高い所で食べると一口あたりの葉の量が多い。低い所は小型の採食者に減らされるか、木が上の枝を伸ばすためと考えられた[2]。

ところが、この結果は「高い所だけで食べる」とは言っていない。SimmonsとScheepersは、多くのキリンが予想より低い位置で食べているのを観察している。他方、低い所と中ほどの葉が食べ尽くされたときには、高い所で食べるのが一口あたり最も得だという研究もある[3]。同じ「食べる高さ」でも、葉が残っている状況で結果が変わりうるため、観察と理論の食い違いは簡単には解消しない。

食べ物説に弱い点があるとして、もう一方の説は何を根拠にしているのか。

3. オスは くびを ふって、なにを するの?

3. 首をふって頭をぶつけ合う、オスの戦い

3. オスの戦い説の根拠と、その反論 ── ネッキングと頭骨の重さ

おとなの オスの キリンは、ながい くびを ふって、みじかい つのの ある あたまを おたがいに ぶつけあいます。これを ネッキングと いいます[3]。

「そのための くびだ」と かんがえる 人たちは、オスの あたまの ほねに 目を つけました。オスの あたまの ほねは、メスより おもい、と いう ほうこくが あります[4]。

ところが、「オスと メスで、あたまの おもさや くびの ながさの ちがいは ちいさい」と いう はんたいの いけんも あります[4]。

どちらが ただしいのか、これだけでは きめられません。そこで、むかしの キリンの なかまを しらべる ことに なりました。

おとなのオスは、長い首を振って、短い角(オシコーン)のある頭で互いを打ち合います。これがネッキングで、首を武器に使う戦いです[3]。

この説を支える人たちは、頭の骨を指さします。オスの頭骨はメスより重く、成長とともに骨がつけ加わる量もオスのほうがずっと多い、という報告があります[4]。メスの首も長さは同じくらいですが、ネッキングに必要な筋肉の量が足りず、叩くのには向かない、という主張もあります[4]。つまり「オスの頭は、ぶつけ合うために重くなる」という見方です。

反対側のミッチェル(2009年)は、頭の重さや首の長さの性差は小さいと指摘しています[4]。つまり、どちらの説も、決め手を欠いたままです。そこに2022年、化石から新しい材料が届きました。

オスのキリンは長い首を振り、短い角状の突起(オシコーン)をもつ頭で、互いを打ち合う。この行動をネッキングと呼ぶ[3]。オスの戦い説は、この行動と体の性差を結びつける。

根拠とされるのは、頭骨の差である。オスの頭骨はメスより重く、骨の付加量もオスのほうが大きいと報告されている[4]。これは体重の差ではなく、頭骨そのものの差という主張である。また、メスの首も長さはオスに近いのに、ネッキングに要る筋肉量が足りず叩くのには向かない、という主張もある[4]。

これに対し、Mitchell(2009)は頭の質量や首の長さの性差は小さいと指摘した[4]。つまり、現生のキリンだけでは、首が戦いに使われたことと、そのために長くなったことは分けて考えにくい。化石が決め手になるかもしれない、という状況で、2022年の報告が出た。

4. 1700万ねんまえの キリンの なかまは、なにを して いたの?

4. 約1700万年前の「頭突きのキリン」の化石

4. Discokeryx xiezhi ── 約1700万年前の化石が示したもの

2022年6月、ちゅうごくの けんきゅうの チームが、あたらしい かせきの どうぶつを はっぴょうしました。いまから 1700万年ほど まえの キリンの なかまで、ディスコケリクス・シェジと いいます[5]。

この どうぶつは、まるい ぼうしの ような かざりが あたまに ありました。くびの ほねは、とても ふとく、あたまと くびの つなぎめは、ほにゅうるいの なかでも いちばん こみいった 形でした[5]。

あたまを つよく ぶつけあう うごきに あった からだ、と けんきゅうの チームは かんがえました。オスの たたかいの ためだった、と 見る わけです[5]。

ただし、くびが ながい キリンでは ありません。いまの キリンの ほんとうの ごせんぞ、とも きまって いません。

2022年6月、中国科学院のチームが、約1700万年前(中新世前期)の化石をScience誌で報告しました。ディスコケリクス・シェジ(Discokeryx xiezhi)という新種のキリンの仲間で、中国北西部のジュンガル盆地の北のふちで見つかっています[5]。

この動物の頭には円盤状の飾りがあり、首の骨は極端に太く、頭と首の関節は哺乳類のなかでいちばん複雑なつくりでした。研究チームは、頭を強くぶつけ合う動きに合った体と考え、オスの頭突きの戦いへの適応と解釈しました[5]。

歯のエナメル質に含まれる成分の分析からは、開けた草原にすみ、季節ごとに移動していた可能性が示されました。食べ物が乏しい環境が、オスどうしの争いを強めたのかもしれない、と研究者は提案しています[7]。

ただし、首の長いキリンではありませんし、いまのキリンの直接の祖先とも言えません。首が長くなった理由が、これで決着した、という意味でもありません[5]。ただ、「首と頭が戦いに使われる体をもつ仲間が、実際にいた」ことは確かな手がかりです。

2022年6月、中国科学院のチームがScience誌で、約1700万年前(中新世前期)の新種の化石キリン上科、Discokeryx xiezhiを報告した。産出地は中国北西部のジュンガル盆地北縁である[5]。種小名のxiezhiは、中国の神話に出てくる一角獣の名に由来する。

この動物は、円盤状の頭飾り、極端に太い頸椎、哺乳類で最も複雑な頭と首の関節をもち、頭を強くぶつけ合う動きに合った体だと研究チームは考えた。これは、オスの頭突き戦いへの適応と解釈される[5]。

さらに歯のエナメル質の同位体から、開けた草原で季節移動をしていた可能性が示され、乏しい環境が雄同士の競争を強めた、と研究者は提案した[7]。

注意すべきなのは、この化石が首の長い種ではなく、現生キリンの直系祖先でもない点である。したがって、これは「首が長くなった理由」を直接示すものではなく、キリンの仲間に頭突き戦いへ特殊化した系統がいた、という材料にとどまる。

では、首が長くなる過程そのものは、化石からどう見えるのか。

5. くびは、いちどに のびたの?

5. 首は一度に伸びたのではなく、段階をふんでいた

5. 首の骨の伸び方の順序 ── 前半から、そして最近の後半

キリンの くびの ほねは、ひとつずつ ながい ものです。むかしの キリンの なかまと、いまの キリンや オカピの ほねを くらべた 研究が あります。

その 研究では、くびの のびかたは、すこしずつ だった ことが わかりました。はじめの なかまの ほねは、はばに くらべて すこし ながく、あとから ながく なって いきました[8]。

この なかで、いまの ような きょくたんな くびが できたのは、ごく さいきんの ことだと されて います[8]。

そうだと すると、「ひとつの りゆうで、いっきに のびた」とは かぎりません。

2015年のダノウィッツらの研究は、キリンの仲間の化石、オカピ、いまのキリンの首の骨71個を、11のグループにわたって比べました[8]。

その結果、首の伸びは段階的でした。初期の仲間の首の骨は、すでに幅に比べて長めでした。やがて首の前のほうが伸び、ごく最近の系統で後ろのほうが伸びて、いまのキリンの極端な首になったと報告されています[8]。

首の骨の数は、人と同じ7個です。1個ずつが長く、背中のいちばん上の骨が8番目の首の骨のように動くため、首の動く範囲が約50cm広がるという研究もあります[11]。

首が段階をふんで伸びたなら、食べ物と戦いのどちらか1つが全部を決めた、とも言い切れなくなります。

2015年のDanowitzらは、化石のキリン科、オカピ、現生キリンの頸椎71個(11分類群)を比較し、首の伸びが段階的だったことを示した。初期の仲間の頸椎は、すでに幅に比べて長めだった。その後、まず首の前側にあたる骨が伸び、ごく最近の系統で後ろ側が伸びて、現生キリンの極端な首になったという[8]。単純に頸椎を引き伸ばしたのではない。

頸椎の数は人と同じ7個で、1個ずつが長い。第一胸椎が8番目の首の骨のように動き、首の可動範囲が約50cm広がる、という東京大学の研究もある[11]。

遺伝子の面では、2016年のAgabaらが、キリンと最も近い現生の親戚オカピ(共通祖先は約1100万〜1200万年前)を比べ、骨格や心臓血管の発生に関わる遺伝子(FGFRL1など)に変化を見つけた[10]。ただし手がかりの段階で、機能の確定はこれからである。

首が段階的に伸び、しかも、遺伝子にも骨格や心臓血管に関わる変化の手がかりがある。1つの理由で全部を説明できるかは、まだ分からない。

6. ふたつの かんがえは、どちらかが まちがいなの?

6. 両方が働いたかもしれない、という見方

6. 論争はどう収まりつつあるのか ── 両方の圧力と、残る問い

ディスコケリクス・シェジを しらべた 人たちは、こう のべました。「キリンの くびが ここまで ながいのは、ある ていど、りょうほうの ちからで できた かのうせいが じゅうぶん ある」と[6]。

つまり、たべものと たたかい、どちらかが ぜんぶ、とは かぎらない、と いう こと です。

日本語の かいせつでは、キリンの くびが ながい わけについての かせつは、すくなくとも 6つ ある、と しょうかいされます。はっきり かいめいされた わけでは ありません[6]。

ディスコケリクス論文の著者たちは、キリンの首の極端な長さは、食べ物とオスの繁殖競争という2つの進化的な圧力の両方で形づくられた可能性が、十分にあると述べました。日本語の報道でも紹介されています[6]。

日本語の解説では、首が長い理由の仮説は少なくとも6つあるとされます。ダーウィン以来といわれる食料採取説、近年有力とされる繁殖競争説、両方を合わせる複合要因説などが並び、事実ははっきり解明されていません[6]。ただし「ダーウィン以来」は報道の言い方で、先に見たとおり、ダーウィンの時代の議論は単純ではありませんでした。

食べ物と戦いのどちらが、首の伸びた各段階でどれほど働いたかは、まだ決まっていません。

Discokeryxの論文の著者は、キリンの首の極端な長さは、食べ物と繁殖競争の両方の進化的圧力によって形づくられた可能性も十分あると述べた。日本語報道がこれを紹介している[6]。

ただし、これは原論文でなく報道を通した理解である点には注意が要る。日本語の解説は、首の長さに関する仮説が少なくとも6つあり、食料採取説、繁殖競争説、複合要因説などが並ぶと紹介し、事実は解明されていないとする[6]。食料採取説を「ダーウィン以来」とする言い方は、第6版でキリンを論じたこと、グールドが指摘した「大きな論点にはしていなかった」こととは、ずれがある[9]。

これまでに見たように、食べ物説は一口あたりの量などの観察があるが、低い所で食べる例も多い。オスの戦い説は頭骨の差などを根拠にするが、性差は小さいとの反論がある。化石は、頭突きに特化した系統がいたことを示すが、首の長い種ではない。どれも、単独では決め手に欠ける。

だからこそ、両方の圧力が働いた可能性を考える立場が出てくる。ただし、それを裏づける決定的な証拠が出たわけではない。残る問いは、首が伸びた各段階で、食べ物と戦いがそれぞれどれだけ効いたか、である。

7. どうぶつえんの キリンと、やせいの キリンは、なにが ちがうの?

7. 動物園のキリンと野生のキリンは、食べる条件がちがう

7. 出口 ── 野生と動物園の条件のちがい/原典に当たる

どうぶつえんで キリンを 見たら、えさが どこに おいて あるか 見て みましょう。たかい ところですか。ひくい ところですか。

どうぶつえんの えさの たかさは、人が きめて います。キリンが どの たかさで たべても、やせいの キリンが どう たべて いるかの こたえには なりません。

やせいの キリンは、木の はが どこに どれだけ あるかで、たべる ところが かわるかも しれません。どうぶつえんと やせいで、なにが ちがうと 思いますか。

動物園でキリンを見るときは、えさが置かれている高さに注目してみてください。高い所でしょうか、低い所でしょうか。

動物園のえさの高さは人が決めているので、キリンが食べる高さを見ても、野生の食べ方の答えにはなりません。野生では、葉が木のどの高さにどれだけ残っているかで、食べる場所が変わるのかもしれません。動物園と野生で、ほかに何がちがうでしょうか。

もっと調べたいときは、2010年の総説論文と2022年のScienceの論文が原典で、出典欄にたどる手がかりをのせました。

原典に当たるなら、Simmons and Altwegg(2010, Journal of Zoology 282:6-12)の総説が、2つの仮説の整理に役立つ。Cameron and du Toit(2007, American Naturalist 169:130-135)は食べ物説の観察、Danowitz et al.(2015, Royal Society Open Science)は首の骨の伸び方、Wang et al.(2022, Science)はDiscokeryxの報告である。

本稿は原論文の本文までは確認できておらず、一部は研究機関の紹介記事や報道に依拠している。数字の読み方を確かめたいときは、要旨だけでなく本文の表を見ること。

動物園のキリンを見るときは、野生との条件のちがいを考えるとよい。展示のえさの高さは人が決めており、そこでの食べ方は野生の採食行動の証拠にならない。食べ物説を調べるには、野生で、葉がどの高さにあるかと食べる高さを合わせて見る必要がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:2010年の総説の紹介ページ、2007年の食べ物説の要旨、National Geographicの解説2本、大学の紹介記事、中国科学院のニュース、日本語報道とSci.News、ダーウィンに関する学内誌、東京大学とPenn Stateの発表を使いました。論文本文は確認していません。

  1. Simmons and Altwegg(2010)の紹介ページ(ケープタウン大学)。 https://science.uct.ac.za/fitzpatrick/articles/2010-10-08-how-giraffe-got-its-long-neck (2つの仮説の整理)
  2. Cameron and du Toit(2007)American Naturalist 169:130-135(要旨)。 https://www.journals.uchicago.edu/doi/10.1086/285955 (食べる高さと一口の葉の量)
  3. National Geographic Phenomena「Giraffes – Necks for food or necks for sex?」。 https://www.nationalgeographic.com/science/article/giraffes-necks-for-food-or-necks-for-sex (食べ物説への疑問とネッキング)
  4. Lake Forest College「Debate Over Origin Of Long Necks In Giraffes」。 https://www.lakeforest.edu/news/debate-over-origin-of-long-necks-in-giraffes-(giraffa-camelopardalis) (頭骨の重さの差と反論)
  5. 中国科学院(Chinese Academy of Sciences)英語ニュース。 https://english.cas.cn/head/202206/t20220603_306184.shtml (Discokeryx xiezhi の報告)
  6. ナゾロジー(日本語報道)。 https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/110124 (両方の圧力と仮説の数)
  7. Sci.News「Discokeryx xiezhi」。 https://www.sci.news/paleontology/discokeryx-xiezhi-10868.html (歯の分析と環境)
  8. National Geographic Phenomena「How giraffes became winners by a neck」(2015)。 https://www.nationalgeographic.com/science/phenomena/2015/10/07/how-giraffes-became-winners-by-a-neck/ (首の骨の伸び方の順序)
  9. Science Quarterly(UBC)Peachey の記事。 https://www.scq.ubc.ca/?p=158 (ダーウィンとキリンの首)
  10. Penn State News「How did the giraffe get its long neck」。 https://www.psu.edu/news/research/story/how-did-giraffe-get-its-long-neck (遺伝子の手がかり)
  11. 東京大学 UTokyo FOCUS。 https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00462.html (首の骨の数と可動範囲)

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