1. くさむらに いる カマキリは、どの カマキリ?
1. 草むらで出会うのは、どのカマキリか
1. 草むらのカマキリは一種類ではない:オオカマキリとチョウセンカマキリ
秋の くさむらで 大きな カマキリを 見たら、それは オオカマキリかも しれません。オオカマキリは、川原や 林の ふちの くさむらに すんで います。日本の カマキリの なかで、いちばん 大きい 種類です。
メスの 大きさは、77ミリから 105ミリほどです。105ミリは、新しい えんぴつの 長さの 半分より 少し 長いくらいです。
草の はらには、チョウセンカマキリも います。この カマキリは、へいちの 草はらに すむ 種類で、まちの ちかくの 草はらでも 見られます。きょうとの 本には、草はらが へると いなくなりやすいと 書かれて います。
では、カマキリは みんな 草の 上に いるのでしょうか。つぎは、木の ほうを 見て みましょう。
川原や林のふちの草むらでよく見られるのが、オオカマキリです。体長はオスが68〜92mm、メスが77〜105mmで、日本最大のカマキリとされています[1]。メスの最大105mmは、新品の鉛筆(約17cm)の6割ほどの長さです。
同じ草地にはチョウセンカマキリもいます。京都府のレッドデータブックは、この種を「平地の草原環境の指標種」と説明しています。指標種とは、その種がいることがその環境の目安になる生きもののことです。都市近郊の草原に生息するため、開発が進むと意外に絶滅しやすいとも指摘されています[3]。これは京都府での評価で、全国の状況をそのまま表すものではありません。
草むらの大きなカマキリでも、種によって居場所の好みがあるようです。それなら、草のない高い場所にはどんな仲間がいるのでしょうか。
草むらで見るカマキリは、一種類とは限らない。オオカマキリは川原や林縁の草むらに生息し、図鑑では本州・四国・九州の種として紹介される。体長はオス68〜92mm、メス77〜105mmで、日本最大のカマキリである[1]。メスの最大105mmは、新品の鉛筆(約17cm)の6割ほどにあたる。
同じ草地には別種のチョウセンカマキリもいる。京都府レッドデータブックによると、この種は平地の草原環境の指標種で、都市近郊の草原に生息する。そのため、そうした草原の開発が進めば、意外に絶滅しやすいと指摘されている[3]。指標種とは、その種の有無が環境の状態を知る目安になる生きもののことである。ただし、これは京都府内での評価であり、全国で絶滅の危機にあるという意味ではない。
では、草むらの外、背の高い木のあるところはどうなっているのか。
2. 木の 上にも、カマキリは いるの?
2. 木の上や低木にも暮らすカマキリがいる
2. 樹上と低木の暮らし:ハラビロカマキリとヒメカマキリ
います。ハラビロカマキリは、林の 木の 上や、林の ふちの 草はらで 見られます。ひくい 木に いる ことが 多い カマキリです。体の 長さは 50ミリから 70ミリほどです。
東京の まんなかの 公園でも、見つかった ことが あります。2018ねんの 8月、国の 公園の 人が クスノキの 下を あるいて いると、風に ふかれて おちて きた ハラビロカマキリに 出会ったと 書いて います。
ヒメカマキリは、木の 上で くらす 小さな カマキリです。卵の ふくろ(卵鞘)は、細長くて、1円玉より 小さな ものです。これを 小さな えだに くっつけます。ハラビロカマキリの 卵鞘は、木の えだや、家の かべに つきます。
あれ、卵が かべに ある なら、カマキリの すみかは 草むらと 木だけでは ないのかも しれません。
ハラビロカマキリは、林の樹木の上や林のふちの草地で見られ、低木にいることが多い種です。体長は50〜70mmで、卵鞘は木の枝や人家の壁などに産みつけられ、卵のまま冬を越します[2]。
東京の中心部の公園にもいます。環境省の皇居外苑の観察記録には、2018年8月に北の丸公園を歩いていた職員の前に、クスノキから風にあおられて落ちてきたハラビロカマキリが現れた、と書かれています[10]。都会の木の上でも暮らしている例の一つです。
ヒメカマキリは、京都府のレッドデータブックで「樹上性」とされる小さな種で、本州と九州に分布します。卵鞘は約5.0×12.0mmの長方形で、1円玉(直径20mm)より小さく、小枝などに産みつけられます[5]。
ハラビロカマキリの卵鞘は、人家の壁にもつきます。暮らす場所は草むらと木だけなのでしょうか。川のそばや地面の近くも見てみます。
ハラビロカマキリは、林の樹上や林縁の草地で見られ、低木にいることが多い。体長は50〜70mm、卵鞘を木の枝や人家の壁などに産みつけ、卵で越冬する[2]。草むらを好むオオカマキリと比べると、同じカマキリでも、暮らす高さがちがう。
この種が都心にもいることは、環境省の記録から分かる。皇居外苑・北の丸公園の観察記録(2018年8月)には、歩いていた職員がクスノキから風にあおられて落ちてきたハラビロカマキリに出会ったとある[10]。一回の観察記録であり、都心全体に多くいるという意味ではないが、街の中の樹木にも暮らせることを示す一例である。
ヒメカマキリは京都府レッドデータブックで「樹上性」とされ、本州と九州に分布する。卵鞘は約5.0×12.0mmの長方形で、1円玉(直径20mm)より小さく、小枝などに産みつけられる[5]。卵の置き場所は、成虫の暮らす場所と重なっているのである。
ただし、ハラビロカマキリの卵鞘は人家の壁にもつく。生息場所は草むらと樹上の二分では収まらないのではないか。そこで、川のそばや地面の近くに目を向ける。
3. かわの そばや、おちばの 下には?
3. 河川敷の草地と、落ち葉の間で暮らす仲間
3. 河川敷の安定した草地と、地上の落ち葉:生息場所の幅と種数
ウスバカマキリは、河川敷に すんで います。川の そばでも、水が あふれたり 人が くさを かったり する ことが すくない、おちついた 草はらを このみます。北海道から 南の しまじままで、ひろく いる 種類です。
ヒナカマキリは、すこし かわって います。地面の おちばの あいだで くらします。カマキリの なかまは 草や 木の 上に いる ことが 多いので、めずらしい 種類です。
日本の カマキリは、十しゅるいくらいです。資料に よって、10から 13と、数が ちがいます。
世界には 2000から 2400しゅるいほどが いて、あつい 国に 多い なかまです。それでも 日本の 草むらや 林や 川の そばで、これだけの くらしが 見られます。
さて、オオカマキリは、どこまで 北へ ひろがって いるのでしょうか。
河川敷の草地には、ウスバカマキリがいます。京都府のレッドデータブックによると、増水や人の手による乱れが少ない、安定した草地に生息し、北海道から南西諸島まで分布します[4]。川のそばでも、いつも荒らされている場所ではなく、落ち着いた草地を好む種です。
反対に、地面の近くで暮らすのがヒナカマキリです。日本のカマキリ類の大部分は草の間や樹上で暮らしますが、ヒナカマキリは地上の落ち葉の間で暮らす変わりものとして紹介されています[6]。
日本のカマキリ類はカマキリ科とヒメカマキリ科の2科で、種数は資料により約10種から13種とばらつきがあります[6]。世界では2,400種を超えるとされ、おもに熱帯に多い仲間です[7]。日本の種だけでも、草むら、林、河川敷、落ち葉の間と、暮らす場所は幅広いのです。
ウスバカマキリは北海道にも分布するとされています。ではオオカマキリは、北のどこまで暮らしているのでしょうか。
河川敷では、ウスバカマキリが見られる。京都府レッドデータブックは、この種が増水や人為による攪乱の少ない安定した草地に生息し、北海道から南西諸島まで分布するとしている[4]。川のそばといっても、しばしば攪乱を受ける場所では暮らしにくいことを示唆する記述である。
地面の近くで暮らす種もいる。日本のカマキリ類はカマキリ科とヒメカマキリ科の2科で、大部分が草の間や樹上で生活するが、ヒナカマキリは地上の落ち葉の間で暮らす例外として挙げられる[6]。種数は資料によって約10種から13種と幅があり、数え方の違いによるものか、ここでは断定しない。
世界ではカマキリ目の2,400種超が知られ、熱帯に多い[7]。日本の種数は資料によって幅があるが、草むら・林・河川敷・落ち葉の間と、種ごとに暮らす場所が分かれている。
北海道に分布するウスバカマキリに対し、オオカマキリには「道南まで」という線が引かれてきた。その線は、いま何を示しているのか。
4. 北海道の まちで 見つかった オオカマキリは、なにを おしえて くれる?
4. 札幌の市街地でも見つかったオオカマキリは何を示すのか
4. 長万部以北にいないとされたオオカマキリが札幌で見つかった意味
オオカマキリは、北海道では 道南までしか いないと されて きました。
2025ねんの 新聞には、さっぽろの のっぽろの 森や ススキノなどで 見つかったと あります。見つかった 話は 100けんを こえました。
とまこまい市の びじゅつはくぶつかんでも、数ひきずつ 見つかって います。
くわしい 人は、オオカマキリが そこで 生まれ、その 子どもも そだつ「ていちゃく」が、北海道の 中に 広がって いるかも しれないと 言って います。「かもしれない」で、まだ はっきりしては いません。
あたたかく なった えいきょうかどうかは、新聞でも「か」と 書かれて いるだけで、わかって いません。
オオカマキリは 秋に 卵を うみ、4月ごろ 200ひきほどの 子が いっせいに うまれます。こんど 見つけたら、どんな ばしょか 見て みましょう。
北海道新聞の2025年10月の記事によると、国内では道南が生息の北限とされてきたオオカマキリが、札幌市の野幌森林公園やススキノなどでも目撃され、目撃情報は100件を超えました。専門家は、世代交代を繰り返す「定着」が道内全域に広がりつつある可能性を指摘しています[8]。
別の記事では、苫小牧市美術博物館の確認として、長万部町以北にいないとされてきたオオカマキリが、ある年は4匹、翌年は6匹確認されたとあります[9]。
ここで大切なのは、「定着」が確定したわけではなく、「可能性」の指摘だという点です。記事の見出しにある温暖化の影響も「か」という推測で、原因が分かったという意味ではありません。
オオカマキリは秋にメスが小枝などに卵鞘を産み、卵のまま冬を越して、4月ごろに約200匹の幼虫が一斉にふ化します[1]。北の街で見つかった個体が卵を産み、次の春に幼虫が生まれるなら、それが「世代交代」です。
では、自分の近所のカマキリは、どこで暮らしているのでしょうか。
北海道では、オオカマキリは道南が北限とされてきた。ところが北海道新聞(2025年10月)は、札幌市の野幌森林公園やススキノなど市街地でも目撃され、目撃情報が100件を超えたと伝えた。専門家は、世代交代を繰り返す「定着」が道内全域に広がりつつある可能性を指摘している[8]。
苫小牧市美術博物館の確認を伝える別の記事でも、長万部町以北にはいないとされてきたオオカマキリが、ある年は4匹、翌年は6匹確認されたとある[9]。少ない数ではあるが、同じ地域で年をまたいで確認が続いたことになる。
注意すべきは、これらが「定着が広がっている可能性」であって、確定ではない点である。記事の見出しは温暖化の影響を疑う書き方だが、本文は原因を断定していない。したがって、「温暖化で北上した」とは言い切れない。原因が分かっていない以上、目撃の増え方だけで北上を決めつけることはできない。
「定着」の意味は、オオカマキリの生活史から分かる。オオカマキリは秋にメスが卵鞘を小枝などに産みつけ、卵で越冬し、4月ごろに約200個体の幼虫が一斉にふ化する[1]。目撃された個体が卵を産み、卵が冬を越して次の世代が育つことを繰り返せば、その場所に定着したことになる。北の街で見つかった成虫の数だけでは、そこまでは分からない。
では、こうした変化は自分の住む場所で確かめられるのか。
5. 近くの カマキリの「すみか」を 見つけよう
5. 近所のカマキリの「住所」をさがす
5. 自分の住む地域のカマキリの「住所」を調べる
やって みよう。ちかくの 草むら、ひくい 木、家の かべや えだに、カマキリの 卵の ふくろが ついて いないか、大人と いっしょに あんぜんな ばしょで さがします。ノートには、見つけた ばしょと、見た目を ひとこと 書きます。見つからなくても、どんな ばしょを 見たか 書いて おくと、あとで くらべられます。
くるまが 通る 道や 川の そばでは、あしもとに 気を つけて、大人と いっしょに 行きましょう。
北海道の オオカマキリの ニュースは、これからも 数が かわるかも しれません。あたらしい ニュースが 出たら、数を 見くらべて みましょう。
やってみましょう。近所の草むら、低木、家の壁や木の枝に、カマキリの卵鞘がついていないか探します。成虫が見つかれば、それも記録します。ノートには、見つけた場所と見た目を一言ずつ書きます。見つからなくても、どんな場所を見たかを残しておくと、別の日に見たときの比較になります。
道路ぎわや川べりでは足元に気をつけ、大人と一緒に行きましょう。
ここまで見てきた種の住み場所は、草むら、林のふち、木の上、河川敷、落ち葉の間でした。見つけた場所を、資料に書かれた生息場所と比べてみると、身近な景色とのつながりが見えてきます。北海道の動きは、続報を見るときの目安にもなります。
資料としては、環境省のウェブサイトや、京都府のレッドデータブック(種ごとの解説あり)が参考になります。
近所で確かめる方法は単純である。草むら、低木、人家の壁や木の枝で、カマキリの卵鞘や成虫の有無と場所を記録する。見つからなかった場所も記録しておくと、あとで比べられる。道路ぎわや川べりでは足元に注意し、大人と一緒に行く。
見つけた個体が、本記事の整理のどこに当たるかを考えてみるとよい。草原のオオカマキリやチョウセンカマキリ、樹上のハラビロカマキリやヒメカマキリ、河川敷のウスバカマキリ、落ち葉の間のヒナカマキリである。ただし京都府レッドデータブックの記述は京都府での評価であり、住んでいる地域にそのまま当てはまるとは限らない。
資料としては、各出典に挙げた京都府レッドデータブックの種ごとの解説、Hondaの生きもの図鑑、環境省の皇居外苑の観察記録がある。北海道の件は、後続の報道で目撃情報の数や専門家の見解が更新される可能性が高い。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の参照番号と、この一覧の番号は対応しています。
- Honda 生きもの図鑑「オオカマキリ」 https://www.honda.co.jp/outdoor/knowledge/adventure/picture-book/ookamakiri/ (生息場所・大きさ・卵鞘・ふ化)
- Honda 生きもの図鑑「ハラビロカマキリ」 https://www.honda.co.jp/outdoor/knowledge/adventure/picture-book/harabirokamakiri/ (生息場所・卵鞘の産みつけ先)
- 京都府レッドデータブック2015「チョウセンカマキリ」 https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/ins0296.html (指標種・都市近郊の草原)
- 京都府レッドデータブック2015「ウスバカマキリ」 https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/ins0298.html (河川敷の草地・分布)
- 京都府レッドデータブック2015「ヒメカマキリ」 https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/ins0225.html (樹上性・卵鞘の大きさ)
- コトバンク「カマキリ(昆虫)」 https://kotobank.jp/word/カマキリ(昆虫)-826002 (日本のカマキリ類の科と暮らし方)
- Wikipedia「Mantis」 https://en.wikipedia.org/wiki/Mantis (世界の種数と分布)
- 北海道新聞 2025年10月17日の記事 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1225865/ (札幌での目撃・定着の可能性)
- 北海道新聞 苫小牧市美術博物館の確認を伝える記事 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1209397/ (苫小牧での確認数)
- 環境省 皇居外苑 自然情報(2018年8月) https://www.env.go.jp/garden/kokyogaien/news/2018/08/post_293.html (都心の公園での観察記録)
なおした ところ
更新履歴
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