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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

あめの ひに、さかなが 田んぼへ のぼる ための みちって、どんな もの?

雨の日に魚が田んぼへ上る「水田魚道」とは、どんな道なのか

水田魚道は、段差でとだえた水路と田んぼをどうつなぐのか ── 滋賀県「魚のゆりかご水田」の例

分野:生きもの

あめが ふると、琵琶湖びわこの フナや ナマズが、田んぼを めざして 川のような せまい みずの みちを のぼって くる ことが あります[4]。その みちは、人が つくった 「さかなの ための みち」です。

どうして そんな みちが いるのでしょう。さかなの みちの かたちと、田んぼで うまれた こどもが 湖へ かえる ところまで、わかります。

雨が降ると、琵琶湖からニゴロブナやコイ、ナマズが、水路に取りつけられた「魚道」を通って田んぼをめざすといいます[4]。魚が田んぼへ上るための道を、人がわざわざ作っているのです。

田んぼと水路のあいだに、何があったのでしょうか。魚道が段差をどうつなぎ、田んぼで生まれた稚魚がどう湖へ帰るのかが分かります。

滋賀県では、雨が降ると琵琶湖からニゴロブナ・コイ・ナマズが排水路の魚道を遡上し、田んぼに入るという[4]。魚が田んぼに「上る」ために、人が道を作っているわけだ。

なぜ道が要るのか。魚道の2つの型は何が違うのか。そして田んぼで孵化した稚魚はどのように湖へ戻るのか。農林水産省と滋賀県の資料から、その流れが分かる。

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1. 雨の ひに、田んぼで なにが おきて いるの?

1. 雨が降ると、魚は田んぼをめざして水路を上る

1. 雨を合図に遡上する湖の魚 ── 水田魚道とは何か

田んぼの よこには、水を ながす みぞ(はいすいろ)が あります。滋賀県しがけんでは、この みぞに 「魚道」と いう、さかなが のぼれる しかけが つけられて いる ところが あります[2]。

あめが ふると、琵琶湖びわこから ニゴロブナや コイ、ナマズが、魚道を とおって 田んぼを めざして のぼる そうです[4]。

この みちは、田んぼと みぞの あいだを、さかなが とおれるように つなぐ、人が つくった 水の みちです[1]。

でも、むかしは こんな みちは いりませんでした。どうして いま、わざわざ つくるのでしょう。

水田魚道とは、農林水産省の説明では、水田と水路を人工の水路でつなぎ、魚が水路から水田へ出入りできるようにするものです[1]。ドジョウ、ナマズ、タモロコ、フナの仲間、コイなどが、水路から田んぼへ上るときにも、田んぼから水路へ下るときにも役に立つとされています[1]。

滋賀県の例では、雨が降ると、ニゴロブナやコイ、ナマズが琵琶湖から魚道を通って田んぼをめざします[4]。魚道は「魚が上れる道」で、人がつなぎ直した水田と水路のあいだの通り道です。

しかし、そもそも魚が自分で上れていたなら、人が道を作る必要はありません。田んぼと水路のあいだで、何が変わったのでしょうか。

農林水産省は水田魚道を、水田と水路を人工的な水路でつなぎ、魚が水路から水田に出入りできるようにするものと説明する。対象はドジョウ、ナマズ、タモロコ、フナ類、コイなどで、水路から水田への遡上にも、水田から水路への降下にも有効とされる[1]。

滋賀県の取り組みでは、雨が降ると琵琶湖からニゴロブナ・コイ・ナマズが魚道を通って田んぼをめざして遡上する[4]。つまり、題名への答えの大筋は、魚道とは「水路と水田の間でとだえた魚の通路を、人工の水路でつなぎ直したもの」であり、水がふえる雨の日に魚が利用する、という点にある。

ただし、この説明は「なぜとだえたのか」を含んでいない。通路がとだえた事情を知らないと、魚道の形の意味も見えてこない。次にそこを見る。

2. どうして さかなは 田んぼに のぼれなく なったの?

2. 田んぼと水路にできた段差が、魚の道をふさいだ

2. ほ場整備がつくった落差 ── かつての産卵場所は、なぜ使えなくなったか

むかし、琵琶湖びわこの ちかくの 田んぼは、ニゴロブナなど 湖の さかなが たまごを うみ、そだつ のに ぴったりの ばしょでした[6]。ニゴロブナは、琵琶湖びわこにしか いない フナです[3]。

ところが、田んぼを つかいやすく する 工事が すすむと、田んぼと みずの みちの あいだに だんさが できました[2]。さかなは、その だんさを のぼれません。

こうして、さかなは 田んぼと 琵琶湖びわこを いったり きたり できなく なりました[6]。

そこで 人は、だんさの ところに さかなの みちを つくる ことに しました。どんな かたちの みちなのでしょう。

かつて琵琶湖のそばの田んぼは、琵琶湖固有種のニゴロブナなどにとって、産卵や繁殖がしやすい場所でした[6]。ところが戦後の農地整備で、魚が田んぼと琵琶湖を行き来できなくなりました[6]。

滋賀県は、農業の近代化で田んぼと水路に段差ができたことを理由にあげています[2]。農林水産省も、ほ場整備などで水路と水田のあいだに落差ができると、魚が水田に出入りできなくなると説明しています[1]。

田んぼの水はけや作業のしやすさは、農家の人にとって大切な改良でした。魚道は、その便利さを手放さずに、魚の通り道だけをつなぎ直す考え方です。滋賀県は、農業生産を保ちながら湖の魚が田んぼに入れるようにする、と説明しています[2]。

では、段差をつなぎ直す道は、具体的にどんな形をしているのでしょうか。

琵琶湖固有種のニゴロブナにとって、湖辺の水田はもともと産卵・繁殖に適した場所だった。ところが戦後の農地整備で、魚が水田と琵琶湖を行き来できなくなった[6]。滋賀県は原因を、農業の近代化で田んぼと水路に段差ができたことと整理する[2]。農林水産省の資料でも、ほ場整備などによる水路と水田の落差が、魚の出入りを妨げる要因として挙げられている[1]。

注意したいのは、ここで問題にされているのが、水路や田んぼの水そのものではなく、水面の高さのずれだという点である。整備は排水や作業の効率を上げるためのもので、それ自体が目的で魚を排除したわけではない。そのため、対策も整備をやめることではなく、農業生産を保ちながら通り道だけを再びつくる方向になる[2]。

では、その「通り道」は構造としてどう作られるのか。資料は大きく2つの型を挙げている。

3. 魚道には、どんな かたちが あるの?

3. 水路全体で水位を上げる型と、田んぼ1枚ごとにつける型

3. 堰上式と一筆型 ── 2つの型が解く問題の違い

魚道には、2つの かたちが あります[4]。

ひとつは、水を ながす みぞ ぜんたいの 水の たかさを、かいだんのように すこしずつ たかく して いく かたち。「せきあげしき」と いいます。

もうひとつは、田んぼ 1まいごとに つける かたち。「いっぴつがた」と いいます。

どちらも、田んぼと みぞの たかさの ちがいを、さかなが のぼれる ように やわらげる ための くふうです。

さて、さかなは のぼった あと、田んぼで なにを するのでしょう。

滋賀県の資料によると、魚道には2つの型があります。排水路全体の水位を階段状に上げていく「堰上式」と、田んぼ1枚(一筆)ごとに設置する「一筆型」です[4]。

堰上式は、水路のあちこちに水をせき止める板などを入れて、水面を少しずつ高くして田んぼの高さに近づけるやり方だと考えると分かりやすいでしょう。水面の段差を一度に大きく上るのではなく、小さな段に分けるイメージです。一筆型は、1枚ずつの田んぼと水路のあいだに取りつけます。

どちらが向くかは、田んぼの並び方や水の流れ方によって変わります。農林水産省は、効果的な設置条件や配置の間隔について、事業を行う側や農家の経験則にもとづく整備にとどまっていたとして、実証地区の調査とデータ分析から参考パンフレットをまとめています[1]。

道ができても、魚が来るとは限りません。田んぼに着いた魚は、そこで何をするのでしょうか。

滋賀県の資料は、魚道を2つの型に分けている。排水路全体の水位を階段状に上げていく堰上式と、田んぼ1枚(一筆)ごとに設置する一筆型である[4]。前者は、水路側の水面を段階的に持ち上げて田んぼとの落差を小さくするもの、後者は、個々の田んぼと水路の接点に魚の出入口をつくるもの、と読める。

2つの型は、解こうとする問題が少し違う。堰上式は水路全体を一つの「坂」にする発想で、水位が上がった水路から、つながる田んぼへ魚が入っていく。一筆型は、田んぼ1枚ごとに通り道をつくるので、水路全体の水位をいじらなくてよい反面、田んぼの数だけ設置が要る。

これに関連して、農林水産省は、効果的な設置条件や配置間隔がこれまで事業主体や農業者の経験則による整備にとどまっていたとしている。そのため実証地区の調査とデータ分析にもとづく参考パンフレットが作られた[1]。魚道は「作れば完成」ではなく、条件の探りかたがまだ育っている途中の技術だと言える。

それでは、魚道をくぐった魚は、田んぼでどのように過ごすのか。

4. 田んぼは、なぜ さかなの 「ゆりかご」なの?

4. 田んぼは暖かく、えさのプランクトンが多い

4. 産卵から孵化まで ── 田んぼが「ゆりかご」とよばれる理由

ニゴロブナは、あきから ふゆは 琵琶湖びわこの ふかい ところで すごします。はるに なると、産卵さんらんの ために あさい ところや、湖の ほとりの 田んぼを めざします[3]。

田んぼは 水が あたたかく、あかちゃんの えさに なる プランクトンが たくさん います[3]。だから、たまごから かえった あかちゃんが そだつのに ぴったりです。

田んぼに はいった おや さかなは、すぐに たまごを うみます。たまごは 2〜3日で かえります[3]。

あかちゃんは 田んぼで すこしずつ おおきく なります。そのあと、どうやって 湖へ かえるのでしょう。

滋賀県の説明では、ニゴロブナは秋から冬を琵琶湖の深いところで過ごし、春になると産卵のために浅瀬や湖辺の田んぼをめざします[3]。田んぼは水温が暖かく、稚魚のえさになるプランクトンが豊富で、産卵と成育にとても適した場所だからです[3]。

田んぼに入った親魚はすぐに産卵し、卵は2〜3日ほどでふ化します[3]。えさが多いので、稚魚は早く大きくなるといいます[4]。「ゆりかご」とは、卵から赤ちゃんの時期までを、暖かくえさの多い田んぼで育てる、という意味です。

夜に動く魚もいます。小規模な水田魚道を使った実験では、ドジョウの遡上は夜間に活発になると報告されました[7]。魚によって、道を使う時間帯がちがうのかもしれません。

田んぼで育った稚魚は、そのままずっと田んぼにいるのでしょうか。

ニゴロブナは、秋から冬を琵琶湖の深所で過ごし、春に産卵のため浅瀬や湖辺の田んぼをめざす。田んぼは水温が高く、稚魚のえさとなるプランクトンが豊富で、産卵と成育に適している[3]。この「暖かさ」と「えさの多さ」という2つの条件が、田んぼを「ゆりかご」とよぶ根拠になっている。

田んぼに入った親魚はすぐに産卵し、卵は2〜3日後に孵化する。なお、この2〜3日は滋賀県の一般向け説明の記述で、田んぼ全体の孵化率を示すものではない[3]。孵化した稚魚はプランクトンを食べ、早く大きくなる[4]。

行動の面では、小規模水田魚道を用いた実験で、ドジョウの遡上は夜間に活発化し、メダカはドジョウに比べて流れに向かう性質(正の走流性)が強いと報告されている[7]。これは実験水路での結果で、滋賀県の魚道の魚種そのものを調べたものではない。それでも、魚の種類によって魚道の使い方が違いうることは分かる。

では、孵化した稚魚は、どんなきっかけで田んぼを離れ、湖に戻るのか。

5. 田んぼで そだった あかちゃんは、どう やって 湖に かえるの?

5. 中干しのころ、稚魚は水と一緒に琵琶湖へ帰る

5. 溝切りと中干し ── 稚魚が水路へ流れ下るまで

田んぼでは、イネを そだてる とちゅうで、中干しなかぼしと いって、田んぼの 水を いったん ながします。

そのころ、田んぼに みぞを ほる 作業を すると、さかなの あかちゃんが 水と いっしょに、みずの みちへ でて いきやすく なります[4]。

そして、水をせきとめて いた 板を はずした みちを とおって、琵琶湖びわこへ かえって いきます[4]。

うまれてから かえるまで、ぜんぶ 人の 田んぼの しごとと かさなって います。さかなの みちは、さかなだけの ものでは ないのです。

稲作では、田んぼの水をいったん落とす中干しという作業があります。滋賀県の説明では、中干しの前に田んぼに溝を切ると、稚魚が排水路へ流れ下りやすくなります[4]。その後、堰板をはずした排水路を通って、稚魚は琵琶湖へ帰っていきます[4]。

ここで面白いのは、魚の都合と米づくりの作業が、同じ時期に重なっている点です。稲を育てる仕事の流れの中に、稚魚が湖へ帰るきっかけが組みこまれているわけです。

こうして、湖から田んぼへ上り、産卵し、稚魚が湖へ帰るという1年の流れが、人の手を借りながら再びつながります。この取り組みには、ほかにどんな良い点があるのでしょうか。

稲作の工程には、田んぼの水を落とす中干しがある。滋賀県の説明では、その前に溝切りをすると稚魚が排水路へ流下しやすくなり、堰板をはずした排水路を通って琵琶湖へ帰る[4]。

この流れで注目したいのは、稚魚の帰還が農作業の節目に乗っていることだ。魚のために特別な作業を足すというより、すでに行われる中干しと溝切りの時期に、排水路の堰板をはずすことで、稚魚が出ていける道が開く。そのため、農家の負担を大きく増やさずに両立しやすいと考えられるが、資料は作業量の比較までは示していない。

全体を並べると、春に雨を合図に湖から魚が遡上し、田んぼで産卵・孵化し、稚魚が育ち、中干しのころに排水路から湖へ戻る、という循環になる[4]。この循環が、取り組みの効果として県が挙げる点にもつながっている。

6. 魚の みちは、田んぼや 湖に どんな いいことが あるの?

6. 稚魚が育ち、米にも濁った水の対策にもつながる

6. 稚魚の生き残り・濁水の抑制・米の認証 ── 効果と、まだ育っている途中の技術

滋賀県しがけんは、この 取り組みを 「魚のゆりかご水田プロジェクト」と よんで います[5]。

水の みちを のぼって くる 外来魚が いないので、さかなの あかちゃんを たべる 天敵てんてきが すくなく、琵琶湖びわこより ずっと そだちやすいと されて います[5]。たべに くる てきの ことを、てんてきと いいます。

また、田んぼの 水を ひとまず ためられるので、にごった 水が 湖に ながれこむのも おさえられます[5]。

この 取り組みで つくられた 米は、「魚のゆりかご水田米」と して みとめられ、売られて います[6]。

みなさんの ちかくの 田んぼは、どうでしょう。見に いって みませんか。

滋賀県は、琵琶湖から湖の魚が田んぼへ上れるように排水路に魚道を設ける取り組みを、「魚のゆりかご水田プロジェクト」としています[5]。県の説明では、外来魚は水路を遡上しないため稚魚の天敵が少なく、稚魚の生き残る割合は琵琶湖より大幅に高いとされます[5]。具体的な数字は、今回の資料にはありません。

魚道には、田んぼの水を一時的にためられるため、琵琶湖へ濁った水が流れこむのを抑える効果もあるといいます[5]。

この地域では、平成18年度(2006年度)から近江八幡市や東近江市の湖辺域で取り組みが始まりました[6]。東近江市の栗見出在家町では約30ヘクタールで取り組まれ、「魚のゆりかご水田米」として認証・販売されています[6]。30ヘクタールは30万平方メートルで、一辺が約550メートルの正方形と同じ広さです。

魚の道を作ることは、魚が田んぼに入る道をつくり、田んぼからの濁った水が湖へ流れ込むのを抑え、米づくりにもつながる工夫なのです。

滋賀県は、排水路に魚道を設けて湖魚が田んぼに上れるようにする取り組みを「魚のゆりかご水田プロジェクト」とよぶ。外来魚が水路を遡上しないため稚魚の天敵が少なく、稚魚の生残率は琵琶湖より大幅に高いとされる[5]。ただし、具体的な数値や比較の条件は今回の資料に出ていない。

魚道で田んぼの水を一時的にためられるため、琵琶湖への濁水の流入も抑えられる[5]。つまり、水田魚道は、魚の保全だけでなく、水質への配慮にもつながる。

普及については、近江八幡市や東近江市の湖辺域で平成18年度(2006年度)から取り組みが始まっている[6]。これは「この地域の取り組み」の開始時期であって、プロジェクト全体の開始年ではない点に注意する。東近江市栗見出在家町では約30haで取り組み、「魚のゆりかご水田米」として認証・販売されている[6]。30haは30万m²なので、一辺およそ550mの正方形に相当する計算になる。

一方、農林水産省が述べるとおり、効果的な設置条件や配置間隔は、経験則による整備から、データにもとづく整理へと動いている途中にある[1]。魚道の設置条件や配置間隔は、経験則からデータにもとづく整理へ移っている途中だ。

7. 近所の 田んぼの 水の みちを 見て みよう

7. 近所の田んぼと水路の「高さの差」を道から見てみる

7. 段差を探し、原典で確かめる ── 近所の水田で観察できること

おうちの ちかくに 田んぼが あれば、道から 見て みましょう。田んぼの 水と、よこの みぞの 水の たかさは、どれくらい ちがいますか。

みぞに 板が はまって いたり、田んぼに つながる 小さな みずの みちが ついて いたり しないか、さがして みましょう。

田んぼの 中や、水の みちには 入りません。道から 見るだけにして、おうちの 人と いっしょに 行きましょう。

もし 見つからなくても だいじょうぶです。「ここは、さかなが のぼれるかな」と かんがえるのが、はじめの 一歩です。

近所に田んぼがあれば、道から、田んぼの水面と横を流れる水路の水面の高さの差を見てみましょう。差が大きければ、魚が自力で上るのは難しそうだと想像できます。

水路に板が入っていないか、田んぼへ水が落ちこむ部分に取りつけられた水路のようなものがないかも、探してみてください。見つからなくても、「ここなら魚はどう上るだろう」と考えること自体が観察になります。

田んぼや水路の中には入らず、道から見ます。私有地や、水の近くは危険もあるので、必ず大人と一緒に行きましょう。

もっと知りたいときは、農林水産省の「水田魚道」のページ[1]と、滋賀県の「魚のゆりかご水田」の各ページ[2][4]が日本語で読めます。魚の種類ごとに道の使い方がちがうかもしれない、という点は、実験の報告[7]にも手がかりがあります。

観察するなら、近所の水田と水路の水面の高さの差を、道から見るのがよい。落差が大きい場所では、魚が自力で出入りするのは難しいと推測できる。水路の堰板の有無や、田んぼ1枚ごとの出入口の有無も、堰上式・一筆型の区別を考える手がかりになる。ただし、私有地には入らず、水辺は大人と一緒に行く。

資料を読み比べるなら、農林水産省のページ[1]は水田魚道の定義と対象魚種、設置条件の考え方を、滋賀県の資料[2][3][4][5][6]は具体的な運用と1年の流れを示す。設計の細かい数値(底の高さ、勾配、堰板の高さの限界など)は今回の材料に含めておらず、原典で読むのが確実だ。

実験の報告[7]は、魚種による行動の違いを扱う。次の問いとして、「魚道の効果はどう測るのか」「稚魚の生残率はどんな条件で比べるのか」を持って読むと、現場の取り組みと研究のつながりが見えてくる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国と滋賀県の資料を中心に、魚の行動の研究報告を1つ使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。

  1. 農林水産省「水田魚道」。https://www.maff.go.jp/j/nousin/kankyo/kankyo_hozen/gyodou.html (水田魚道の定義、対象魚種、設置条件の研究について)
  2. 滋賀県 広報「魚のゆりかご水田」。https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/reports/351062.html (段差ができた経緯と、魚道を設ける目的について)
  3. 滋賀県「田んぼが『魚のゆりかご』って、どういうこと?」。https://www.pref.shiga.lg.jp/gh01/6714.html (ニゴロブナの産卵と、田んぼの水温・プランクトンについて)
  4. 滋賀県「魚のゆりかご水田の1年」。https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/nousonshinkou/18532.html (雨での遡上、魚道の2つの型、稚魚が湖へ帰るまでの流れについて)
  5. 滋賀県「魚のゆりかご水田の効果」。https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/nousonshinkou/18531.html (稚魚の天敵、濁水の抑制について)
  6. 滋賀県「魚のゆりかご水田の普及」。https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/nouchiseibi/22787.html (かつての水田の役割、取り組みの広がり、米の認証について)
  7. 応用生態工学 4巻2号(J-STAGE)、小規模水田魚道の実験報告。https://www.jstage.jst.go.jp/article/ece1998/4/2/4_2_163/_article/-char/ja (ドジョウの夜間の遡上と、メダカの流れに向かう性質について)

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