1. ペンギンの つばさは、水の 中で なにを して いるの?
1. ペンギンの翼は、水の中ではばたいている
1. 曲がる翼 ── 水中で推進力を生む器官としてのフリッパー
水族館の 水そうで、ペンギンが すいすいと すすんで いきます。よく 見ると、つばさを 上下に うごかして、水を かいて います。空では なく、水の 中で はばたいて いる のです。
東京工業大学の 研究チームは、水の 中の ジェンツーペンギン 3わの つばさを、3Dで しらべました。つばさは、上げる ときに 20度 いじょう 曲がって いました。コンピューターで 計算すると、この 曲がりが あれば、水を おす 力は ほとんど そのままで、水の 力を すすむ 力に かえる うまさが、およそ 80% 上がる と 見つもられました[1]。ただし 80%は 計算で 見つもった 数字で、そのまま はかった 数字では ありません。
つばさは、水の 中で はたらく 形に なって います。では、同じ つばさで 空は とべないのでしょうか。
水族館の水槽の前に立つと、ペンギンは翼を上下に動かして、水をかくように進んでいきます。空を飛ぶ鳥が空気の中で羽ばたくのと同じように、ペンギンは水の中で翼を羽ばたかせています。
東京工業大学の研究チームは2021年、水中を泳ぐジェンツーペンギン3個体の翼を、3次元で解析しました。翼は打ち上げのときに20度以上曲がっていました。流体の計算では、この曲がりによって、推進力をほぼ保ったまま推進効率が約80%高くなると見積もられました[1]。この80%は計算上の推定で、実際に測った向上ではありません。
翼は、水の中でよく働く形になっているわけです。それなら、同じ翼で空を飛ぶ力は、どうなるのでしょうか。
ペンギンは水中で翼(フリッパー)を羽ばたかせ、その推力で進む。飛ぶ力を失った鳥でありながら、水の中では「翼で進む鳥」である。では、その翼は水中でどれほど巧みに働いているのか。
東京工業大学の原田夏輝・田中博人らは2021年、水中を泳ぐジェンツーペンギン3個体の翼を3次元で解析し、翼が打ち上げのときに20度以上曲がることを示した。さらに流体計算を行うと、この曲げ変形によって推進力はほぼ保たれたまま推進効率が約80%向上したと推定された[1]。ただし、この80%は計算から得た推定値であり、泳ぐペンギンの体で実測した向上ではない。
翼が水中向けの形と動きを備えているのなら、同じ翼を空でも使うことには、何らかの代償が伴うのではないか。この問いに測定で迫った研究が、次の章の主役である。
2. 空も とべて、つばさで もぐる 鳥が いる
2. 翼を泳ぎ向きにするほど、空を飛ぶのが高くつくという考え
2. 生体力学仮説 ── 翼を水中向けにすると、飛ぶ費用が上がる
手がかりに なる 鳥が います。ウミガラスの なかまです。ペンギンと 同じように つばさで 水の 中を およいで もぐりますが、空も とべます。
研究者は、つばさを 水の 中で つかう 形に するほど、空を とぶのが 高くつく のでは ないか、と 考えました。これを 仮説と いいます。ウミガラスたちを はかった 研究は、この 考えに あう 数字を 出しました[2]。ただし、「あう」と いう だけで、「これで 決まり」では ありません。
鳥の 研究者の リックレフスさんは、こう 話して います。ウミガラスが もっと じょうずに もぐるには、つばさを 小さくするか、体を 大きくするしか ない。でも どちらを しても、空は とべなく なって しまう[3]。
つまり ウミガラスは、とぶ 鳥と およぐ 鳥の さかいめに いる 鳥です。ペンギンの とちゅうの すがた、と いう ことでは ありません。
手がかりになるのが、ウミスズメの仲間のウミガラスです。ペンギンと同じように翼で水中を進んで魚を追い、しかも空も飛べます。研究者たちは、翼を水中向けにすればするほど、空を飛ぶことが高くつくのではないか、という考え(生体力学仮説)を、ウミガラスなどの測定で確かめました。結果はこの考えを支えるものでした[2]。ただし、支える結果であって、証明されたわけではありません。
鳥類学者のリックレフスは、ウミガラスがもっとうまく潜るには、翼を小さくするか体を大きくするしかなく、どちらも飛ぶことを不可能にする、と述べています[3]。これは研究者の見方で、確定した因果ではありません。
この見方に立つと、ウミガラスは「飛ぶ鳥」と「泳ぐ鳥」のかね合いの境目にいる鳥だといえます。ペンギンの途中段階、という意味ではありません。
ペンギンが飛べない理由について、有力とされる考え方が生体力学仮説である。翼を翼推進による潜水に適応させるほど、飛行のエネルギー費用が上がり、大型の海鳥では飛ぶこと自体が成り立たなくなる、というものだ。Elliottらは2013年、飛べる鳥であるウミスズメ類を測ってこれを検討し、その結果は仮説を支持した[2]。測定が仮説を支持したのであって、証明したのではない点は区別しておきたい。
この仮説の骨格を、研究者のリックレフスは次のように言い表している。ウミガラスが潜水をうまくするには、翼を小さくするか体を大きくするしかなく、どちらの変化も飛行を不可能にする[3]。報道に載った研究者の見方であり、確定した因果ではない。
この見方に立てば、ウミガラスは、飛ぶ費用と潜る費用のかね合いが見える鳥ということになる。ただし、ペンギンが歩んだ途中段階の姿だと言っているのではない。では、そのかね合いは、測定値の上ではどう見えるのか。
3. とぶのに かかる 力は、どれくらい 高かったの?
3. 飛ぶ費用は、記録された中で最も高い値だった
3. 測定値 ── 飛行費用の記録と、潜水費用の位置
ウミガラスの 一しゅ(ハシブトウミガラス)と、足で もぐる ヒメウで、空を とぶ ときに かかる エネルギーが はかられました。どちらも、せぼねの ある 動物で これまでに はかられた 中で、いちばん 高い 数字でした[2]。
では、もぐる ときは どうでしょう。ウミガラスの もぐる 力は、ヒメウよりも ずっと ひくく すみました。それでも、とべない ペンギンよりは 高かった のです[2]。ニュースでは、同じ 大きさの ペンギンより およそ 30% 高いと 言われて います[3]。この 30%は 論文では なく、記事に 出て くる 数字です。
とぶ ときは ヒメウと ならんで いちばん 高い ほう、もぐる ときは ヒメウと ペンギンの あいだ。ウミガラスは、とぶ ことも もぐる ことも できる かわりに、とぶ 力が たくさん いる 鳥です。
測定されたのは、翼で潜るハシブトウミガラスと、足で潜るヒメウです。どちらも飛べる鳥ですが、飛ぶためのエネルギー費用は、脊椎動物で記録された中で最も高い値でした[2]。
潜るときの費用では、ウミガラスはヒメウよりずっと低く、翼で泳ぐペンギンよりは高い結果でした[2]。Scientific Americanの記事は、ウミガラスの潜水費用は同じ大きさのペンギンより約30%高いと伝えています[3]。この30%は論文の要旨にはなく、報道側の数字です。
数字を並べると、ウミガラスの位置が見えてきます。飛ぶ費用はヒメウと並んで最高クラス、潜る費用はヒメウとペンギンの間です。翼を水中向けにして潜る力を手に入れた代わりに、飛ぶ費用が高くなった、という読み方ができます。
この仮説は、何をどう測って支持されたのか。Elliottらは、翼で潜るハシブトウミガラスと、足で潜るヒメウの飛行エネルギー費用を測った。その結果、どちらの飛行費用も、脊椎動物で記録された最も高い値だった。一方、ウミガラスの潜水費用はウよりずっと低く、それでも翼で泳ぐペンギンよりは高かった[2]。
ウミガラスの潜水費用は、同じ大きさのペンギンより約30%高いとScientific Americanは伝える[3]。ただし、論文の要旨は「ペンギンより高い」と書くだけで、30%は報道側の数字である。本文では、報道の数字として区別して扱う。
三者の位置をそろえると、飛行費用では、翼で潜る鳥も足で潜る鳥も最高値の側にある。潜水費用では、ヒメウ、ウミガラス、ペンギンの順に低くなる。そのため、翼推進の潜水が安くなるほど飛行の費用が高い側に寄る、というかね合いの読み方が成り立つ。ただし、これは3つの鳥の測定値を並べた読み方であり、因果の証明ではない。
では、この読み方に反論はないのか。その前に、飛べなくなったあとのペンギン自身の体、とくに骨に何が起きたかを見ておく。
4. ペンギンの 骨は、どう かわったの?
4. 骨は、飛べなくなったあとも長い時間をかけて詰まっていった
4. 骨硬化 ── 中空の上腕骨から、詰まった骨へ
ペンギンの かわりかたは、つばさの 形だけでは ありません。とぶ 鳥の 骨は、中が からっぽに 近くて、軽く できて います。ペンギンの 手足の 骨は、ほかの たいていの 鳥より ぎっしり つまって いて、重く かたく なって います[4]。
中の すきまが せまく なり、外がわの 骨が あつく なりました。この 骨は、体が 水に うきすぎない ための おもりの 役目と、水の 中で はばたく ときに おれにくい 強さに、役立つと 考えられて います[4]。ただし、深く 速く もぐる ペンギンには おもりは いらない、と いう 意見も あって、役目は ひとつに 決まって いません。
おどろく のは、ならぶ じゅんばんです。重い 骨の せいで とべなく なった わけでは ありません。骨が つまる かわりかたは、とべなく なった あとも 長く つづきました。調べた 化石の 中で いちばん 古い ものでも、とべなく なって から 少なくとも 2500万年 たった あとの すがたでした[4]。
飛ぶ鳥の骨と、ペンギンの骨
飛ぶ鳥の腕の骨(上腕骨)は、中が空洞で軽くできています。ペンギンの手足の骨は、ほとんどの鳥より密度が高く、空気の入る構造もほぼありません。中心の空洞が小さくなり、外側の骨が詰まった形です[4]。
骨の変化は、飛べなくなった「あと」に進んだ
「重い骨のせいで飛べなくなった」と考えたくなりますが、順番は逆です。Ksepkaらの化石の研究では、骨が詰まる変化は飛ぶ力を失った直後ではなく、その後も長く続いたとされます。最も古い標本でも、飛ぶ力を失ってから少なくとも2500万年後の段階を表し、始新世の古いペンギンと現生ペンギンでは上腕骨の作りが大きく違いました[4]。
密な骨は、浮力を減らすおもりとして働くと解釈されます。また、翼の骨の皮質が厚いことは、おもりと、水中で羽ばたくときの曲げに耐える強さの両方に役立つと論文は述べます[4]。ただし、深く速く潜る種にはおもりは不要という提案もあり、役割の解釈は一つに定まっていません。
翼が水中向けに変わったなら、骨はどうなったのか。ペンギンの手足の骨は、ほとんどの他の鳥より密度が高く、空気の入る構造(含気化)がほぼない。飛ぶ鳥に典型的な中空の上腕骨から、中心の空洞が小さくなり、外側の骨が詰まる(圧密される)変化を経た、と整理される[4]。Ksepkaらはこれを、骨が太くなる変化(pachyostosis)ではなく、骨が硬く密になる変化(osteosclerosis)と位置づけている。
注意したいのは、変化の順序である。重い骨が飛べなさの原因だと読んでしまいがちだが、逆だ。調べた化石の中で最も古い標本でさえ、飛ぶ力を失ってから少なくとも2500万年後の段階にあたり、始新世の古いペンギンと現生ペンギンでは、上腕骨の作りが大きく違った[4]。つまり、骨の変化は飛べなくなった直後に終わったのではなく、そのあとも長く続いた。なお、飛べなくなった年代そのものは確定値ではなく、論文も相対的な表現にとどめている。
密な骨の役割は、浮力を減らすおもり(バラスト)と解釈されてきた。論文は、翼の骨の皮質が厚いことが、おもりと、水中で羽ばたく際の曲げに耐える強さの両方に役立つと述べる。しかし、深く速く潜る種にはおもりは不要という提案もあり、役割の解釈は一つに定まっていない[4]。
骨が飛べなくなった後に詰まったのなら、その「飛べなくなった」瞬間は、化石のどこに見えるのか。
5. いちばん 古い ペンギンは、もう とべなかったの?
5. 最古級のペンギン化石は、すでに飛べない水鳥だった
5. ワイマヌ ── 最古級の化石と、見つかっていない飛べる祖先
ニュージーランドの ワイパラ川の ちかくで、ワイマヌという ペンギンの 化石が 見つかりました。およそ 6100万年 前ごろの ものと されます[5]。
大きさは コウテイペンギンくらい。もう、とべない 水鳥 だったと されて います[5][4]。4体ぶんの 骨が ほぼ つながった まま 見つかり、ペンギンと ほかの 鳥が わかれた 時期の めやすに なりました[6]。
ただ、とべた ごせんぞの 化石は、2015年の 論文の 時点では まだ 見つかって いません[4]。とべなく なる 前後の ようすは、化石から じかには たどれないのです。
ニュージーランド北カンタベリーのワイパラ川沿いで、最古級のペンギン化石ワイマヌが見つかっています。約6160万〜6050万年前(暁新世前期)とされ、大きさはコウテイペンギンほどで、すでに飛べない水鳥だったとされます[5][4]。
骨格は4体がほぼつながった状態で見つかり、新属として記載されました。ペンギンと他の鳥が分かれた時期が少なくとも6100万〜6200万年前であることの目安にもなっています[6]。
ただし、これは「最古級の化石の年代」であって、飛べなくなった時期ではありません。飛べる祖先のペンギンの化石は、Ksepkaらの2015年の論文の時点では見つかっておらず、飛ぶ力を失う前後の段階を化石から直接たどることはできません[4]。
では、飛べなくなった瞬間は化石に写っているのか。現状では、写っていない。確認されている最古級のペンギンであるワイマヌは、ニュージーランド北カンタベリーのワイパラ川沿いで見つかり、約6160万〜6050万年前(古第三紀暁新世前期)とされる。コウテイペンギンほどの大きさで、すでに飛べない水鳥だった[5][4]。
Slackらは、ワイパラ・グリーンサンドから出た4体のほぼ関節した骨格を新属ワイマヌとして記載した。この発見は、ペンギンと他の鳥の分岐が少なくとも6100万〜6200万年前であることの下限の目安を与えた[6]。Waimanuの分類(現生ペンギンの科に入れるか)には議論がある点にも注意したい。
ここで言えるのは「最古級の化石がすでに飛べなかった」までで、飛べなくなった時期を示すわけではない。飛べる祖先の化石は2015年のKsepkaらの時点で見つかっておらず、飛ぶ力を失う前後の段階は、化石から直接たどれない[4]。飛べなくなった理由は、化石だけでなく測定値の読み方にも議論が残る。次章で、その異論を見る。
6. この 考えは、もう 決まりなの?
6. 飛行費用の高さは、体を温める費用が混ざった見かけかもしれない
6. 反論 ── 体温維持の費用をどう扱うか
まだ 決まりでは ありません。ウミガラスは 羽の 中に 空気が たまって いるのに、ウは 羽が ぬれて、体を あたためる ために よぶんに エネルギーを つかいます。だから ウの とぶ ときの 数字の 高さには、体を あたためる ための 力が まざって いる かも しれない、と いう 意見が あります[3]。
体を あたためる 力も 入れた 実験が、まだ いる、と いう 見かたも あります[3]。
ペンギンが とべなく なった わけは、「これだ」と ひとつに 決まった 話では ありません。今も たしかめられて いる とちゅうの 話です。
この考えには異論もあります。研究者のウィルソンは、ウミガラスは羽に空気が保たれるのに対し、ウは羽が濡れて体温を保つのに余分なエネルギーを使うため、測られた飛行の高い費用には、体を温める費用が混ざった見かけかもしれない、と述べたと伝えられています[3]。
体温の費用を考えに入れた実験がなお必要だ、という見方もあります(ロヴォーン)[3]。
整理すると、翼を泳ぎ向きにするほど飛ぶのが高くつく、という考えは、測定に支えられた有力な説です。一方で、数字の読み方には議論が残り、ペンギンが飛べなくなった理由が一つに決まった、とまでは言えません。
この仮説に対して、異論がある。ウィルソンは、ウミガラスは羽に空気が保たれるのに対して、ウは羽が濡れて体温維持に余分なエネルギーを使うため、飛行の高い費用は体を温める費用が混ざった見かけかもしれない、と述べたと報じられている[3]。もしそうなら、ウのような足で潜る鳥の飛行費用は、そのまま「翼を使うから高い」とは読めなくなる。
ロヴォーンも、体温維持の費用を考慮した実験がなお必要だという見方を示した[3]。これらは報道で紹介された研究者の見方である。
結局、「翼を水中向けにするほど飛ぶのが高くつく」という説は、測定に支えられた有力な説であって、確定した因果ではない。ペンギンの骨が詰まった道すじは化石から読めるが、飛べなくなった理由そのものは、測定の読み方を含めて議論が続いている。
7. 水の 中で、手に かかる 力を 感じて みよう
7. 洗面器の水で、手にかかる水の抵抗を感じる
7. 水中で翼を動かす負荷を、手で想像する
おふろか せんめんきに 水を 入れます。手のひらを 立てて、空気の 中で ふって みます。つぎに 水の 中で、同じ はやさで ふって みます。水の 中は、手が ぐっと 重く 感じられます。
ペンギンの つばさが 水の 中で はたらく 形に なった ことを、手で ちょっと 思いうかべられます。ただし これは 水の 抵抗を 感じる あそびで、ペンギンの 研究の 実験では ありません。お湯は あつすぎない ものに して、ぬれた ゆかで すべらない ように 気を つけて ください。
水族館に 行く ことが あったら、ペンギンが つばさを 上げる ときに すこし 曲がって 見えるか、見て みましょう。
洗面器かお風呂に、熱すぎない水を入れます。手のひらを立てて、空気中で動かしてみます。次に水の中で、同じ速さで動かします。水の中のほうが、手がずっと重く感じられます。
この「水の抵抗」は、ペンギンの翼が水を押すときの手応えを想像する手がかりになります。ただし、鳥の翼の費用を測る実験ではなく、水の抵抗を体で感じるだけの遊びです。濡れた床で滑らないよう気をつけてください。
水族館に行く機会があれば、ペンギンが翼を打ち上げるときに、本当に少し曲がって見えるか、見てみるのも面白いでしょう。東京工業大学のニュース記事[1]は日本語で読めて、翼の曲がりの測り方が載っています。
手のひらを立てて、空気中と水中で同じ速さで動かすと、水中のほうが重く感じられる。ペンギンの翼が水中で受ける負荷を想像する、ごく素朴な入り口である。ただし、これは水の抵抗を体で感じるだけで、飛行費用や推進効率を測る実験ではない。
資料の読みどころは三つある。①東京工業大学のニュース[1]は日本語で、翼の曲がりと「約80%」が計算上の推定であることが読める。②Elliottらの論文の要旨[2]は英語だが、飛行費用と潜水費用の比較の要点が短くまとまっている。③Ksepkaらの論文[4]は、骨の変化が飛べなくなった後に進んだことを、組織の断面から論じている。
反論(ウィルソンら)は報道[3]から知ったものである。実際に体温維持の費用がどう扱われたのかは、原論文の本文で確かめる価値のある問いだ。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:大学の発表、論文の要旨と本文、報道、博物館のページを使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- 東京工業大学ニュース(2021年11月4日)。https://www.titech.ac.jp/news/2021/062248 (ペンギンの翼の曲がりと、推進効率の推定について)
- Elliott et al. 2013, PNAS「High flight costs, but low dive costs, in auks support the biomechanical hypothesis for flightlessness in penguins」(要旨)。https://abdn.elsevierpure.com/en/publications/high-flight-costs-but-low-dive-costs-in-auks-support-the-biomecha (ウミガラスとヒメウの飛行費用・潜水費用について。要旨を読んだ)
- Scientific American「Why Penguins Cannot Fly」。https://www.scientificamerican.com/article/why-penguins-cannot-fly/ (約30%の数字、研究者の見方、異論について。報道記事)
- Ksepka et al. 2015, Journal of Anatomy 227(5)「Bone histology in extant and fossil penguins」。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4609197 (骨の密度の変化、飛べなくなった後の変化、飛べる祖先の化石が未発見であることについて)
- New Zealand Birds Online「Mannering's penguin」。https://www.nzbirdsonline.org.nz/species/mannerings-penguin (ワイマヌの化石の産地・年代・大きさについて)
- Slack et al. 2006, Molecular Biology and Evolution 23(6)。https://lup.lub.lu.se/record/408557 (ワイマヌの記載と、ペンギンの分岐年代の目安について。要旨を読んだ)
なおした ところ
更新履歴
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