このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

やさいに しおを ふると、どうして つけものに なるの?

野菜に塩をふると、なぜ水が出て、漬物として長持ちするのか

野菜に塩をふるだけで水が出るのはなぜか:浸透圧と乳酸菌から漬物のでき方を考える

分野:歴史・文化

うすく きった きゅうりに しおを ふって、すこし おいて おきます。みずを たして いないのに、おさらに みずが たまって きます。

この みずが、つけものを つくる ための だいじな はじまりです。しおと、やさいに ついている ちいさな いきものが、どう はたらくのか。この メモで わかります。

切ったきゅうりに塩をふってしばらく置くと、水を足していないのに、皿の底に水がたまります。漬物づくりは、この水が出る現象から始まります。

塩を使わない「すんき漬け」という漬物もあります。塩がなくても漬物ができるのはなぜでしょうか。塩と乳酸菌、漬け床の違いから、漬物のでき方を見ます。

野菜に塩をふって置くだけで、水は足していないのに、しんなりして水が出てくる。保存用の塩漬けでは、15%以上という濃い塩分で漬けるともされる。塩はそれほど大きな役目を負っているのに、すんき漬けのように、塩を使わない漬物もある。

塩の役目は何で、塩を使わない漬物はなぜできるのか。この記事では、浸透圧による脱水、乳酸菌の働き、漬け床の分類、奈良時代の木簡に残る漬物の記録が分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. しおを ふった やさいから、どうして みずが でるの?

1. 塩をふった野菜に、水がたまるのはなぜか

1. 塩をふると水が出る:細胞の水が外へ引き出される理由と、塩の濃さの目安

やさいに しおを ふると、まわりに こい しおみずが できます。やさいの なかの みずは、その こい しおみずの ほうへ ひっぱりだされて いきます。だから、やさいは しんなりして、おさらに みずが たまるのです[1]。

こい ほうと うすい ほうの ちがいで、やさいの みずが しみだして きます。これを 浸透圧しんとうあつの はたらきと いいます。ただし、むずかしい ことばなので、おぼえなくても だいじょうぶです。

みずが ぬけると、つけものは くさりにくく なります。のうりんすいさんしょうの しりょうでは、ほぞんの ために しおづけに する ときは、ふつう 15% いじょうの こい しおけで つけると されて います。かなり しおからい たべものに なります。

ただし、15%は ほぞんが ねらいの ばあいです。あさづけや おうちの つけものは、こんなに しおからく ありません[2]。

では、みずを ぬいて、しおを きかせる だけで、あの すっぱい あじが うまれるのでしょうか。

野菜に塩をふると、野菜の外側に濃い食塩水ができます。野菜の細胞の膜は、水は通しますが、溶けた塩はほとんど通しません。そのため、細胞の中の水が、濃い塩水のほうへ引き出されます。これが浸透圧の働きで、しんなりして水が出るのはこのためです。浅漬けの実験を扱った資料でも、この水の出方を観察する教材として使われています[1]。

水が抜け、塩分が十分に濃いと、微生物による腐敗を防ぎやすくなります。農林水産省の資料では、保存のために塩漬けにするときは、通常15%以上の塩分濃度で漬け、微生物による腐敗を防ぐとされています[2]。これはかなり塩辛い食べ物になる濃さです。

ここで注意したいのは、15%は保存を目的にした塩蔵の目安だという点です。浅漬けや家庭のぬか漬けは、そこまで塩辛くはありません。

塩が水を抜き、腐りにくくする。ここまでは分かりやすい話です。ところが、漬物にはもう一つ、酸っぱさという味があります。塩だけでは説明できません。

野菜に塩をふると、野菜の外側が濃い食塩水になる。細胞膜は水を通すが、溶けた塩はほとんど通さないため、細胞の水が浸透圧によって外へ引き出され、野菜はしんなりして水が出る。浅漬けの実験を扱った報告でも、この水のしみ出しを観察する教材として使われている[1]。ただし、この説明の根拠は一般的な理論と実験報告の要約であり、細胞の中で何が起きるかを細かく追ったものではない。

水が抜けたうえで塩分が十分に濃ければ、微生物による腐敗は防がれる。農林水産省の資料は、保存を目的とする塩漬けでは通常15%以上の塩分濃度で漬けるとしている[2]。15%という濃さは、かなり塩辛い部類に入る。ただし、この数値は保存用の塩蔵の目安であって、浅漬けや家庭のぬか漬けの塩分ではない。

そうすると、塩の役目は「水を抜き、腐敗を防ぐ」ことで説明がつく。しかし、漬物の味には酸味や風味がある。塩だけでそれが生まれるのか、別の働き手がいるのか。そこで、塩を使わずに漬物を作る例に目を向ける。

2. しおを つかわない つけものが できるのは、なぜ?

2. 野菜についた乳酸菌が、漬物の味と保存性を育てる

2. 塩を使わない漬物が成り立つ理由:野菜に付着した乳酸菌の働きと、保存性への寄与

ながのけんの きそちほうに、「すんきづけ」と いう つけものが あります。あかかぶの くきや ねもとを つけますが、しおは つかわない のが とくちょうです[2]。

しおなしで、なぜ くさらないのでしょうか。やさいには もともと、乳酸菌にゅうさんきんと いう ちいさな いきものが くっついて います。これが ふえると、すっぱい あじや ふうみが うまれます[2]。

けんきゅうの まとめでは、乳酸菌にゅうさんきんは あじを つくる だけでは ありません。乳酸にゅうさんなどを つくって、つけものを ながもち させる はたらきも あると されて います[3]。

つけものの できかたは、いろいろです。しおで みずを ぬく はたらきと、乳酸菌にゅうさんきんの はたらきが、どちらも あじや ながもちに かかわります。

では、乳酸菌にゅうさんきんが すみやすい おうちを、わざわざ つくる つけものも あるのでしょうか。

長野県の木曽地方に、すんき漬けという漬物があります。赤かぶの茎や根元についた乳酸菌を発酵させて作り、塩を使わないのが特徴です[2]。塩が主役ではない漬物も、ちゃんと成り立っているのです。

農林水産省の資料によると、塩漬けの間に、野菜に付着している乳酸菌などが増えて、発酵の風味が増します[2]。発酵漬物の総説では、乳酸菌が主要な微生物で、酸味や風味をつくるほか、乳酸やバクテリオシンなどの抗菌性の物質で保存性も高めると整理されています[3]。

ここまでで、題名の問いに答えが出ます。塩が野菜の水を抜き、保存のための塩分では腐敗を防ぎます。そこへ野菜についた乳酸菌が増えて、酸味と風味を育て、保存性も高めます。漬物のでき方は一通りではなく、塩の働きと乳酸菌の働きが、味や保存性にかかわります。

ただし、乳酸菌の増え方は、漬ける床によって変わります。たとえば、毎日かき混ぜるぬか床は、どんな床なのでしょうか。

長野県木曽地方のすんき漬けは、赤かぶの茎や根元に付着している乳酸菌を発酵させるもので、塩を使わない点が特徴とされる[2]。塩が水を抜く役目を負うのなら、塩なしで保存性が出るのは不思議に見える。ところが、塩漬けの間にも、野菜に付いた乳酸菌などが増えて発酵風味が増すと説明されており、乳酸菌のほうが主役の漬物がある、と読める[2]。

発酵漬物の総説(宮尾、2017)は、乳酸菌が主要な微生物として働き、酸味や風味をつくるほか、乳酸やバクテリオシン(乳酸菌がつくる抗菌性のたんぱく質)などの抗菌性物質によって保存性を高めると述べる。ぬか漬けでは、熟成が進むにつれて乳酸菌が優勢になるともされる[3]。ただし、この総説は発酵漬物全般を扱うもので、個々の漬物でどの菌がどの割合かまで示すものではない。

整理すると、塩漬けの漬物では、塩が水を抜いて腐敗を防ぎ、乳酸菌が味と保存性を足す。題名の問いに対する答えは、この二段構えである。では、この二段構えは、漬ける床が変わっても同じなのか。次は、毎日手入れが必要なぬか床を見る。

3. ぬかどこは、なにで できて いるの?

3. 毎日かき混ぜるぬか床は、何でできているのか

3. 毎日かき混ぜるぬか床:米ぬかと塩と水からできた漬け床と、江戸の都市との関係

ぬかづけの とこを、ぬかどこと いいます。もとに なるのは、げんまいを ついて しろい おこめに した とき でる、米ぬかこめぬかです。これに しおと みずを くわえて、はっこうさせます[4]。

ぬかどこは、まいにち かきまぜて、くうきを いれる ことが たいせつと されて います。はっこうした ぬかどこには、乳酸菌にゅうさんきんの ほかに、こうぼきんなど、10しゅるい いじょうの きんが いる そうです[4]。

ぬかづけが ひろく ひろまったのは、江戸時代えどじだいいこうと いわれます。しろい ごはんを たべる ひとが ふえて、まちで たくさんの ぬかが でたので、それを つかう くふうと して ひろまったと されます[4]。

すてるはずの ぬかを、あじの ある とこに かえたのです。

では、ぬかの ほかには、どんな とこが あるのでしょう。

ぬか床は、玄米を精米したときに出る米ぬかに、塩と水を加えて発酵させたものです。毎日かき混ぜて空気を入れることが大切とされ、発酵したぬか床には、乳酸菌・酪酸菌・酵母菌など10種類以上の菌が含まれるといいます[4]。

発酵漬物の総説は、ぬか漬けでは熟成が進むにつれて乳酸菌が優勢になると述べています[3]。毎日の手入れは、この変化を支えるものと考えられますが、資料はかき混ぜる回数と菌の増え方の関係までは書いていません。

ぬか漬けが本格的に広まったのは、精米技術が進み、都市部で白米を食べる人が増えた江戸時代以降とされます。白米を作ると大量の米ぬかが出るため、その使い道として広まったと説明されています[4]。

捨てられたかもしれない副産物が、味の良い漬け床になった。漬物の世界では、材料だけでなく、漬ける床も主役になります。

ぬか床は、玄米を精米したときに出る米ぬかに塩と水を加えて発酵させたもので、毎日かき混ぜて空気を入れることが大切とされる。発酵したぬか床には、乳酸菌・酪酸菌・酵母菌など10種類以上の菌が含まれる[4]。

前章の総説と、ぬか床の解説を合わせると、ぬか床では複数の菌が共存し、熟成につれて乳酸菌が優勢になると考えられる[3]。

ぬか漬けが本格的に広まったのは、精米技術が進んで都市部で白米食が普及した江戸時代以降とされ、大量に出る米ぬかの活用策として広まったと説明される[4]。つまり、ぬかの供給が増えたから、ぬか床が身近になった、という因果である。なお、ぬか漬けが脚気に効くために広まったという話は伝承的で、今回の資料では裏づけが弱いため、ここでは取り上げない。

ぬか床は、漬け床の一つにすぎない。塩だけの床、酒粕の床、酢の床と並べると、何が共通し、何が違うのか。

4. しお、ぬか、さけかす、す。つけものの とこは どう ちがうの?

4. 塩・ぬか・酒粕・酢:漬け床で漬物の性格が変わる

4. 漬け床による分類:塩漬け・ぬか漬け・粕漬け・酢漬けと、発酵しない漬物

つけものは、どんな とこに つけるかで なかまわけが できます。のうりんすいさんしょうの しりょうに あるものを、ならべて みましょう[2]。

しおに つける もの:のざわなづけ、うめぼし。

ぬかに つける もの:たくあんづけ、いぶりがっこ(あきたけん)。

さけかすに つける もの:ならづけ、わさびづけ。

すに つける もの:らっきょうづけ、しょうがづけ。

ここで おどろく ことが あります。すに つける つけものは、発酵はっこうしません。すの はたらきで きんが ふえにくく、はっこうしない つけものです[2]。

つまり、つけものは 「発酵はっこうする もの」だけでは ありません。でも、この ならびの なかで いちばん ふるい きろくを もって いるのは、どれでしょう。

資料には、漬け床ごとの例が整理されています。塩漬けは野沢菜漬けや梅干し、ぬか漬けはたくあん漬けやいぶりがっこ、粕漬けは塩蔵した野菜を酒粕に漬けた奈良漬やわさび漬け、酢漬けはらっきょう漬けやしょうが漬けです[2]。

この資料は、漬物を大きく二つに分けています。野菜についた微生物が直接かかわってできるものと、麹・味噌・醤油・酒かす・ぬかなど、発酵でできたものを使うものです[2]。

面白いのは酢漬けです。酢の酢酸には微生物を増やさない性質があるため、発酵は起こりません。野沢菜漬けのように微生物が働く漬物とは、保存の仕組みが別になります[2]。

同じ「漬物」でも、塩で水を抜き、菌の力を借りるものもあれば、酢で菌の働きを抑えるものもあります。どれも「長持ちさせる」ことは同じですが、使う道具が違うのです。この中で、記録がいちばん古いのは何でしょうか。

農林水産省の資料は、漬物の例として、塩漬け(野沢菜漬け・梅干し)、ぬか漬け(たくあん漬け・いぶりがっこ)、粕漬け(塩蔵野菜を酒粕で漬けた奈良漬・わさび漬け)、酢漬け(らっきょう漬け・しょうが漬け)を挙げる[2]。

同じ資料は、漬物を、微生物が直接関与してできるものと、麹・味噌・醤油・酒かす・ぬかなど発酵生産物を使った二次的な発酵漬物の二種類に大別する。このうち酢漬けは、酢酸の抗菌性により微生物が繁殖できないため、発酵が起こらない[2]。

ここから、漬物を長持ちさせる手段は、大きく三つに整理できる。塩で水を抜いて腐敗を防ぐ、乳酸菌の酸と抗菌性物質で保存性を高める、酢酸で微生物の繁殖そのものを抑える、の三つで、実際の漬物はこれらの組み合わせで成り立つ。ただし、この三分類は資料の記述を整理した本記事の見方であり、資料自身がこの形で分けているわけではない。

漬物の種類がここまでそろっているなら、起源はかなり古いはずだ。記録を遡ると、どこまで行き着くのか。

5. いちばん ふるい つけものの きろくは、いつの もの?

5. 奈良時代の木簡に書かれた、トウガンの粕漬け

5. 木簡・延喜式・縄文:漬物の記録はどこまでさかのぼれるのか

ならの みやこに あった、長屋王ながやおうという えらい ひとの やしきの あとから、木の ふだ(木簡もっかん)が みつかりました。ふだに かかれた ことばから、とうがんの さけかすづけが とどけられて いた ことが わかります[5]。

のうりんすいさんしょうの しりょうでは、きろくの うえで いちばん ふるい つけものは、ならじだいの 木簡もっかんに ある 「うりの しおづけ」と されて います[2]。

その あと、へいあんじだいの きまりの ほん『えんぎしき』には、すづけ、醤ひしおづけ、かすづけが でて きます。いまの つけものの ほとんどは、この じだいに そろって いたと かんがえられて います[2]。

もっと むかし、じょうもんじだいにも、やさいの かわを しおづけに していたと される はなしが あります。ただ、これは もじの きろくでは なく、「とされる」と いう つたえです[2]。

いま たべて いる つけものも、ならじだいの きろくからの つづきに あると いえそうです。

奈良時代の都、平城京にあった長屋王の邸宅跡から、木簡が出土しました。そこには「加須津毛瓜」と墨で書かれていて、トウガン(毛瓜)の粕漬けが届けられていたと分かります。文化庁の連載記事は、これを奈良の名産・奈良漬の先祖といえるかもしれないと述べています[5]。

農林水産省の資料では、記録上もっとも古い漬物は、奈良時代の木簡に記された「ウリの塩漬け」とされます。平安時代の『延喜式』には、酢漬け・醤漬け・かす漬けなどが見え、現在の漬物の大半はこの時代にそろっていたと考えられています[2]。

ただし、『延喜式』の粕漬けが、今の奈良漬と同じものとは限りません。「先祖といえるかもしれない」という言い方が、ちょうどよい強さです。

縄文時代にも、野菜の皮を塩漬けにしていたとされる説明があります。ただし、これは伝承的な説明で、文字の記録で裏づけられるのは奈良時代以降です[2]。

発酵漬物の総説は、漬物を「少なくとも1400年以上の歴史をもつ」食べ物とし、その根拠に長屋王邸跡の木簡を挙げています[3]。

漬物の記録は、どこまでさかのぼれるのか。文化庁の連載記事は、長屋王邸跡から出土した木簡に「加須津毛瓜」と書かれており、トウガン(毛瓜)の粕漬けが届けられていたと分かること、これは奈良の名産・奈良漬の先祖といえるかもしれないことを述べる[5]。

農林水産省の資料も、記録上もっとも古い漬物を奈良時代の木簡に記された「ウリの塩漬け」としたうえで、平安時代の『延喜式』に酢漬け・醤漬け・かす漬けなどが見え、現在の漬物の大半がすでにこの時代にそろっていたと考えられるとする[2]。これは、前章で見た塩漬け・粕漬け・酢漬けの分類が、ほぼ平安時代までにそろっていたことを示す。ただし、『延喜式』の粕漬けと今の奈良漬は、作り方が同じとは限らない。

発酵漬物の総説は、漬物を少なくとも1400年以上の歴史をもつ食物とし、長屋王(684〜729年)の邸宅跡から出土した木簡に漬物名が墨書されていたことを根拠に挙げる[3]。長屋王の没年から数えると約1300年前になり、「1400年」との差は、数え方や資料の書き方による幅と見るのが穏当である。

さらに遡る話として、農林水産省の資料は、縄文時代にはすでに野菜の皮を塩漬けにしていたとされると述べる[2]。ただし、これは伝承的な説明で、文字記録による裏づけは奈良時代以降であり、断定はできない。

6. おうちの つけものと、おさらの みずを しらべて みよう

6. 台所で、塩と水の関係を確かめる

6. 台所で確かめる塩と水の関係と、資料の読み方

きょう できる こと

おうちの ひとと いっしょに、きゅうりを うすく きって もらいます。包丁ほうちょうは、おとなに おねがいして ください。

おさらに ならべて、しおを ひとつまみ ふります。10ぷんほど おいて、おさらに みずが でて いるか みて みましょう。

しおを ふらない きゅうりも、いっしょに おいて、くらべて みると、ちがいが わかります。

しらべる とき

おうちに ある つけものの ふくろを みて、「しお」「ぬか」「さけかす」「す」の どれに つけて あるか さがして みましょう。

今日できること

きゅうりを薄切りにして(包丁は大人と一緒に使います)、皿に並べます。片方にだけ塩をひとつまみふり、10分ほど置いて、水が出てくるか比べます。

水が出ない側がどうなっているかも、見てみましょう。塩の量を変えて試せば、本文の「濃い塩水に水が引き出される」という説明が、台所でどこまで確かめられるかも分かります。

資料を読むなら

農林水産省の「うちの郷土料理」の漬物の分類のページに、塩漬け・ぬか漬け・粕漬け・酢漬けの例と、すんき漬けの説明があります。家にある漬物の袋の原材料名を見ながら読むと、どの漬け床に当たるか考えられます。

今日できること

きゅうりを薄切りにして皿に並べ、片方にだけ塩をひとつまみふり、10分ほど置いて水の出方を比べる(包丁は大人と使う)。塩の量や置く時間を変えると、浸透圧による水の出方が、量や時間にどう左右されるか、手元で調べられる。ただし、細胞内の水の動きそのものが見えるわけではない。

資料の読み方

この記事で使った塩分15%という数字は、農林水産省の資料が示す、保存を目的とした塩蔵の目安である[2]。浅漬けや家庭のぬか漬けの塩分を示すものではない。

また、乳酸菌の働きに関する記述(宮尾、2017)は、発酵漬物の総説の要旨から整理したもので、原文の全体に当たると詳しい根拠を確かめられる[3]。木簡の記録と縄文時代の伝承の強さの違いも、資料の書きぶりから読み取ってほしい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の数字・説明は、次の公的機関・論文・解説記事から使った範囲に限る。漬物の塩分や作り方は、地域や家庭によって異なる。

  1. 大阪市立科学館 研究報告(浅漬けの実験・浸透圧) https://www.sci-museum.jp/wp-content/themes/scimuseum2021/pdf/study/research/2012/pb22_123-126.pdf (塩をふると水が出る現象の観察教材)
  2. 農林水産省「うちの郷土料理 漬物(伝統食品の分類)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/bunrui/tsukemono.html (塩分15%の目安、すんき漬け、漬物の分類と例、木簡・延喜式・縄文時代の記述)
  3. 宮尾茂雄「発酵漬物における乳酸菌のはたらき」日本醸造協会誌 112(6)、2017 https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010911964.pdf (乳酸菌の働き、ぬか漬けの熟成、漬物の歴史)
  4. nippon.com「知ればもっとおいしくなる にっぽん食べ物図鑑 ぬか漬け」 https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c15343/ (ぬか床の材料と手入れ、ぬか漬けが広まった時期)
  5. 文化庁「月刊文化財」連載記事 https://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/bunkazai/bunkazai_026.html (長屋王邸跡の木簡と粕漬け)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。