1. ひるま、アライグマは どこで ねて いるの?
1. 昼間のアライグマは、どこで休んでいるのか
1. 昼の休み場所 ── うろ・岩穴から、人家・畜舎まで
アライグマは、夜に うごく どうぶつです。ひるまは、ねて いる ことが おおいのです[2]。
では、ひるまの ねどこは どこでしょう。もとは、木の あなや、いわの あなです[1]。
ところが、人の くらしの ちかくでは、おうちの やねの うらや、小屋にも います[1]。人の たてものも、ねどこに できる ばしょの ひとつなのです。
どうして、森の あなと 人の おうちが、どちらも ねどこに なるのでしょうか。
2. ふるさとは、どんな ところ?
2. 故郷は、北アメリカと中央アメリカの水辺の森
2. アライグマはどこに分布するのか ── カナダ南部からパナマまでの水辺の森
アライグマの ふるさとは、きた アメリカから、なか アメリカまでの ひろい ばしょです[1]。日本には、もともと いませんでした[2]。
そこに ある 森には、水の ある ところが あります。かわや しっちの ちかくです。アライグマは、そんな ところを このむと いわれます[6]。
答えを ひとことで 言うと、「水の ちかくの 森」です。でも、この どうぶつは、そこだけに とどまっては いませんでした。
アライグマが自然に分布していたのは、北アメリカから中央アメリカにかけて、カナダ南部からパナマまでの地域です[1][2]。日本には本来いない動物で、外来種にあたります。
もとの生息地は、落葉樹や、落葉樹と針葉樹がまじった森だと説明されています[6]。のちに山地や海岸の湿地、都市へと広がったと書かれています[6]。
国立環境研究所の資料も、生息環境を「水辺」とし、都市から森林、湿地まで幅広いと書いています[1]。つまり題名の問いへの答えは、「水のそばなら、森でも町でも」です。ふるさとの水辺の森が基本形で、そこから範囲が広がっていると考えられます。
ここで気をつけたいのは、アライグマは「水の中で暮らす」動物ではないことです。あくまで水辺を好む、というのが資料の書き方です。
自然分布は北米から中米で、カナダ南部からパナマまでとされる[1][2]。原生息地は落葉樹林と混交林で、のちに山地、海岸の湿地、都市へと分布を広げたと記述されている[6]。
国立環境研究所も、生息環境を水辺とし、都市から森林・湿地まで幅広いとまとめている[1]。したがって、題名の問いへの答えは「水に近い森が基本で、水辺なら都市にも及ぶ」となる。
誤解しやすい点がある。アライグマは水辺を好むが、水中で暮らす動物ではない。名前から連想される「水で洗う」イメージと、生息環境の「水辺」は、同じではない。資料が書いているのは後者だけである。
水辺が条件だとすると、水辺のない場所では暮らしにくいのだろうか。町の中での暮らし方を見る。
3. 町の どこを とおって いるの?
3. アライグマは、町の水路を移動に使うのか
3. 都市での移動経路 ── 河川・用水路・側溝という「水辺の道」
アライグマは、木のぼりが とくいです[2]。そして、水の ちかくが すきです。
町を あるく ときも、かわや、ようすいろ、どぶを みちに つかうと いわれて います[2]。
町の 中にも、水の ながれる みちは たくさん あります。森の かわの かわりに なっているのかも しれません。
ただし、これは 人が 考えた 見かたです。アライグマが どう 思って いるかは、分かりません。
東京都の資料によると、アライグマは河川や用水路、側溝を移動経路として使っています。木登りも得意です[2]。
町を見わたすと、川、用水路、側溝がつながって、街の中まで細い水辺の道ができています。森の川の岸を歩く動物にとっては、似た「道」に見えるのかもしれません。もちろん、これは人間の側の見立てです。資料が書いているのは、実際に水路が移動経路として使われている、という事実までです。
そして木登りが得意なら、木のうろにも、建物の屋根裏にも、高いところから入れます。夜に動いて昼は暗い場所で休む暮らしも、町の家に合っています。
こうして見ると、アライグマにとっての「住みやすさ」は、森か町かではなく、水辺があるか、休める暗い場所があるか、で決まっているように見えます。では、この力で、アライグマはどこまで広がったのでしょうか。
都市での行動には、水辺という条件がそのまま反映されている。東京都は、河川・用水路・側溝を移動経路として利用していること、木登りが得意であることを挙げている[2]。
自然分布での「水のある低地林・湿地」が、都市では「河川・水路・側溝」に置き換わっている、という読み方ができる。森の川岸を歩く動物にとって、市街地の水路網は連続した水辺に見えるのかもしれない。ただし、これは複数の記述を組み合わせた筆者の解釈であり、資料が直接そう述べているわけではない。
これに、夜行性で昼は暗い閉所に休む習性と、木登りの能力が加わる[1][2]。移動は水路、休息は屋根裏やうろ、という組み合わせが成り立つため、森林でも市街地でも暮らしの形が大きく変わらずに済む。
では、この柔軟さを持つ動物が、原産地の外に出たらどうなったか。日本とドイツの例を見る。
4. にほんや ドイツで、どうして ふえたの?
4. 日本とドイツで、野生になったのはいつからか
4. 原産地の外 ── 日本(1962年〜)とドイツ(1934年〜)での野生化
日本で さいしょに のらに なったのは、1962ねんと いわれます。あいちけんの どうぶつえんから、12とう にげたのが はじまりです[1]。
そのあと、1970ねんだいの おわりごろ、テレビの アニメの えいきょうで、かう 人が ふえました。にげたり、すてられたり した アライグマが、あちこちで のらに なりました[1]。
いまは、きたの ほっかいどうから 九州まで、日本じゅうに います[3]。千葉県でも、県の ぜんぶで 見つかって います[4]。
ドイツでも、1934ねんに エーダーこで 2くみの つがいが はなされたのが はじまりと いわれて います[5]。
水の ある ばしょが たくさん あれば、アライグマは どこでも くらせる のかも しれません。
日本での野生化は、1962年に愛知県犬山市の動物園から逃げた12頭が起源とされています[1]。その後、1970年代後半にテレビアニメの影響で飼育がブームになり、逃げたり捨てられたりした個体が各地で野生化しました[1]。
広島県の資料では、現在は北海道から九州まで全国に分布するとされています[3]。千葉県は、1990年代に目撃が始まり、いまは県全域に生息すると説明しています[4]。
ヨーロッパでも似た広がりがありました。ドイツでは、1934年にヘッセン地方のエーダー湖の近くで、2つがいが放されたのが始まりとされます[5]。
日本とドイツは、気候も町のつくりもちがいます。それでも定着したことは、アライグマの暮らし方の幅の広さを示しています。ただし、それぞれの土地で数がどう増えたかは、この記事の資料の範囲を超えるので書きません。
日本での野生化の起点は、1962年に愛知県犬山市の動物園から逃げた12頭とされる[1]。1970年代後半以降はテレビアニメの影響で飼育がブームになり、逃亡や遺棄をした個体が各地で定着した[1]。飼育個体が逃げたり捨てられたりすることで、野生化が各地で起きた。
分布は広がった。広島県は北海道から九州まで全国に分布するとし[3]、千葉県は、1990年代に目撃が始まり現在は県全域に生息するとしている[4]。
ヨーロッパでも、ドイツでは1934年にエーダー湖(ヘッセン)周辺で2組のつがいが放されたことが起源とされる[5]。日本とドイツは気候も都市構造も異なるが、定着した事実は、原産地の外にも分布を広げたことを示す。
ただし、個体数の推移や被害の程度は、この記事で使った資料からは示せない。日本では外来種として管理の対象になっていることも、ここでは触れるにとどめる。
では、この「水辺の動物」を、自分の町で理解するにはどうしたらよいか。
5. 町の 水の みちを さがして みよう
5. 地図で、自分の町の水の道をたどる
5. 地図で確かめる ── 水路網と、資料の読みどころ
アライグマを さがさなくても いいのです。さがすのは、水の みちです。
おうちの ちかくの ちずを ひらいて、かわ、いけ、ようすいろを ゆびで たどって みましょう。つながって いますか。
ほんものの アライグマや、どうぶつの あしあとを 見つけても、さわったり、ちかづいたり しては いけません。見つけたら、おとなに 話しましょう。
実際にできるのは、地図を使った観察です。住んでいる地域の地図を開き、川、池、用水路を、色えんぴつでなぞってみてください。どこがつながっているでしょうか。
アライグマの「道」になりうる水辺が、町の中でどのように伸びているかが見えてきます。実物のアライグマやその足あとを見つけても、触ったり近づいたりしないでください。見かけたら、家の人に知らせましょう。必要なら家の人から自治体に連絡してもらいます。
資料としては、国立環境研究所の侵入生物データベースと、各自治体のアライグマのページが日本語で読めます。自分の都道府県のページがあれば、そこで確認できます。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:国立環境研究所、東京都、広島県、千葉県の公的資料のほか、ドイツの経緯は英語の解説記事を、環境の説明にはWikipediaも補助的に使った。何に使ったかは項目ごとに書いている。
- 国立環境研究所 侵入生物データベース「アライグマ」。https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10150.html (原産地、生息環境、休み場、日本への導入経緯について)
- 東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」。https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/raccoon/habit (昼間の休み場所、移動経路、木登りについて)
- 広島県「アライグマ調査」。https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/tayousei/investigation-araiguma.html (日本国内の分布について)
- 千葉県「特定外来生物アライグマ」。https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/choujuu/araiguma.html (千葉県での広がりについて)
- Discover Wildlife「Raccoons in Germany」。https://www.discoverwildlife.com/animal-facts/mammals/raccoons-in-germany (ドイツでの野生化の始まりについて)
- Wikipedia「Raccoon」。https://en.wikipedia.org/wiki/Raccoon (もとの生息環境と密度の高い環境について)
なおした ところ
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