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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

アライグマは、森でも 町でも、どんな ところで くらして いるの?

アライグマは町でどう暮らすのか ── 水路を通り、屋根裏で休む

アライグマは町でどう暮らすのか ── 水辺の森から、水路を通り、屋根裏で休む市街地まで

分野:生きもの

アライグマは、ふるさとでは 森の みずべに すむ どうぶつです。なのに いまは、町の おうちの やねの うらでも 見つかります。

どうして そんな ことが できるのでしょうか。くらす ばしょの ひみつが 分かります。

アライグマの故郷は、北アメリカから中央アメリカの、水辺の森です。ところが日本では、町の家の屋根裏や、納屋、寺や神社の屋根の下にも入りこんでいます。

森の動物が、なぜ町でも暮らせるのでしょうか。「水のそば」という手がかりを軸にして、暮らしの場所の広さと、日本やドイツへ広がった道すじが分かります。

アライグマは、本来は北米から中米の水辺の森にすむ動物だ。しかし日本では、市街地の家屋から農村、山間の森林まで広く記録され、ヨーロッパでも野生化している。

東京都の資料によると、都市では河川や用水路、側溝を移動経路にし、昼は納屋や家屋、寺社の屋根裏で休むことがある。水路を通り、屋根裏で休む暮らしだ。この記事では、原産地の環境との共通点と、日本とドイツでの定着の経緯を公的機関の資料で整理し、「水辺」が生息環境や都市での移動を考える手がかりの一つになることを見ていく。

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1. ひるま、アライグマは どこで ねて いるの?

1. 昼間のアライグマは、どこで休んでいるのか

1. 昼の休み場所 ── うろ・岩穴から、人家・畜舎まで

アライグマは、夜に うごく どうぶつです。ひるまは、ねて いる ことが おおいのです[2]。

では、ひるまの ねどこは どこでしょう。もとは、木の あなや、いわの あなです[1]。

ところが、人の くらしの ちかくでは、おうちの やねの うらや、小屋にも います[1]。人の たてものも、ねどこに できる ばしょの ひとつなのです。

どうして、森の あなと 人の おうちが、どちらも ねどこに なるのでしょうか。

アライグマは夜に活動する動物で、昼間は休んでいます。休み場所として資料にあげられているのは、木のうろ(幹にできた空洞)や岩穴です[1]。

一方で、人家や畜舎の中も休み場所になります[1]。東京都の資料では、昼間は樹上のうろのほか、納屋や家屋、寺社の屋根裏で休むことがあるとされています[2]。

森の穴と人の建物。見た目はまったくちがうのに、どちらも「暗くて、風雨をしのげて、すき間がある場所」です。この共通点が、町に入りこめる理由の一部かもしれません。ただ、それだけで説明がつくわけではなさそうです。もうひとつの手がかりは、ふるさとにあります。

アライグマは夜行性で、昼間は休息する。休み場所は、自然環境では樹木のうろや岩穴、人の生活圏では人家や畜舎である[1]。東京都は、昼間は樹上のうろに加え、納屋・家屋・寺社の屋根裏で休むことがあると説明している[2]。

注目したいのは、自然物と人工物の両方が選ばれている点だ。暗く、雨風をしのげ、体が入るすき間がある、という条件を満たせば、うろでも屋根裏でもよいように見える。この共通性が、都市への進出を容易にしている可能性はある。ただし資料は場所の一覧を示しているだけで、選択の理由までは述べていない。

では、休み場所の選択以前に、「どこで暮らす動物なのか」という基本は何か。次に自然分布を見る。

2. ふるさとは、どんな ところ?

2. 故郷は、北アメリカと中央アメリカの水辺の森

2. アライグマはどこに分布するのか ── カナダ南部からパナマまでの水辺の森

アライグマの ふるさとは、きた アメリカから、なか アメリカまでの ひろい ばしょです[1]。日本には、もともと いませんでした[2]。

そこに ある 森には、水の ある ところが あります。かわや しっちの ちかくです。アライグマは、そんな ところを このむと いわれます[6]。

答えを ひとことで 言うと、「水の ちかくの 森」です。でも、この どうぶつは、そこだけに とどまっては いませんでした。

アライグマが自然に分布していたのは、北アメリカから中央アメリカにかけて、カナダ南部からパナマまでの地域です[1][2]。日本には本来いない動物で、外来種にあたります。

もとの生息地は、落葉樹や、落葉樹と針葉樹がまじった森だと説明されています[6]。のちに山地や海岸の湿地、都市へと広がったと書かれています[6]。

国立環境研究所の資料も、生息環境を「水辺」とし、都市から森林、湿地まで幅広いと書いています[1]。つまり題名の問いへの答えは、「水のそばなら、森でも町でも」です。ふるさとの水辺の森が基本形で、そこから範囲が広がっていると考えられます。

ここで気をつけたいのは、アライグマは「水の中で暮らす」動物ではないことです。あくまで水辺を好む、というのが資料の書き方です。

自然分布は北米から中米で、カナダ南部からパナマまでとされる[1][2]。原生息地は落葉樹林と混交林で、のちに山地、海岸の湿地、都市へと分布を広げたと記述されている[6]。

国立環境研究所も、生息環境を水辺とし、都市から森林・湿地まで幅広いとまとめている[1]。したがって、題名の問いへの答えは「水に近い森が基本で、水辺なら都市にも及ぶ」となる。

誤解しやすい点がある。アライグマは水辺を好むが、水中で暮らす動物ではない。名前から連想される「水で洗う」イメージと、生息環境の「水辺」は、同じではない。資料が書いているのは後者だけである。

水辺が条件だとすると、水辺のない場所では暮らしにくいのだろうか。町の中での暮らし方を見る。

3. 町の どこを とおって いるの?

3. アライグマは、町の水路を移動に使うのか

3. 都市での移動経路 ── 河川・用水路・側溝という「水辺の道」

アライグマは、木のぼりが とくいです[2]。そして、水の ちかくが すきです。

町を あるく ときも、かわや、ようすいろ、どぶを みちに つかうと いわれて います[2]。

町の 中にも、水の ながれる みちは たくさん あります。森の かわの かわりに なっているのかも しれません。

ただし、これは 人が 考えた 見かたです。アライグマが どう 思って いるかは、分かりません。

東京都の資料によると、アライグマは河川や用水路、側溝を移動経路として使っています。木登りも得意です[2]。

町を見わたすと、川、用水路、側溝がつながって、街の中まで細い水辺の道ができています。森の川の岸を歩く動物にとっては、似た「道」に見えるのかもしれません。もちろん、これは人間の側の見立てです。資料が書いているのは、実際に水路が移動経路として使われている、という事実までです。

そして木登りが得意なら、木のうろにも、建物の屋根裏にも、高いところから入れます。夜に動いて昼は暗い場所で休む暮らしも、町の家に合っています。

こうして見ると、アライグマにとっての「住みやすさ」は、森か町かではなく、水辺があるか、休める暗い場所があるか、で決まっているように見えます。では、この力で、アライグマはどこまで広がったのでしょうか。

都市での行動には、水辺という条件がそのまま反映されている。東京都は、河川・用水路・側溝を移動経路として利用していること、木登りが得意であることを挙げている[2]。

自然分布での「水のある低地林・湿地」が、都市では「河川・水路・側溝」に置き換わっている、という読み方ができる。森の川岸を歩く動物にとって、市街地の水路網は連続した水辺に見えるのかもしれない。ただし、これは複数の記述を組み合わせた筆者の解釈であり、資料が直接そう述べているわけではない。

これに、夜行性で昼は暗い閉所に休む習性と、木登りの能力が加わる[1][2]。移動は水路、休息は屋根裏やうろ、という組み合わせが成り立つため、森林でも市街地でも暮らしの形が大きく変わらずに済む。

では、この柔軟さを持つ動物が、原産地の外に出たらどうなったか。日本とドイツの例を見る。

4. にほんや ドイツで、どうして ふえたの?

4. 日本とドイツで、野生になったのはいつからか

4. 原産地の外 ── 日本(1962年〜)とドイツ(1934年〜)での野生化

日本で さいしょに のらに なったのは、1962ねんと いわれます。あいちけんの どうぶつえんから、12とう にげたのが はじまりです[1]。

そのあと、1970ねんだいの おわりごろ、テレビの アニメの えいきょうで、かう 人が ふえました。にげたり、すてられたり した アライグマが、あちこちで のらに なりました[1]。

いまは、きたの ほっかいどうから 九州まで、日本じゅうに います[3]。千葉県でも、県の ぜんぶで 見つかって います[4]。

ドイツでも、1934ねんに エーダーこで 2くみの つがいが はなされたのが はじまりと いわれて います[5]。

水の ある ばしょが たくさん あれば、アライグマは どこでも くらせる のかも しれません。

日本での野生化は、1962年に愛知県犬山市の動物園から逃げた12頭が起源とされています[1]。その後、1970年代後半にテレビアニメの影響で飼育がブームになり、逃げたり捨てられたりした個体が各地で野生化しました[1]。

広島県の資料では、現在は北海道から九州まで全国に分布するとされています[3]。千葉県は、1990年代に目撃が始まり、いまは県全域に生息すると説明しています[4]。

ヨーロッパでも似た広がりがありました。ドイツでは、1934年にヘッセン地方のエーダー湖の近くで、2つがいが放されたのが始まりとされます[5]。

日本とドイツは、気候も町のつくりもちがいます。それでも定着したことは、アライグマの暮らし方の幅の広さを示しています。ただし、それぞれの土地で数がどう増えたかは、この記事の資料の範囲を超えるので書きません。

日本での野生化の起点は、1962年に愛知県犬山市の動物園から逃げた12頭とされる[1]。1970年代後半以降はテレビアニメの影響で飼育がブームになり、逃亡や遺棄をした個体が各地で定着した[1]。飼育個体が逃げたり捨てられたりすることで、野生化が各地で起きた。

分布は広がった。広島県は北海道から九州まで全国に分布するとし[3]、千葉県は、1990年代に目撃が始まり現在は県全域に生息するとしている[4]。

ヨーロッパでも、ドイツでは1934年にエーダー湖(ヘッセン)周辺で2組のつがいが放されたことが起源とされる[5]。日本とドイツは気候も都市構造も異なるが、定着した事実は、原産地の外にも分布を広げたことを示す。

ただし、個体数の推移や被害の程度は、この記事で使った資料からは示せない。日本では外来種として管理の対象になっていることも、ここでは触れるにとどめる。

では、この「水辺の動物」を、自分の町で理解するにはどうしたらよいか。

5. 町の 水の みちを さがして みよう

5. 地図で、自分の町の水の道をたどる

5. 地図で確かめる ── 水路網と、資料の読みどころ

アライグマを さがさなくても いいのです。さがすのは、水の みちです。

おうちの ちかくの ちずを ひらいて、かわ、いけ、ようすいろを ゆびで たどって みましょう。つながって いますか。

ほんものの アライグマや、どうぶつの あしあとを 見つけても、さわったり、ちかづいたり しては いけません。見つけたら、おとなに 話しましょう。

実際にできるのは、地図を使った観察です。住んでいる地域の地図を開き、川、池、用水路を、色えんぴつでなぞってみてください。どこがつながっているでしょうか。

アライグマの「道」になりうる水辺が、町の中でどのように伸びているかが見えてきます。実物のアライグマやその足あとを見つけても、触ったり近づいたりしないでください。見かけたら、家の人に知らせましょう。必要なら家の人から自治体に連絡してもらいます。

資料としては、国立環境研究所の侵入生物データベースと、各自治体のアライグマのページが日本語で読めます。自分の都道府県のページがあれば、そこで確認できます。

確かめの方法は、地図上の水路網の確認である。居住地の地形図や地図アプリで、河川・用水路・池の連続性を調べると、都市内の「水辺の道」が見える。ただし、この水路が実際に移動経路として使われているかどうかは、地図からは分からない。

野生動物には近づかず、触れないこと。見かけたら家の人に知らせ、必要なら家の人から自治体へ連絡してもらう。

資料は、国立環境研究所の侵入生物データベース[1]と、東京都・広島県・千葉県の各ページ[2][3][4]が日本語で読める。自分の自治体の資料と読み比べると、地域差が見える。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国立環境研究所、東京都、広島県、千葉県の公的資料のほか、ドイツの経緯は英語の解説記事を、環境の説明にはWikipediaも補助的に使った。何に使ったかは項目ごとに書いている。

  1. 国立環境研究所 侵入生物データベース「アライグマ」。https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10150.html (原産地、生息環境、休み場、日本への導入経緯について)
  2. 東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」。https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/raccoon/habit (昼間の休み場所、移動経路、木登りについて)
  3. 広島県「アライグマ調査」。https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/tayousei/investigation-araiguma.html (日本国内の分布について)
  4. 千葉県「特定外来生物アライグマ」。https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/choujuu/araiguma.html (千葉県での広がりについて)
  5. Discover Wildlife「Raccoons in Germany」。https://www.discoverwildlife.com/animal-facts/mammals/raccoons-in-germany (ドイツでの野生化の始まりについて)
  6. Wikipedia「Raccoon」。https://en.wikipedia.org/wiki/Raccoon (もとの生息環境と密度の高い環境について)

なおした ところ

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