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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ツバメは なにを たべて いるの? ヒナの うんちで しらべたって ほんと?

ツバメは飛びながら何を食べているのか ── ヒナのふんのDNAで調べた高校生の研究から

ツバメは何を食べているのか ── ヒナの糞のDNA解析とカナダの胃内容物調査から

分野:生きもの

ツバメの ヒナの うんちを あつめて、なかに のこった むしの DNAを しらべた こうこうせいが います[1]。ツバメは とびながら むしを たべるので、めで みても、ビデオで とっても、わからなかったからです。

そんな ツバメは、いつ、どんな むしを たべて いるのでしょう。5月と 6月で ごはんが かわる ことや、カナダで わかった「むしの おおきさの えらびかた」が わかります。

奈良県の高校生が、ツバメのヒナのふんを集めて、その中に残った虫のDNAを調べました[1]。飛びながら虫を食べる鳥の食事は、目で見ても、動画に撮っても、中身が分からなかったからです。

ツバメは、いつ、どんな虫を食べているのでしょうか。5月と6〜7月で虫が入れかわること、そしてカナダの研究で見えた意外な事実が分かります。空を飛ぶ虫の約8割は体長4ミリより小さいのに、ツバメは4〜8ミリの虫を強く選んでいたのです。

ツバメの親は飛翔中に虫を捕るため、何を巣に運んでいるのかは、観察や動画では確かめにくい。奈良県の高校生は、ヒナの糞に含まれる昆虫のDNAを解析するという方法で、この壁を越えた[1]。

その結果、5月と6〜7月で検出される虫の顔ぶれが変わる様子が見えた。さらにカナダの胃内容物の研究は、ツバメが空中の虫を「大きさで選んでいる」ことを示唆する[4]。食べ物の内訳が場所や時期でどう変わるか、また結果をどこまで一般化できるかが分かる。

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1. ツバメの ごはんは、どんな むし?

1. ツバメの食べ物は、飛んでいる虫

1. 飛びながら捕る ── ツバメの獲物と、その調べにくさ

ホンダの もりの かいせつでは、ツバメの おやは あさ 6じごろから、むしを さがしに とびだして いくと いいます[2]。

ツバメは、そらを とんで いる むしを、とびながら つかまえます。カや ががんぼ、トンボ、ハエ、アブ、はねの ある アリなどが ごはんだと いわれます[2][3]。

すに もどった おやが ちかづいて ないて しらせると、ヒナが くちを あけます[2]。つまり、ツバメは そらを とんで いる むしを たべます。

でも、どの むしを、どれくらい たべて いるのかは、ずっと はっきりしませんでした。むしが とびながら つかまるので、おやが すに はこんだ ものを ひとつずつ みわけるのが むずかしいのです。

朝6時ごろから、ツバメの親は巣を飛び立って餌を探しはじめます。ホンダの森の解説によると、ツバメはカやガガンボ、トンボなど、飛んでいる虫を飛びながら捕まえます(フライングキャッチ)[2]。親が交互に餌を運び、巣に近づいて鳴くと、ヒナが口を開けます。

気象会社の記事は、ツバメの主食をハエやアブ、トンボ、羽アリなどの昆虫としています[3]。題名の問いの大づかみな答えは、「空を飛んでいる虫を、飛びながら捕る」です。

ところが、どの虫をどれくらい運んでいるのかという細かい中身は、見ているだけでは分かりません。小さな虫は一瞬で巣に消えてしまうからです。次の章で、奈良の高校生がこの壁をどうこえたかを見ます。

朝6時ごろ、ツバメの親は巣を離れて餌を探しはじめ、雌雄が交互に餌を運ぶ。ホンダの森の解説によれば、餌は飛んでいる虫で、カやガガンボ、トンボなどを飛びながら捕らえる(フライングキャッチ)[2]。気象会社の記事は、主食をハエ・アブ・トンボ・羽アリなどとする[3]。

したがって題名の問いに対する大枠の答えは「空中の昆虫を飛びながら捕る」である。ただし、この2つはいずれも一般向けの解説であり、虫の種類ごとの割合や、時期による違いまでは示していない。

では、その中身はどうすれば分かるのか。飛びながら捕らえて一瞬で巣に運ぶ虫は、人が見て数えにくい。この点を乗りこえようとしたのが、次章の高校生の研究である。

2. どうして、うんちを しらべたの?

2. 動画でも分からず、ふんのDNAに行きついた

2. 動画解析から糞のDNA解析へ ── 生駒市の高校生の研究

ならけんの いこまし。おみせが ならぶ まちで、こうこうせいが ツバメの こそだてを 2018年から 2024年まで みつづけました[1]。

はじめは、おやが ヒナに ごはんを あげる ようすを ビデオで とったり、うんちを ふるいに かけたり しました。でも 2022年は、なにを たべさせて いるのか、わかりませんでした[1]。

そこで 2023年と 2024年は、うんちの なかの DNAを しらべる ほうほうに かえました。むしを たべれば、その むしの DNAが うんちに まじるからです。わかった むしは、ほとんどが とんで いる むしでした[1]。

ただ、うんちを あつめられた 日は ほんの すこしです。ヒナが ちいさい うちは、おやが うんちを すの そとに はこんで すてて しまうからです。あつめられた 日は、2023年が 14回、2024年が 8回でした[1]。

すくない うんちから、どんな ごはんの ならびが みえたのでしょう。

奈良女子大学附属中等教育学校の生徒が、奈良県生駒市の飲食店街で、2018年から2024年までツバメの子育てを観察しました[1]。2022年度は、給餌の動画やふんのろ過装置で食べ物を調べようとしましたが、中身は分かりませんでした。

そこで2023年度と2024年度は、ヒナのふんに含まれる昆虫のDNAの一部を調べる方法に切りかえました。専門の会社に解析を頼み、DNAの配列を既知のデータと照らして、種や属のレベルまで虫を決めています。見つかった虫は、ほとんどが飛んで移動する昆虫でした[1]。

この調べ方には弱点もあります。ヒナが小さいうちは、親がふんをくわえて巣の外へ運び出してしまうので[2]、ふんを集められた日は2023年度で14回、2024年度で8回と限られました[1]。しかも1か所での観察です。日本全体のツバメの食事と言いきることはできません。

それでも、少ない回数のふんから、虫の入れかわりが見えてきました。

報告書の概要は次のとおりである。奈良女子大学附属中等教育学校の生徒が、生駒市の飲食店街で2018〜2024年にツバメの子育てを観察した。2022年度は給餌動画や糞のろ過装置による解析を試みたが、給餌内容は判明しなかった。そこで2023・2024年度は、ヒナの糞に含まれる16S rRNA遺伝子の一部を決定し、塩基配列の検索で種〜属のレベルまで同定する方法に切りかえた[1]。

動画で給餌内容が分からなかったのは、虫が小さく、巣へ入る一瞬に口へ移ってしまうためと考えられるが、報告はその理由までは述べていない。DNA解析は、虫そのものを見なくても、ヒナがすでに食べた虫の痕跡を拾える点が強みである。検出された昆虫はほとんどが飛翔性昆虫だった[1]。

一方で、標本には明確な限界がある。ヒナが一定の大きさに育つまでは、親がヒナの糞をくわえて巣の外へ運び出す[2]。そのため糞を採取できた日は、2023年度で14回、2024年度で8回にとどまった[1]。これは校内の研究報告で、査読を経た論文ではない。1か所・少数の標本の結果として読む必要がある。

その限界のなかで、時期ごとに糞を並べると何が見えたのか。

3. 5月と 6月で、ごはんは ちがうの?

3. 5月はシロアリの仲間、6〜7月はトンボとチョウの仲間が増える

3. 時期で変わる顔ぶれ ── シロアリ、ハエ、トンボ、チョウの検出割合

うんちを つきの ごとに ならべて みると、むしの かおぶれが かわって いました。

5月は、シロアリの なかまが たくさん みつかりました。グラフから よむと、およそ 45%です。6月には およそ 65%に ふえて います[1]。そらを とんで いた のは、はねの ある すがたの シロアリでしょう。

6月と 7月には、トンボと チョウの なかまが ふえました。5月には、ほとんど みつかって いません。ハエの なかまは 5月と 7月に おおく、7月には およそ 9わりまで ふえます[1]。

ツバメが えらびかえたのか、そらに いる むしが かわったのかは、この しりょうからは きめられません。ごはんの かおぶれが 月で ちがう、というところまでが たしかな ことです。

ふんを月ごとに比べると、虫の顔ぶれがはっきり違っていました[1]。トンボ目やチョウ目の昆虫は、5月にはほとんど見つからず、6月と7月に多く見つかっています。ほかの昆虫も、時期が遅いほどよく検出されました。

報告のグラフを目盛りから読むと、シロアリの仲間(報告では「ゴキブリ目」と書かれ、すべてシロアリの仲間と注記されています)は5月に約45%、6月に約65%の割合で検出されています。ハエ目は5月と7月に高く、7月は約9割です。数字は棒グラフから読みとった概数です。割合の意味も、報告に細かい定義がありません。「その月のふんで、よく見つかった虫」くらいに受けとってください。

飛んでいたシロアリは、羽のある姿の羽アリだったと考えられます。ツバメの食べ物に羽アリが挙がっていた理由が、この結果とつながります[3]。

観察した時期が遅いほど、巣に餌を運ぶ回数は減り、巣立ちまでの日数も短くなっていました。研究者は、虫の栄養価が高くなった可能性を考察に挙げています。ただし、これは考察です。ツバメが虫を選びかえたのか、空にいる虫が変わったのかも、この研究からは決められません。

時期別に糞から検出される昆虫を比べると、トンボ目とチョウ目は5月にはほとんど検出されず、6・7月に多かった。そのほかの昆虫も、遅い時期ほど検出されやすかった[1]。

図10の棒グラフを目盛りから読むと、ゴキブリ目(報告は「すべてシロアリの仲間」と注記)は5月に約45%、6月に約65%で検出され、ハエ目は5月と7月に高く、7月は約9割に達する。これらは概数であり、割合が糞試料数に対する検出率かどうかも本文に定義がないため、「検出された割合」としか書けない。検出された昆虫がほとんど飛翔性であることを考えると、飛んでいたシロアリは有翅虫(羽アリ)とみるのが自然だが、報告はこの点を明記していない。

この間に、親の行動にも変化が見られた。時期が遅いほど給餌回数は減り、巣立ちまでの日数は短くなった。孵化日が遅いほど巣立ちまでの日数は短く(r=-0.67)、子育て期間の平均気温が高いほど短かった(r=-0.69)[1]。研究者は虫の栄養価が高くなった可能性を挙げるが、これは考察であり、「虫が変わったから早く巣立つ」と因果を断定できる結果ではない。気温の影響とも切り離せない。

では、日本の高校生が見た「顔ぶれの入れかわり」は、鳥が選んだ結果なのか、それとも空に虫が多かっただけなのか。海外には、空中の虫の量も一緒に測った研究がある。

4. カナダの ツバメの おなかには、なにが はいって いたの?

4. カナダの空港で、ツバメの胃の中を調べた

4. 胃内容物の調査 ── バンクーバー国際空港のツバメ31羽

カナダの バンクーバーの くうこうで、2013年に あつめた ツバメ 31わの おなかの なかみが しらべられました[4]。

むしの かずの へいきんの わりあいは、アリや ハチの なかまが 40%、ハエの なかまが 31%、カメムシの なかまが 15%、カブトムシの ような こうちゅうの なかまが 12%でした。アリだけで、たべものの 29%を しめて いました[4]。

アリが こんなに おおいのは、すこし いがいです。でも、この かずは ひとつの くうこうの まわりの 31わの けっかです。ばしょや しらべかたが かわれば、ごはんの ならびも かわるでしょう。

では、ツバメは そらに いる むしを、そのまま たべて いるのでしょうか。

カナダ・バンクーバー国際空港で2013年に集めた31羽のツバメの胃の中身が、学術誌 Canadian Field-Naturalist に報告されています[4]。虫の数の平均割合は、ハチ目(アリを含む)が40%、ハエ目が31%、カメムシ目が15%、コウチュウ目が12%でした。アリの仲間だけで、食べ物の29%を占めています。

ハチ目の中にアリが入るのは、アリがハチと同じ仲間に分類されるからです。奈良の高校生の研究ではシロアリの仲間が多く出てきましたが、こちらのアリはシロアリとは別の仲間です。

ただし、これを「ツバメの食事の4割はハチとアリ」と一般化するのは行きすぎです。調べたのは、空港まわりの31羽だけです。場所や調べ方が変われば、内訳も変わると考えるのが自然です。

では、胃に入っていた虫の割合は、空に飛んでいる虫の割合と同じだったのでしょうか。

バンクーバー国際空港で2013年に採集した31羽のツバメの胃内容物を調べた研究が、Canadian Field-Naturalist 131巻に載っている[4]。昆虫の個体数の平均割合は、ハチ目(アリ類を含む)40%、ハエ目31%、カメムシ目15%、コウチュウ目12%で、アリ科だけで食物の29%を占めた。

注意したいのは、これが1か所・31羽の結果だという点である。調査地や調査方法が変われば内訳も動きうる。したがって「ツバメはアリを好む」と一般化はできない。奈良の糞のDNA解析(検出の有無・割合)と、カナダの胃の中の個体数割合は、調べている量そのものが違う。数字を並べて優劣を決めることもできない。

ところで、胃の中の割合だけでは、鳥が虫を「選んだ」のか、「たまたま多かった虫を食べた」のかは区別できない。この研究は、空中の虫の割合も一緒に測っていた。

5. ツバメは、むしを おおきさで えらんで いるの?

5. 空には小さな虫が8割いるのに、ツバメは4〜8ミリを選んでいた

5. 空中の虫との比較 ── 4〜8mmの虫への強い選択

おなじ カナダの しらべでは、そらに ふわふわ とんで いる むしも、わなで あつめて くらべました[4]。

すると、そらに いる むしの 8わりくらいは、4ミリより ちいさな ものでした。それなのに ツバメが よく たべて いたのは、からだの ながさが 4ミリから 8ミリの むしでした。こめつぶ 1つぶ くらいの おおきさです。ちいさすぎる むしも、おおきすぎる むしも さけて いました[4]。

むしの なかまでは、アリや ハチを つよく えらび、ハエや こうちゅうの なかま、チョウは えらばない かたむきでした。

ただし、これは カナダの くうこうの ツバメです。にほんの ツバメが おなじだとは いえません。

この研究では、空中の虫をトラップで集めて、ツバメの胃の中身と比べています。ここで「選んでいる」とは、空にいる虫の中での割合と、食べた虫の中での割合を比べる、ということです[4]。

結果は、体長4〜8ミリの虫を強く選んでいた、というものでした。トラップに入る虫の約8割は、それより小さな虫でした。ツバメは、小さすぎる虫も、大きすぎる虫も避けていました。種類では、ハチ目(おもにアリ)を強く選び、ハエ目・コウチュウ目・チョウ目は選ばない傾向でした。

胃の中身では、ハエ目も31%と目立っていたのに、「選んでいる」とは出ないのです。数が多く飛んでいるものを食べているだけなら、割合は空の割合に近くなります。ハチ目だけが、空の割合より大きく食べられていました。

ここまでが、前章の問いへの答えです。ただしカナダの空港まわりの結果なので、日本のツバメも「4〜8ミリが大好物」と言いきることはできません。

この研究の特徴は、胃内容物と同時に、空中の昆虫相をマレーズトラップ(飛翔昆虫を捕えるテント状の罠)で調べ、両者を比較した点にある[4]。捕食者が餌を選択しているかどうかは、環境中の利用可能な割合と、食べた割合のずれで判断するためである。

結果は、体長4〜8mmの昆虫への強い選択だった。トラップで捕獲された昆虫の約8割は4mmより小さい個体だったが、ツバメは小さすぎる個体も大きすぎる個体も避けていた。分類群では、ハチ目(主にアリ)を強く選択し、ハエ目・コウチュウ目・チョウ目は選択しない傾向があった。胃の中ではハエ目が31%を占めていたが、これは空にいるハエ目の割合をふまえると、「選ばれて多い」のではなく、「多いから多く食べた」と読める。ハチ目の29%(アリ科)だけが、空の割合より大きく上回っていた。

なぜその大きさなのかについて、報告の要旨は理由を断定していない。小さすぎると捕るのに見合わず、大きすぎると捕りにくいという解釈は一般論として成り立つが、この資料から確かめられた結論ではない。また、結果は北米の1空港のもので、日本の奈良の結果(5月はシロアリ、6〜7月はトンボ・チョウ)とは直接つながらない。

残る課題は明確である。日本で、空中の昆虫相と糞や胃の中身を同時に測った研究が、この調べでは見つからなかった。奈良の高校生の研究の次の一歩は、まさにそこにあるといえる。

6. むしの おおきさを、じょうぎで かんがえて みよう

6. 定規の4〜8ミリと、窓の外の虫を見くらべる

6. 4〜8mmを目で確かめる ── 観察の道すじと原典の読み方

じょうぎで 4ミリと 8ミリを みて みましょう。1めもりが 1ミリです。この ながさの むしが、カナダの ツバメの よく たべて いた おおきさです[4]。

まどの そとや こうえんで ちいさな むしを みつけたら、さわらずに、4ミリより おおきいか ちいさいかを めで あてて みましょう。そらを とんで いる むしは、たいてい ちいさく みえます。

ツバメの すを みかけたら、とおくから、おやが すに かえって くる かいすうを 10ぷん かぞえて みましょう。すに ちかづかないで、うんちにも さわらないで ください。どの むしを はこんで いるのかは、とおくからでは ほとんど わかりません。あの こうこうせいが うんちを しらべた わけが、すこし わかるはずです。

定規で4ミリと8ミリを見てみましょう。1目盛りが1ミリです。カナダのツバメが選んでいた虫の大きさがこの範囲です[4]。

窓の外や公園で小さな虫を見かけたら、触らずに、4ミリより大きいか小さいかを目で当ててみます。空を飛ぶ虫の大半が4ミリより小さかった、という数字が、見えている虫の感覚とどれくらい合うかが分かります。

ツバメの巣を見かけたら、離れた場所から、親が巣に帰ってくる回数を10分間数えてみましょう。巣に近づかないこと、巣の下のふんには触れないことが大切です。奈良の研究では、親の雄は雌より1時間あたりの給餌回数が多いと報告されています[1]。回数は数えられても、運ばれた虫の中身までは見分けられません。高校生がふんを調べた理由が、実感できるはずです。

原典は日本語で読めます。奈良女子大学附属中等教育学校の報告[1]には、ここで触れなかった雌雄の給餌行動のグラフも載っています。

数字を実感するには、定規の1目盛り(1mm)で4mmと8mmの幅を確かめ、窓の外の虫の大きさを目測で当てるとよい。空中の昆虫の約8割が4mm未満という数字[4]が、実際の見え方と合うかを確かめられる。

ツバメの巣を見かけたら、離れた位置から、親が巣に入る回数を一定時間数える方法もある。奈良の報告では、雄は雌より1時間あたりの給餌回数が多く、巣での滞在時間は短かった[1]。ただし個体の識別や、運ばれた虫の種類は、肉眼では分からない。この限界が、糞のDNA解析を選んだ理由を物語っている。なお営巣中の巣には近づかず、巣の下の糞には触れない。

原典を読むときは、2つの調べ方の違いに注意するとよい。奈良の報告[1]は糞中のDNAの検出割合で、時期による入れかわりを見る。カナダの論文[4]は胃の中の個体数割合に、空中の虫の割合を重ねて、選択の有無を見る。同じ「何を食べるか」でも問いが違う。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:奈良の研究は校内の研究報告で、査読論文ではない。カナダの研究は学術誌の論文を、要旨と報告の整理を通して使った。ツバメの一般的な食べ物の説明は、企業の解説記事と気象会社の記事を補助的に使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。

  1. 奈良女子大学附属中等教育学校「奈良県生駒市におけるツバメの雌雄別給餌行動の観察と給餌内容の解析」。https://nwuss.nara-wu.ac.jp/sss/wp-content/uploads/fe41765fd4b785065b7053c428ca3b10.pdf (糞のDNA解析、時期別の検出割合、給餌回数について。校内の研究報告)
  2. ホンダの森 ライブラリー「ツバメの子育て」。https://global.honda/jp/philanthropy/hondawoods/forest/library/051/ (飛びながら虫を捕ること、餌運びとふんの運び出しについて)
  3. ウェザーニュース「ツバメ」の記事。https://weathernews.jp/news/202405/200095/ (主食とされる虫の例。一般向けの解説)
  4. Diet and Prey Selection of Barn Swallows at Vancouver International Airport. Canadian Field-Naturalist 131. https://www.canadianfieldnaturalist.ca/index.php/cfn/article/view/1777 (胃の内容物の割合と、虫の大きさへの選択について。英語の論文)

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