1. クジラの ちかい なかまは、どんな どうぶつ?
1. クジラに近い仲間は、シカのような小さな動物
1. インドヒウス ── クジラ類に近い、4800万年前のカシミールの動物
4800万年まえの インドの きたの ほうに、インドヒウスと いう どうぶつが いました。大きさは キツネくらい。小さな シカの ような すがたで、植物や 小さな むしを 食べて いた かのうせいが あると されて います[1]。
ふしぎな のは、骨です。骨の そとがわが、おなじ 大きさの ほかの どうぶつより、ずっと あつかったのです。歯の せいぶんを しらべると、水に すむ どうぶつに にて いました。耳の 骨の かたちも、クジラの なかまと にて いました[1]。
シカのような 小さな どうぶつの からだに、水の くらしの しるしが ある。この どうぶつは、水の 中で なにを して いたのでしょう。
インド北部のカシミール地方で、約4800万年前の小さな動物の化石が見つかりました。インドヒウスと呼ばれる動物で、大きさはキツネほど。見た目は小さなシカのようで、植物や小さな無脊椎動物を食べていた可能性があるとされています[1]。
ところが骨を調べると、ふつうのシカとはちがう点がいくつも出てきました。骨の外側の層が、同じ大きさの哺乳類よりずっと厚いこと。歯に残る酸素の同位体の割合が、水の中で暮らす動物に似ていること。耳の骨に、クジラ類と共通する厚いこぶがあること。2007年に雑誌『ネイチャー』に出た研究は、こうした特徴から、インドヒウスをクジラ類にいちばん近い仲間のひとつと位置づけました[1]。
陸にいた小さな動物なのに、体には水辺の暮らしの跡が残っている。この動物は、水の中で何をしていたのでしょうか。
クジラの祖先探しで鍵になる化石の一つが、インド北部カシミール地方の約4800万年前の地層から出たインドヒウス(ラオエラ科)である。体はキツネほどで、小さなシカに似た動物だが、Thewissenらの論文(2007年、Nature)は、骨・歯・耳という三つの点でクジラ類との共通点を示した[1]。
一つ目は、四肢の骨の密度。骨の外側の層が、同じ大きさの哺乳類よりはるかに厚い。二つ目は、歯の酸素安定同位体の組成が、水生動物に似ていること。三つ目は、耳の骨にある厚いこぶ(involucrum)や小臼歯の構造が、クジラ類と共通することである。個々の特徴だけなら、ほかの動物にもあるかもしれない。三つが同じ動物に重なっているため、論文はこの動物を、クジラ類にいちばん近い仲間のひとつとして扱った。
ここで問いが生まれる。陸にいた小さな動物の骨と歯に、水辺の暮らしの痕跡があるのはなぜか。骨の厚さには、何か役目があったのだろうか。
2. 小さな どうぶつは、水の 中で なにを して いた?
2. 骨が重いのは、水の底を歩くため?
2. 骨の厚さの意味 ── 浅い水を川底沿いに歩く暮らしという仮説
あつい 骨は、からだを おもく します。おもいと、水に しずみやすく なります。カバや マナティも あつい 骨を もち、インドヒウスの 骨も おなじ はたらきだろうと かんがえられて います[2]。
プールで からだが うくと、そこを あるきにくいですよね。おもりを つければ、ふみしめられます。ただし ほんとうの 骨は、おもりと ちがって、からだの 中に あります。
インドヒウスは、あさい 水の 中を、川の そこに そって あるいて いたのかも しれません。食べるのは 陸で、あぶない ときは 水に にげこむ くらしも、そうぞうされて います。ただし にげこんだと いうのは、まだ かせつです。およぐのが とくいだったとは、いえません[2]。
厚い骨は、体を重くして、水に沈みやすくする役目をもつと考えられています。カバやマナティの骨も、同じ働きをするとされます。インドヒウスの骨の厚さも、浅い水の中を川底に沿って歩く、カバのような暮らしを想像させます[2]。
プールで体が浮いてしまうと、底を歩くのは難しくなります。腰におもりをつければ、足が底をとらえやすくなります。骨の厚さには、それに近い意味があったのかもしれません。ただし本物のおもりとちがって、骨は体の一部で、重さの配り方も同じではないでしょう。
歯の同位体からは、植物や小さな無脊椎動物を食べていた可能性があるとされています。そこから、陸で食べて、危険がせまると水へ逃げる暮らしも想像されています[2]。ただし、水に逃げこんだというのは仮説です。泳ぎが得意だったとも言えず、「浅瀬を歩く」姿のほうが近いようです。
水辺を歩く動物が、クジラの仲間とどうつながるのか。決め手になったのは、1つの小さな骨でした。
骨の厚さは何のためか。National Geographicの紹介記事は、カバやマナティと同じように、体を重くして沈みやすくする役目だと説明する。浅い水の中を川底に沿って歩くカバのような暮らしが、想像されている[2]。
歯の同位体からは、植物や小さな無脊椎動物を食べていた可能性があるとされ、陸で食べ、危険がせまると水へ逃げる暮らしが考えられている。ただし、「逃げ場として水に入った」は仮説であり、泳ぎが得意だったという証拠でもない。浅瀬を歩く(ウェーディング)段階と、泳ぐ段階は分けて考える必要がある。
水の暮らしの痕跡をもつ動物が、クジラとどう結びつくかは、別の化石が教えてくれた。それが、足首にある1つの骨である。
3. 足首の 骨 1こで、なにが わかったの?
3. 足首の骨ひとつが、クジラとひづめの仲間をつないだ
3. 距骨(astragalus)── 2001年の化石が示した偶蹄類との結びつき
クジラの 足首の 骨は、ながい あいだ 見つかって いませんでした。ところが 2001年、パキスタンの 4700万年まえの 化石から、はじめて クジラの なかまの 足首の 骨が 見つかりました[3]。
その 骨は、ひづめの ある どうぶつ(シカや ウシの なかま)に とくべつな 形を して いました。クジラの なかまは、ひづめの なかまから 進化したと いう かんがえを、化石が ささえたのです[3]。この 発見は、ろんぶんにも なりました[4]。
いまの どうぶつでは、カバが クジラに いちばん ちかいと、DNAの けんきゅうで いわれて います。でも「カバから クジラが 生まれた」のでは ありません。ずっと むかしの おなじ ごせんぞから、べつべつに わかれたと かんがえられて います[7]。
クジラ類がひづめのある動物(偶蹄類)の仲間から進化したという考えは、長いあいだ、足首の骨が見つかっていないことが弱点でした。2001年、パキスタンの約4700万年前の地層から出た化石(Artiocetus、Rodhocetus)で、初めてクジラ類の足首の骨が見つかります。それは偶蹄類に特有の形をした距骨でした[3]。
1つの骨がこれほど効くのは、距骨の形が動物のグループごとに特徴をもっているからです。陸の偶蹄類と同じ形の骨が、クジラ類の足にあった。これで、クジラ類が偶蹄類の仲間から進化したという考えが、化石で裏づけられました[3]。報告した論文は、Gingerichらによる2001年の『サイエンス』誌の論文です[4]。
いまの動物でクジラ類にいちばん近いのは、DNAの研究から、カバだと分かっています。ただし「カバから進化した」ではなく、ずっと昔の共通の祖先から枝分かれした、というのが研究の描く図です[7]。その祖先のなかまの化石探しは、いまも続いています[10]。
足首の骨で行き先は決まりました。では、川の近くを歩いていた動物は、どんな順番で海へ向かったのでしょうか。
クジラ類の足首の骨が長く見つからなかったことは、「クジラ類は偶蹄類の仲間から進化した」という考えの弱点だった。2001年、パキスタンの約4700万年前の化石(Artiocetus、Rodhocetus)から、初めてクジラ類の距骨(astragalus)が見つかり、その形が偶蹄類に特有のものだったことで、この考えは化石の側から支えられた[3]。
報告は、Gingerichらの論文「初期偶蹄類からのクジラの起源:パキスタンの始新世プロトケトゥス科の手足」(Science 293, 2239–2242)である[4]。距骨は、動物のグループごとの形の特徴が出やすい骨であり、この化石は「足のどこが偶蹄類と同じか」を直接示した。
分子(DNA)の側からも、現生の陸の哺乳類でクジラ類にいちばん近いのはカバだとされる。ただし「カバから進化した」のではなく、共通祖先から分かれたと推定されている。この点は二次資料に依拠しており、原論文での確認が望ましい[7]。ケニアの約3000万年前のアントラコテリウム科の化石の研究が、共通祖先をめぐる化石証拠の不足を埋めるものとして紹介されている[10]。
足首の骨とDNAが同じ方向を指す。次の問いは、水辺を歩く草食動物が、どんな中間の姿を経て海の動物になったのか、である。
4. 水べから、海へ。からだは どう かわった?
4. 水辺の動物が、泳ぐ動物になるまで
4. パキケトゥス・アンブロケトゥス・プロトケトゥス科 ── 水辺から海へ
パキケトゥスは、5000万年まえごろ、パキスタンの ちかくの 水べに いました。体の 長さは 1mから 2mくらい。4ほんの 足と 長い しっぽが あり、すがたは 陸の どうぶつに ちかい ものでした。耳も、陸で 聞くのに むいて いました[5]。
飲んで いた 水は、海の 水では なく、川の 水だったと いう けんきゅうも あります[9]。
つぎの アンブロケトゥスは、「およぐ あるく クジラ」という 名前です。じょうぶな 手足と 大きな うしろあし、力づよい しっぽを もち、陸も あるけて、うしろあしと しっぽで およぎました。およぎかたは カワウソに ちかいと いわれます[6]。
そのあとの プロトケトゥスの なかまは、水と 陸の りょうほうで くらした なかまです。そこから 世界じゅうに 広がりました[7]。
約5000万年前ごろのパキスタン付近の水辺に、パキケトゥスの仲間がいました。体長は1〜2mほどで、4本の足と長い尾をもち、見た目は陸の哺乳類にほとんど近い姿です。耳も、陸で音を聞くのに向いた作りでした[5]。年代は資料によって数百万年の幅があるため、ここでは「約5000万年前ごろ」とまとめます。
酸素の同位体の研究によれば、パキケトゥス類がふだん取っていた水は淡水でした[9]。海の水ではなく、川や池のような水を飲んでいたことになります。
次に出てくるアンブロケトゥスは、「泳ぐ歩くクジラ」という意味の名前をもちます。約4900〜4700万年前の初期のクジラで、丈夫な手足と大きな後ろ足、力強い背骨と尾をもち、陸も歩け、後ろ足と尾で泳いだと考えられています。泳ぎ方はカワウソに近いとされます[6]。
さらに、約4800万〜3500万年前のプロトケトゥス科は、水と陸の両方で暮らした仲間と考えられ、インド亜大陸から世界へ広がりました[7]。足は少しずつ小さくなり、水の暮らしが増えていきます。
では、完全に水の中だけで暮らすようになったクジラの足には、何が残っているのでしょうか。
水辺の暮らしから海への移行は、いくつかの化石が段階を示す。約5000万年前ごろ(資料により約5300万〜4800万年前、または約4870万〜4540万年前と幅がある)のパキケトゥス類は、パキスタン付近の水辺で暮らした体長1〜2m程度の初期クジラ類で、4本の足と長い尾をもち、耳は陸で聞くのに特殊化していた[5]。酸素安定同位体比の研究によると、日ごろ摂取した水は淡水だったとされる[9]。
アンブロケトゥス(Ambulocetus natans、約4900〜4700万年前)は、丈夫な手足と大きな後ろ足、力強い背骨と尾をもち、陸も歩けた。1994年のNature論文(Thewissenら)は、泳ぎ方が現生のカワウソに最も近かったと述べる。後ろ足と尾で泳ぐという、陸の歩行と水中の遊泳の中間にあたる段階とみられる[6]。
プロトケトゥス科(Rodhocetusなど、約4800万〜3500万年前)は、水と陸の両方を使った暮らしとされ、インド亜大陸から世界へ広がった[7]。ここまでの年代は資料で幅があるため、「約」の数字は目安として読むのがよい。
水の暮らしが増えるほど、歩くための足は役目を失っていく。では、完全な水生になったクジラの足は、どこまで小さくなり、何が残ったのか。
5. 20mの クジラの うしろあしは、どれくらい?
5. 全長17〜20mのクジラに残った、35cmの後ろあし
5. バシロサウルス科 ── 歩く役を終えた後ろあしと、現生のクジラに近い骨格
バシロサウルスは、17mから 20mにも なる 大きな クジラの なかまです。水の 中だけで くらした、むかしの クジラの なかまだと いわれます[8]。
この クジラに うしろあしが ありました。長さは 35cmほど。30cmの じょうぎより、ちょっと 長い くらいです。しかも せぼねに つながって いなかったので、あるく 役には たちませんでした[8]。
35cmを 17mと くらべると、50ぶんの 1ほどです。大きな からだに、ちいさな あしの なごりが のこって いた ことに なります。
名前の さいごの「サウルス」は 「りゅう」の いみですが、ほにゅうるいです。さいしょは はちゅうるいと まちがえられた ためだと いわれます[8]。
約4100万〜3400万年前のバシロサウルス科(BasilosaurusやDorudon)は、完全に水中で暮らす初期のクジラ類です。バシロサウルスは17〜20mに達します[8]。名前の「サウルス」は竜の意味ですが、哺乳類で、はじめに爬虫類と誤認されたことによる名前です。
この巨大なクジラに、後ろあしが残っていました。長さは約35cmで、背骨につながっておらず、歩くための役には立たなかったといいます[8]。17mと比べると、35÷1700で約2.06%、20mなら35÷2000で約1.75%です。つまり全長の約1.75〜2.1%、およそ50分の1で、17〜20mは「達する」大きさの上限の値ですから、あくまで目安です。
1990年の『サイエンス』の論文は、エジプトの化石からこの後ろあしを報告し、繁殖のときの補助に使ったのではと提案しました。確定した説ではなく、提案のひとつです[8]。
小さいながら、骨格はしっかりしていました。耳と頭骨の間には空洞が発達し、骨格は現在のクジラにかなり近づいていました[9]。
足が小さくなったことは分かりました。では、水の暮らしへの変化は、足と、食べ物のどちらから始まったのでしょうか。
バシロサウルス科(Basilosaurus、Dorudon。約4100万〜3400万年前)は、完全な水生の初期クジラ類とされる。バシロサウルスは全長17〜20mに達する。1990年のScience論文はエジプトの化石から後ろあしを報告し、長さは約35cmで、背骨につながっておらず、歩く役に立たなかったとした。交尾の補助に使った可能性が提案されたが、確定した説ではない[8]。名前の「サウルス」は竜の意味だが、哺乳類であり、初期に爬虫類と誤認されたことによる。
数字を並べてみる。35÷1700は約0.0206、35÷2000は約0.0175で、後ろあしは全長の約1.75〜2.1%、およそ50分の1にあたる。ただし17〜20mは「達する」最大クラスの値であり、35cmの個体と同じ個体の値とは限らない。ここでは、資料の数字を並べた目安の比である。
後ろあしは小さいが、骨格はしっかりしていた。バシロサウルス類は、耳と頭骨の間に空洞が発達し、現在のクジラに近い骨格をもっていた[9]。歩く役を終えても、後ろあしが完全には消えていなかったことは、陸の祖先から海へ移る途中の段階を、体に残した例として読める。
では、陸の草食動物から水の動物へという変化は、体の形と食べ物のどちらから始まったのか。次の章では、この問いへの論文の見方を見る。
6. さきに かわったのは、水の くらし? 食べ物?
6. 水の暮らしと食べ物、先に変わったのはどちらか
6. 食べ物の変化と水への適応の順序 ── 論文の解釈と、現生クジラへの分かれ道
インドヒウスは 植物や 小さな いきものを 食べて いた かのうせいが あります。でも クジラの なかまは、のちに 肉を 食べる ように なります。Thewissenさんたちの ろんぶんは、この 食べ物の 大きな ちがいに 注目して います[1]。
水の くらしと 食べ物、どちらが さきに かわったのかは、その 文を 書いた 人たちの かんがえです。いまも ぎろんが つづく 問いです。
そのあと、3300万年から 2800万年ほど まえに、クジラは 2つの なかまに わかれました。歯のある ハクジラと、ヒゲで こしとって 食べる ヒゲクジラです[7]。
水の暮らしと食べ物のどちらが先に変わったのか。Thewissenらの論文は、偶蹄類からクジラ類に移るあいだに、食べ物の大きな変化があったことに注目しています。植物を食べるラオエラ科から、肉を食べるクジラ類へ、という変化です[1]。
「食べ物の変化が大きかった」という点は、論文の著者の解釈です。定説として決まっているわけではなく、水辺の暮らしとの順序には、これからの化石が答えを足していくでしょう。
その後、約3300万〜2800万年前に、現生のクジラ類はヒゲクジラとハクジラに分かれました。ハクジラは音を出して周りを探るエコーロケーションを、ヒゲクジラはこし取り食を発達させます。バシロサウルス科には、ハクジラがもつメロン器官がありませんでした[7]。それぞれの暮らしは、また別の物語です。
この変化は、水への適応と食べ物のどちらが主導したのか。Thewissenらの論文要旨は、偶蹄類からクジラ類への移行の間に、大きな食べ物の変化があったと述べる。植物食のラオエラ科から、肉食のクジラ類へ、という流れである[1]。要旨は水生の暮らしがクジラ類の誕生以前にあった可能性にも触れており、順序の読み方は著者の解釈である。
したがって「食べ物が先」を定説として書くことはできない。インドヒウスの水辺の暮らしは仮説(前の章)を含み、この解釈を支える化石もまだ限られる。
その後、約3300万〜2800万年前に、現生のクジラ類はヒゲクジラとハクジラに分かれた。ハクジラはエコーロケーションを、ヒゲクジラはこし取り食を発達させた。バシロサウルス科にはハクジラのメロン器官がなかったことも知られる[7]。
足首の骨・骨の厚み・小さな後ろあしは、どれも「陸から海へ」の途中を語る別々の証拠である。どの証拠も細部は原論文に書かれており、読むほどに新しい問いが出てくる。
7. 35センチと 17メートルを、ならべて みよう
7. 35cmの紙テープと17mの廊下で、後ろあしの小ささを体で感じる
7. 後ろあしの比を自分で計算し、身近な長さと比べる
おうちの 人と いっしょに、ひろい ところで やって みましょう。まず 紙テープや ひもを 35cmに 切ります。30cmの じょうぎより、すこし 長い はずです。
つぎに、ろうかや 校庭で 17mを あるいて みます。1ぽ 50cmくらいなら、34ぽです。人に よって ちがうので、まきじゃくが あれば はかって みましょう。
34ぽ あるいた あとで 35cmを 見ると、バシロサウルスの うしろあしが どれだけ ちいさかったかが わかります。じどうしゃが とおる 道では やらないで ください。
35cmの紙テープを切って、手に取ってみましょう。30cmの定規より少し長いくらいです。次に、廊下や校庭で17mを歩いてみます。1歩50cmなら34歩で、人によって差があります。巻き尺があれば測ってみましょう。車の通る道では行わないでください。
34歩を歩いてから、手元の35cmを見ると、全長の約50分の1という小ささが、体で分かります。
出かけられるときは、化石や骨の標本がある博物館で、足の骨と全体の大きさを見比べるのもよいでしょう。展示の説明の年代や大きさの数字が、この記事の数字とどう重なるかも楽しみです。
自分で計算するなら、35÷1700と35÷2000を電卓で出して、約1.75〜2.1%になることを確かめるとよい。17〜20mは最大クラスの値、35cmは後ろあしの長さの一例なので、きっちりした比ではなく目安である。
同じ比を自分の体に当てはめる方法もある。身長150cmの人の約50分の1は3cmで、消しゴムほどの長さになる。体の大きさに対して、後ろあしがどれほど小さかったかの感覚がつかめる。
家でできる確認としては、35cmのひもと17m分の歩数を比べるとよい。身近な長さで比べると、数字が実感に変わる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:論文の要旨、報道機関の紹介記事、百科事典、日本語の解説ページを使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- Thewissen ほか「Whales originated from aquatic artiodactyls in the Eocene epoch of India」Nature(2007年)の要旨(IAS リポジトリ)。https://repository.ias.ac.in/4642/ (インドヒウスの特徴と、食べ物の変化について。論文の要旨)
- National Geographic「Whales evolved from small aquatic hoofed ancestors」(2010年)。https://www.nationalgeographic.com/science/article/whales-evolved-from-small-aquatic-hoofed-ancestors (骨の厚さの役目と、浅い水を歩く暮らしの想像について。報道記事)
- ScienceDaily(ミシガン大学の発表、2001年)。https://www.sciencedaily.com/releases/2001/09/010920072245.htm (クジラ類の足首の骨の発見について。大学の発表の転載)
- Gingerich ほか「Origin of whales from early artiodactyls: hands and feet of Eocene Protocetidae from Pakistan」Science 293(5538): 2239–2242(2001年)の書誌。https://marineinfo.org/doc/publication/19748 (論文の題名と掲載誌の確認。書誌データベース)
- Wikipedia「Pakicetus」。https://en.wikipedia.org/wiki/Pakicetus (パキケトゥス類の体と暮らしについて。百科事典)
- Wikipedia「Ambulocetus」。https://en.wikipedia.org/wiki/Ambulocetus (アンブロケトゥスの体と泳ぎ方について。百科事典)
- Wikipedia「Evolution of cetaceans」。https://en.wikipedia.org/wiki/Evolution_of_cetaceans (プロトケトゥス科、カバとの共通祖先、現生クジラの分かれ方について。百科事典)
- Wikipedia「Basilosaurus」。https://en.wikipedia.org/wiki/Basilosaurus (バシロサウルスの大きさと後ろあしについて。百科事典)
- Weblio「クジラ類の進化史」。https://www.weblio.jp/content/%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%83%A9%E9%A1%9E%E3%81%AE%E9%80%B2%E5%8C%96%E5%8F%B2 (淡水の水辺からの広がりと、バシロサウルス類の骨格について。日本語の解説ページ)
- Nature Asia(日本語ハイライト)。https://www.natureasia.com/ja-jp/life-sci/research/9762 (カバの祖先の化石をめぐる研究について。日本語の紹介)
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