このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

どうぶつえんの パンダは、どうして ねむらずに 血を とらせて くれたの?

パンダは麻酔なしで採血を受けられた ── 動物園の動物が協力できるようになる理由

ハズバンダリートレーニング ── 麻酔なしの採血を可能にする、ほうび・段階化・自由参加の訓練

分野:生きもの

神戸の 王子どうぶつえんの ジャイアントパンダは、ねむる くすりを つかわずに、血を とらせて くれるように なりました。パンダは、いやがって にげたり しなかったのでしょうか。

ひみつは、「ほうび」と「ちいさな 一歩」と「いやなら はなれて いい」の 3つです。どうぶつが 手を 出して くれる わけが わかります。チンパンジーが 18かい目の れんしゅうで はじめて 血を とらせて くれた お話も あります。

神戸市立王子動物園のジャイアントパンダは、訓練を重ねて、麻酔を使わずに採血を受けられるようになりました[3]。大きな体の動物に、針を刺す。それなのに、なぜ協力してくれたのでしょうか。

答えは、ほうび、小さな段階、そして動物が参加を選べる仕組みにあります。動物園の訓練の考え方と、チンパンジーが18回目の練習で初めて採血できた記録が分かります。

神戸市立王子動物園のジャイアントパンダは、2011年に訓練を始め、無麻酔で採血も行えるようになったと同園は報告している[3]。体の大きな動物に針を刺す作業に、動物が協力する。力ずくで押さえるのではない方法が、成り立つのはなぜか。

ほうび、段階化、自由参加という3つの条件と、18回目の訓練で初めて採血できたチンパンジーの記録から、この訓練の組み立てと限界が分かる。

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1. パンダは、まいにち 何を して いたの?

1. 毎日17時、パンダはリンゴをもらいながら練習していた

1. 神戸市立王子動物園のパンダ ── 毎日5〜10分の訓練と3か月ごとの採血

神戸こうべの 王子どうぶつえんでは、まいにち 午後5時から、パンダの れんしゅうが ありました。5分から 10分くらいの、みじかい じかんでした[3]。

ごほうびは、パンダが いちばん すきな リンゴでした。リンゴを もらいながら、体を さわらせたり、うでを 出したり しました。そして、ねむる くすりを つかわずに、血を とる ことも できるように なりました[3]。

この れんしゅうを、ハズバンダリートレーニングと いいます。どうぶつの 健康けんこうを まもる ために、しんさつや 注射ちゅうしゃに ひつような うごきを、どうぶつが 協力きょうりょくして できるように する ものです[1]。

では、パンダは、いきなり うでを 出したのでしょうか。

神戸市立王子動物園のジャイアントパンダは、2011年からハズバンダリートレーニングを受けました。訓練は毎日17時から5〜10分、ごほうびは、普段の餌の中でいちばん好むリンゴです。やがて麻酔なしで採血できるようになったと報告されています[3]。

ハズバンダリートレーニングとは、動物の健康管理のために、検査や治療に必要な動作や姿勢を、動物が協力して行えるように教える訓練です。受診動作訓練とも呼ばれます[1]。

採血は3か月ごとと報告されています[3]。毎日訓練があるので、採血1回あたり、およそ90日分の毎日の訓練がある計算です(3か月を90日とした場合)。いきなり針を刺しているのではない、ということが数字から見えてきます。では、最初の練習は何から始めるのでしょうか。

神戸市立王子動物園のジャイアントパンダは、2011年にハズバンダリートレーニングを開始し、無麻酔での採血も行えるようになったと報告されている。訓練は毎日17時から5〜10分で、強化子(ほうび)には、普段の餌の中で最も好むリンゴが使われる[3]。

ハズバンダリートレーニング(husbandry は飼育管理の意)は、動物の健康管理のために、検査や治療に必要な動作・姿勢を動物が協力して取れるよう教える訓練で、受診動作訓練とも呼ばれる[1]。力ずくで保定するのではなく、動物の協力を前提にする点が特徴だ。

採血は3か月ごとだった[3]。訓練が毎日あるため、採血1回の間に、およそ90日分(3か月を90日としたときの概算)の訓練日が挟まる計算になる。採血の日だけが特別なのではなく、日々の短い練習の積み重ねが先にある、と読める。では、その練習は、どう組み立てるのか。

2. はりを 見せる ところから、はじめるの?

2. 針を刺す前に、針を見せて、触らせる

2. 段階化 ── 針なしの注射器から先の丸い針、本物の針へ

どうぶつは、はじめて 見る ものが こわい ことが あります。だから、ちいさな 一歩ずつ すすめます。

バージニアという アメリカの どうぶつえんでは、まず はりの ない ちゅうしゃきを 見せて、さわらせます。つぎに、さきの まるい はり、さいごに ほんものの はりへ すすみます[6]。

ライオンでも おなじです。よこに なって、さくの あみに 体を よせる ことから。つぎは、しっぽに さわる。どうぐを さきに 見せる。しおみずを つかった ちゅうしゃの れんしゅうも します[5]。

ひとつ できたら ごほうびを あげて、つぎの 一歩へ すすみます[2]。

では、ごほうびは、なんでも いいのでしょうか。

動物が最初から、こちらの望む動きをしてくれることは、まずありません。だから、できる動きを少しずつ増やしていきます。うまくできたときに餌などのごほうびを与えて、その動きを強めていく方法です[2]。

アメリカのバージニア動物園では、採血の訓練を、針のない注射器を見せて触れさせるところから始めます。次に先の丸い針、最後に本物の針へと進みます[6]。

スミソニアン国立動物園のライオンの訓練も、同じ考え方です。横になって柵のメッシュに体を寄せる姿勢、しっぽに触れられること、道具を先に見せること、生理食塩水での注射の練習と、段階を踏みます[5]。針を刺すという大きな課題を、小さな動きに分けてあるのです。

では、段階を進めるごほうびは、何でもよいのでしょうか。

この訓練の骨格は、望ましい行動ができたときに餌などのご褒美を与えて、その行動を強める正の強化にある。動物が最初から求める行動をとることはまずないため、できることを少しずつ増やす(シェイピング)[2]。

バージニア動物園の採血訓練は、針なしの注射器を見せて触れさせる段階から始まり、先の丸い針、本物の針へと進む[6]。スミソニアン国立動物園のライオンでは、横になって柵のメッシュに体を寄せる姿勢、しっぽへの接触、道具を先に見せること、生理食塩水での注射練習と、課題が刻まれている[5]。

段階を細かくすると、動物が練習する動きを一つずつ増やせる。針に触れさせるのが怖いなら、その手前で止まり、できる段階に戻ることもできる。ただし、段階の刻み方や所要時間は動物と施設によって違い、上の2園の記述を全体に一般化することはできない。では、各段階でのほうびには何を使うのか。

3. ごほうびは、どうぶつごとに ちがうの?

3. 好きなものは、動物ごとに違う

3. 強化子の選び方 ── リンゴ、肉団子、なでること

パンダの ごほうびは、リンゴでした。ライオンは、にくだんごです[5]。アメリカの どうぶつえんでは、ホッキョクグマや サイ、カワウソにも、おやつを つかって います[4]。

バージニアどうぶつえんでは、すきな たべものの ほかに、なでたり、かいたり する ことも あります。どうぶつしだいです[6]。

この どうぶつは なにが うれしいのかを 見つけるのも、飼育しいく員の しごとの ひとつだと、その どうぶつえんは せつめいして います[6]。

でも、ごほうびが あれば、どうぶつは いつでも やって くれるのでしょうか。

ごほうびは、動物によって違います。王子動物園のパンダはリンゴ、スミソニアン国立動物園のライオンは肉団子です[3][5]。リンカーンパーク動物園は、おやつを使い、ホッキョクグマが足を出してX線検査を受ける、サイが立ったまま採血を受ける、カワウソが自分から注射を受ける、といった例を紹介しています[4]。

バージニア動物園は、好物のほかに、なでる、かいてあげるといったことも、ごほうびになると述べています。動物しだいで、動機づけになるものを見つけ出すのが飼育員の仕事の一部だとされています[6]。

この「ごほうびで行動を変える」考え方の土台には、心理学者スキナーのオペラント条件づけがあります。スキナーの研究室出身のブレランド夫妻は、1940年代に動物行動の会社を始め、1950年代にはイルカやクジラのショーの訓練へ広げました。体罰に頼る訓練が見られた時代に、より効果的で人道的な訓練法を広めた人たちとされています[8]。

ただ、ごほうびが同じなら動物がいつも応じるかというと、そうとは限りません。

強化子は動物ごとに違う。王子動物園のパンダは、普段の餌の中で最も好むリンゴ[3]、スミソニアンのライオンは肉団子[5]。リンカーンパーク動物園は、おやつを使ってホッキョクグマにX線検査のための足を出させ、サイが立ったまま採血を受け、カワウソが自分から注射を受けるといった例を挙げている[4]。

バージニア動物園は、好物のほか、なでる、かくといった接触もほうびになるとし、何が動機づけになるかを見つけるのは飼育員の役目の一部だと述べる[6]。

理論的な土台は、スキナーのオペラント条件づけ(行動のあとに与えられる結果が、その行動の出現を増減させる)である。スキナーの研究室出身のブレランド夫妻が、1940年代に動物行動の会社を興し、1950年代にイルカ・クジラのショー訓練へ応用を広げ、体罰に頼る訓練が見られた時代に、より効果的で人道的な訓練法を推進したとされる。ただし年は出典により幅があり、夫妻を最初のほうび訓練者とは言い切れない[8]。

では、ほうびがあれば、動物はいつも応じるのか。

4. どうぶつが「いや」と いったら どうするの?

4. 嫌なら離れていい、が訓練の前提になっている

4. 自由参加(ボランタリー)── 閉鎖しない場所、断られたら休む

さっぽろの 円山どうぶつえんでは、オランウータンが 自分で 「やる」か 「やらない」かを 決められるように しています。れんしゅうを する 場所は、ふつう とじません。はなれたく なったら、いつでも はなれて いいのです[1]。

オランウータンが きょうみを もてるのは、ながくても 10分くらいだそうです[1]。

アメリカの リンカーンパークどうぶつえんも、どうぶつは まいにち、さんかするか しないかを 自分で えらぶと せつめいして います[4]。バージニアどうぶつえんでは、ことわられたら、いったん やすんで、べつの ときに もう一度 します[6]。

その まえに、まいにちの おせわで、飼育しいく員や じゅういの 人と どうぶつが なかよく なって、やる気を たしかめて から はじめる、と 仙台せんだいの どうぶつえんは 書いて います[2]。

では、れんしゅうを かさねると、どれくらいで 血を とれるように なるのでしょう。

札幌市円山動物園は、オランウータンの訓練で、動物が参加するかどうかを自分で決められること(ボランタリー)を大事にしています。実施場所は基本的に閉鎖せず、離れたいときは自由に離れられるようにしています。オランウータンが興味を持てるのは、長くてもせいぜい10分ほどです[1]。10分は円山動物園のオランウータンの例で、すべての動物に共通するわけではありません。

アメリカのリンカーンパーク動物園は、すべての動物が毎日、訓練に参加するかどうかを選び、自分の行動でセッションを動かしていると説明しています[4]。バージニア動物園も、訓練は常に動物の自由参加で、断られたら休んで別のときにする、としています[6]。

その前提として、仙台市八木山動物公園は、日常のお世話を通じて、飼育員・獣医師と動物が信頼関係を築き、動物のやる気の状態を慎重に確かめながら進めると述べています[2]。

動物が自分から近づくこともあります。では、練習を重ねると、実際に何分くらいで採血に届くのでしょうか。

札幌市円山動物園は、動物が訓練に参加するか否かを自ら決められること(ボランタリー)を重視し、実施場所を基本的に閉鎖せず、離れたいときは自由に離れられるよう配慮している。オランウータンが興味を持てる時間は長くてもせいぜい10分ほどだ[1]。この10分は同園のオランウータンの例で、種や個体によって違うと考えるのが妥当だ。

リンカーンパーク動物園は、すべての動物が毎日、訓練に参加するかを選び、自分の行動でセッションを動かすとする[4]。バージニア動物園も、訓練は常に自由参加で、断られたら休み、別の機会に仕切り直すとしている[6]。

これを支えるのが、日常のお世話を通じた飼育員・獣医師と動物の信頼関係であり、仙台市八木山動物公園は、動物のやる気の状態を慎重に確認しながら進めると述べる[2]。動物に選ばせる設計は、「やらない」と言われた日を失敗とせず、休みにすることとセットになっている。では、練習量の実際はどうなのか。

5. 血を とるまでに、何分 れんしゅうしたの?

5. 3歳のチンパンジーは、18回目の練習で初めて採血に成功した

5. チンパンジーの訓練記録 ── 18回目の訓練で初めて採血、それまでに275分

1996ねんの ほうこくに、ひとつの れいが あります。とうにょうびょうの 3さいの メスの チンパンジーです[7]。

おしっこを とる ことが できたのは、4かい目の れんしゅうでした。ここまでで あわせて 42分です。はじめて 血を とれたのは、18かい目の れんしゅうで、それまでに あわせて 275分でした[7]。

275分は、4じかん 35分です。これは チンパンジー 1とうの れいで、どうぶつや やりかたで かわります。

ちいさな 一歩を かさねて、血を とる ところまで とどいた れいです。

それでも、うまく いかない 日も あります。

1996年の報告に、ある1頭のチンパンジーの例があります。糖尿病の3歳のメスで、尿と血液を、動物の協力で採取するための訓練が記録されています[7]。

尿の採取ができたのは4回目の訓練(累計42分)、初めて採血できたのは18回目の訓練で、それまでに275分を費やしました[7]。275分は4時間35分です。

病気の動物が、こうした訓練で、麻酔をかけずに検査に協力できるようになった例です。ただし、これは要旨に書かれた1頭の例で、種や個体、訓練のやり方によって回数は変わります。

練習を重ねて採血に届いた例がありました。それでも、この方法が万能というわけではありません。

Laule ら(1996, Zoo Biology 15)は、糖尿病の3歳のメスのチンパンジーから、尿と血液を協力して採取するための訓練技法を報告している。要旨によれば、尿の採取は4回目の訓練(累計42分)、初めて採血できたのは18回目の訓練で、それまでに275分を費やした[7]。

275分は4時間35分にあたる。尿の採取は4回目で届いたのに対し、採血には18回を要しており、針を使う採血のほうが段階を多く踏んだと考えられる。ただし各回の長さや内容は要旨からは分からない。数字は要旨サイトの記載に基づき、原論文の本文は照合していない。1頭の例なので、他の動物やチンパンジー全般に当てはめることはできない。

この例が示すのは、段階を刻んだ訓練を重ねて、麻酔を使わない採血に届き得るということだ。一方で、この方法が常に使えるとは限らない。

6. ごほうびが きかない 日は どうするの?

6. パンダが食欲をなくす日は、ほうびを考え直す

6. 限界と意義 ── 食欲が落ちる時期と、麻酔の負担を避ける利点

パンダは、はつじょうの ころなどに、しょくよくが おちる ことが あります。そう なると、リンゴに きょうみを しめさず、いつもの れんしゅうが できない ことが あります[3]。

そこで、たべもの いがいの ごほうびを かんがえる ことが、かだいに なって います[3]。

それでも れんしゅうを つづけるのは、ねむる くすりを つかわなくて すむからです。くすりを つかうと、どうぶつの 体に ふたんが かかります。れんしゅうが あれば、1ねんに なんども けんさや 血を とる ことが できます。びょうきを ふせいだり、はやく 見つけたり するのに やくだちます[3]。

ライオンの れんしゅうの せつめいでは、くんれんが ないと けんこうチェックの たびに ますいが ひつようだと 書かれて います[5]。

動物園の 人たちは、れんしゅうが どうぶつの ストレスを へらす ことにも やくだつと 考えて います[3]。

王子動物園は、パンダが発情や偽妊娠で食欲が落ちると、リンゴに興味を示さず、普段できる訓練ができなくなることがある、と報告しています。そのため、餌以外のごほうびを考えることが課題とされています[3]。ごほうびの力は、動物の気分や体の状態に左右されるのです。

それでも訓練が続けられる理由は、全身麻酔の負担をかけずに、必要に応じて1年間に何度も検査や採血ができるからです。病気の予防や早期発見に役立ちます[3]。スミソニアン国立動物園も、ライオンは訓練がなければ健康チェックのたびに麻酔が必要になると説明しています[5]。王子動物園は、訓練が動物のストレス解消(エンリッチメント)にも役立つと考えています[3]。これは動物園側の見方です。

研究の世界でも、飼育動物のための訓練が動物福祉を高める可能性は高いと考えられています。ただし、紹介されているのは主に研究施設などでの報告で、動物園での効果を直接示す証拠とは言えません[9]。

では、こうした訓練は、動物園のどんな場面で見られるのでしょうか。

王子動物園は、パンダが発情や偽妊娠で食欲が低下すると、強化子のリンゴに興味を示さなくなり、通常可能な訓練ができない場合があると報告する。餌以外のほうびの検討が課題とされる[3]。ほうびに頼る方法には、動物の状態に左右されるという限界がある。

それでも訓練を続ける意義について、同園は、個体に全身麻酔の負担をかけず、必要に応じて1年間に何度も検査や採血ができる点を挙げ、病気の予防や早期発見に役立つとしている[3]。スミソニアン国立動物園も、ライオンは訓練がなければ健康チェックのたびに麻酔が必要になると説明する[5]。ストレス解消(エンリッチメント)に役立つとの見方は、同園の考えとして示されている[3]。

学術面では、Meierら(2023, Animal Welfare)の序論が、飼育動物へのハズバンダリートレーニングは福祉改善の可能性が高いとし、サル類の採血訓練などの報告を引く。ただしこの研究自体は、ヤギの訓練者の研修を扱うもので、動物園での効果の直接の証拠ではない[9]。

制度として保証された結果ではなく、個々の園が試行錯誤している取り組みと読むのが近い。では、実際にそれを見る機会はあるのか。

7. どうぶつえんで、れんしゅうを さがして みよう

7. 動物園で、合図とごほうびの場面を探す

7. 出口 ── 動物園で観察する/原典に当たる

どうぶつえんに いったら、飼育しいく員さんと どうぶつの やりとりを 見て みましょう。れんしゅうの じかんが あるかは、どうぶつえんの ホームページで たしかめられます。

見る ところは 3つです。どうぶつが 自分から ちかづいて いるか。いやそうに なったら はなれて いるか。飼育しいく員さんが なにかを わたす ところは あるか。

れんしゅうに あえなくても だいじょうぶです。どうぶつが どこで ごはんを もらって いるか、いつも 見て みましょう。

動物園の公式サイトには、飼育員による解説やお知らせが載っていることがあります。訓練の時間や場所は園ごとに違うので、行く前に確認してみてください。

見るポイントは3つです。動物が自分から近づいているか。嫌になったとき、離れる自由が残されているか。飼育員が動物に何かを渡す場面があるか。あれば、その直前に動物が何をしたかを見ます。

訓練の時間に出会えなくても、餌の時間の動物の動きは観察できます。「この動きは、飼育員が教えたものかもしれない」という目で見ると、同じ展示が違って見えるはずです。

動物園の公式サイトの飼育員解説や、飼育員トークの案内を確認し、訓練や給餌の時間に出会えたら観察するとよい。見る点は3つ。動物が自発的に近づいているか。離れたいときに離れられる配置か。ほうびを渡す直前に、動物がどんな行動をとったか。

原典に当たるなら、神戸市立王子動物園のパンダ訓練の報告[3]、札幌市円山動物園のアニマルウェルフェアの解説[1]、仙台市八木山動物公園の園長ブログ[2]が日本語で読める。英語の資料に挑むなら、リンカーンパーク動物園[4]とスミソニアン国立動物園[5]のページが、動物ごとの具体例を載せている。

自分で調べるなら、「どの動物に、どんなほうびを使っているか」を集めて比べると、種類ごとの違いが見えてくる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:日本の動物園3園の解説、アメリカの動物園3園の解説、チンパンジーの訓練を紹介する論文の要旨サイト、訓練の歴史を紹介する事典、論文の序論を使いました。

  1. 札幌市円山動物園「オランウータンとアニマルウェルフェア」。 https://www.city.sapporo.jp/zoo/04event/r3/orang_4animalwelfare.html (訓練の定義と、自由に離れられる配慮について)
  2. 仙台市八木山動物公園 園長ブログ。 https://www.city.sendai.jp/zoo/sns/blog/r05_0427_enchou-blog6-ben-training.html (ほうびで行動を強める考え方と、信頼関係について)
  3. 神戸市立王子動物園「ジャイアントパンダのハズバンダリートレーニングについて」。 https://www.kobe-ojizoo.jp/animal/panda/img/27.pdf (パンダの訓練の時間・ほうび・採血、食欲が落ちる時期の課題、麻酔を避ける利点について)
  4. Lincoln Park Zoo, Positive Reinforcement Training. https://www.lpzoo.org/animals-gardens/animal-welfare-care/positive-reinforcement-training/ (動物が毎日参加を選ぶことと、足を出すX線検査などの例について)
  5. Smithsonian's National Zoo, Lion Q&A: How do you draw blood from an African lion? https://nationalzoo.si.edu/animals/news/lion-qa-how-do-you-draw-blood-african-lion (ライオンの採血訓練の段階と、麻酔が必要になる場合について)
  6. Virginia Zoo, Training Makes Vet Visits Easier. https://virginiazoo.org/training-makes-vet-visits-easier/ (針を見せるところから始める段階と、自由参加について)
  7. Laule et al. 1996, Zoo Biology 15:587-591(Refinement Database の要旨)。 https://refinementdatabase.org/publications/training-to-reliably-obtain-blood-and-urine-samples-from-a-diabetic-chimpanzee-pan-troglodytes (チンパンジーの訓練回数と時間について)
  8. Encyclopedia of Arkansas, Keller Bramwell Breland. https://encyclopediaofarkansas.net/entries/keller-bramwell-breland-2530/ (オペラント条件づけを動物の訓練に使った歴史について)
  9. Meier et al. 2023, Animal Welfare (Cambridge University Press). https://www.cambridge.org/core/product/40414FB4E41569C67223213042AB12C6/core-reader (訓練が動物福祉を高める可能性についての序論)

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