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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

牛は 世界の どこに いて、日本では どこに 多いの?

牛は世界のどこで暮らし、日本ではどこに多いのか ── 暑さに弱い牛と強い牛の話

牛はどこで暮らしているのか ── 世界の頭数と、暑さに強い牛・弱い牛

分野:生きもの

日本で 牛乳ぎゅうにゅうを 出す 牛は、ぜんぶで 129万頭 くらい。そのうち 81万頭 くらいは、北海道に います。計算すると 6わりを こえます。しかも 農家 1けん あたりの 牛は、北海道が 164頭 くらい、ほかは 75頭 くらいで、2ばい いじょう 北海道が 多いのです[1]。

ところが 牛は、19℃ぐらいから 暑さを かんじ はじめる 動物と いわれます[2]。すずしい ところが すきな 牛と、暑さに 強い 牛が いるのでしょうか。牛は 世界の どこで どう くらして いるのか、日本の 牛は どこに 多いのかが わかります。

日本で牛乳を出す乳用牛は約129万頭で、そのうち約81万頭が北海道にいます。割り算をすると、全国の6割を超えます。1戸あたりでは北海道が約164頭、ほかの地域が約75頭で、2倍あまりの差があります[1]。

いっぽう牛は、気温が19℃ほどになると暑さを感じ始めるとされ、とくに白黒のホルスタイン種は暑さに弱いと説明されています[2]。牛は世界のどこで暮らしているのか、暑い土地と涼しい土地で牛はどう違うのか、日本の牛はなぜ数字の上で北海道に偏って見えるのかが分かります。

日本の乳用牛は約129万頭で、うち約81万頭が北海道にいる。頭数で割ると約63%、戸数では約44%にとどまる。1戸あたりは北海道約164頭、ほかの地域約75頭で、2倍あまりになる(計算、令和7年2月1日の数字)[1]。ところが牛は19℃ごろから暑さを感じ始め、ホルスタイン種は冷涼なヨーロッパ原産で暑さに弱いと自治体の資料は説明する[2]。

世界の牛はどこにどれだけいて、野生の祖先からどう広がり、暑さ寒さにどう向き合ってきたのか。FAOの統計、古代ゲノムの研究、日本の畜産統計の数字を割り算で確かめながら、そのつながりと、資料が言えることの範囲が分かる。

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1. 牛が いちばん 多い 国は、どこかな?

1. 世界で牛がいちばん多い国は、どこか

1. 世界の牛は約15.8億頭 ── 1位ブラジル、2位インド、3位米国

世界地図を ひろげて、牛が いちばん 多い 国を さがして みましょう。2024年の 数で、1ばんは ブラジル。2おく3800万頭 くらいです。2ばんは インド、3ばんは アメリカです[3]。

ブラジルの 牛は、アメリカの 3ばいに ちかい 数です。インドは 1おく9500万頭 くらい、アメリカは 8700万頭 くらい。4ばんは エチオピア、5ばんは 中国です[3]。

世界ぜんぶの 牛は、15おく8000万頭 くらい。上の 5つの 国を たすと、その 4わり ほどに なります(計算)。

牛は、はじめから 世界じゅうに いたのでしょうか。

FAO(国連食糧農業機関)の統計をまとめた資料によると、2024年の世界の牛の飼育数は合計で約15億8000万頭です。1位はブラジルの約2億3800万頭、2位はインドの約1億9500万頭、3位は米国の約8700万頭でした[3]。農畜産業振興機構(ALIC)の資料でも、1位から3位までは同じ並びです[4]。

1位のブラジルは3位の米国の約2.7倍にあたります。4位はエチオピアで約7200万頭、5位は中国で約7000万頭です[3]。この5か国の頭数を足して世界の合計で割ると、約42%になります(計算)。

これだけ広い範囲に牛がいるのは、はじめから世界中にいたからでしょうか。それとも、人が連れて行った結果でしょうか。答えは、牛の祖先をたどると見えてきます。

世界の牛はどこに多いのか。FAOの統計をまとめた資料では、2024年の世界の飼育数は1,578,614千頭、つまり約15.8億頭である。1位はブラジルの238,181千頭、2位はインドの194,753千頭、3位は米国の87,157千頭、4位はエチオピアの71,917千頭、5位は中国の70,326千頭だった[3]。元の表が千頭単位なので、「約2億3800万頭」のように読み替える必要がある。農畜産業振興機構(ALIC)の資料も、1〜3位と中国の5位が同じで、順位は二つの資料で食い違わない[4]。

ここで数字を自分で動かしてみる。1位と3位は、238,181÷87,157≒2.7倍である。上位5か国の合計は、エチオピアの71,917千頭を含めて662,334千頭で、世界の合計の約42%にあたる(計算)。つまり、世界の牛の約4割が5つの国に集まっている。

では、この牛たちはもともと世界中にいたのか。それとも、どこかで飼われ始めた牛が、人とともに広がったのか。次の章で、牛の祖先を調べる。

2. 牛の ごせんぞは、どんな 牛だったの?

2. 世界中の牛のご先祖は、どんな牛だったのか

2. 野生のオーロックスから家畜の牛へ ── 少数の個体の捕獲と、各地での交配

牛の ごせんぞは、オーロックスと いう 大きな 野生の 牛です。ユーラシアと 北アフリカなどに いました[5]。ところが 400年くらい まえに、絶滅ぜつめつして しまいました[5]。

いまの 牛の はじまりは、1万年より まえに、人が 野生の 牛を つかまえて かい はじめた ことと いわれます[6]。

つかまえた 数は、ごく 少なかったようです。ふるい オーロックス 38頭を くわしく しらべた けんきゅうで、いまの 牛の 多くは、南西アジアの オーロックスの ごく 少ない 数に つながると わかりました[6]。

牛が 広がった あとも、その 土地の 野生の おすと まじった と いわれます[6]。さて、牛が 行った 土地には、暑い ところも 寒い ところも あります。牛は 暑さを どう かんじるのでしょう。

家畜の牛の祖先は、オーロックスという大型の野生の牛です。ヨーロッパでは最大65万年前の化石が見つかっていて、アジアやアフリカにも広くいましたが、約400年前に絶滅しました[5]。つまり、今の牛は、野生の祖先がいなくなったあとも、人が飼い続けてきた牛の子孫ということになります。

2024年にNature誌に載った研究では、38体の古代のオーロックスのゲノムを調べ、ヨーロッパ、南西アジア、北アジア、南アジアの系統を見つけました。結果として、今の牛の多くは、南西アジアのオーロックスの「ごく少数の個体」を捕まえたことに由来すると報告されています[6]。一頭の牛からではなく、少数の個体からというところが大切です。

家畜化が起きたのは1万年以上前で、肥沃な三日月地帯の北側といわれます[6]。大学の研究紹介によると、牛が各地へ広がったあとは、各地の野生の雄との交配も起きていました[6]。

こうして牛は、暑い土地にも寒い土地にも連れて行かれました。では、牛にとって、暑さはどのくらいこたえるのでしょうか。

家畜の牛の野生の祖先は、オーロックスである。ヨーロッパでは最大65万年前の化石が見つかる大型の野生の牛で、アジアやアフリカにも広くいたが、約400年前に絶滅した[5]。したがって、今の牛を野生で見ることはできず、祖先は研究でしかたどれない。

手がかりは遺伝情報である。2024年にNature誌に載った研究は、38体の古代のオーロックスのゲノムを解析し、ヨーロッパ、南西アジア、北アジア、南アジアの系統を見つけた。その結果、家畜化は南西アジアのオーロックス集団から「少数の個体を捕獲する」形で起き、その後、早い時期から広い範囲で、雄を介した野生個体との交配(混ざり合い)が起きていたとされる[6]。「一頭から」ではなく、「少数の個体から」である点に注意したい。

家畜化の時期と場所は、同じ発表で、1万年以上前、肥沃な三日月地帯の北側と紹介されている。大学の発表の記述である[6]。

少数の個体から広がった牛が、気候のまったく違う土地へ運ばれた。だとすれば、牛の体は、暑さ寒さにどう対応しているのか。次は、暑さにとくに弱いとされるホルスタイン種に注目する。

3. 白黒の 牛は、何℃から 暑いの?

3. 白黒のホルスタインが暑さに弱いといわれる理由

3. ホルスタイン種と暑熱 ── 19℃と、胃の発酵熱

白黒もようの 牛を、見た ことは ありますか。ホルスタインと いう しゅるいで、牛乳ぎゅうにゅうを たくさん 出す 牛です[7]。

広島県の 資料しりょうでは、牛は 19℃ぐらいから 暑さを かんじ はじめると 書かれて います。ホルスタインは すずしい ヨーロッパの 生まれで、暑さに よわいそうです[2]。暑く なると、出る 牛乳ぎゅうにゅうの 量りょうが へったり、赤ちゃんが できにくく なったり します[2]。

どうして でしょう。たくさんの 牛乳ぎゅうにゅうを 作る ために、牛は たくさん 食べます。おなかで 草が はっこうする ときに ねつが 出ます。でも 体から ねつを にがす はたらきが おいつかない、と 説明せつめいされて います[7]。

たとえば、走った あとなのに、ふくを ぬげない ような ものです。ただし 牛が ぬぐ ふくは ないので、ほんとうは 体の しくみの はなしです。

では、暑い 土地に いる 牛は、みんな 苦手なのでしょうか。

白黒の牛といえば、ホルスタイン種です。広島県の資料は、牛が暑さを感じ始める気温を約19℃とし、ホルスタイン種は冷涼なヨーロッパ原産のため暑さに弱いと説明しています。暑くなると乳量や乳成分が減り、繁殖にも影響が出るといいます[2]。

なぜ熱がこもるのか。岡山県の畜産の資料によれば、ホルスタイン種は大量の乳を作るために多くを食べ、胃の中で草を発酵させる過程で多くの熱が出ます。ところが体温の調節が追いつかず、放熱が十分にできないといいます[7]。同じ資料は、牛が正常に過ごせる気温を2〜25℃、快適な気温を約20℃、最も生産性が高い気温を5〜10℃としています[7]。

なお、適温の幅は資料によって少しずつ違います。19℃の資料と20℃の資料があるように、一つの数字を固定の境目と考えず、「このあたりから暑さの影響が出始める」という目安として読むのがよいでしょう。

牛といっても、暑さへの強さはみな同じなのでしょうか。

牛の暑さへの弱さは、種類によって違う。広島県の資料は、牛が暑さを感じ始める気温を約19℃とし、ホルスタイン種は冷涼なヨーロッパ原産のため暑さに弱いと説明する。暑熱下では乳量や乳成分が減り、繁殖成績も落ちる[2]。

その理由は、体の中の熱収支にある。岡山県の畜産の資料では、ホルスタイン種は大量の乳を作るために多くを食べ、胃での発酵によって多くの熱が出るのに、体温調節が追いつかず放熱が不十分になる、と整理されている。ここでは、正常に過ごせる気温が2〜25℃、快適が約20℃、最も生産性が高いのが5〜10℃とされる[7]。熱を生む量が多い牛ほど、暑さの影響を受けやすい、という筋道である。

ただし数字の読み方には注意が要る。19℃(暑さを感じ始める)と約20℃(快適)は、一見すると食い違う。出典ごとに測り方や基準が違うので、適温の幅は一つの値に固定できない。個々の数字よりも、「冷涼な地域で育った大乳量の牛は、暑いと乳量や繁殖に影響が出やすい」という傾向を読み取るのがよい。

では、同じ牛でも、暑さに強い種類はあるのか。ホルスタイン種と比べられるのが、ゼブーである。

4. 暑さに 強い 牛も いるの?

4. ゼブーは、暑さの中でどう体を守るのか

4. ゼブーの体温調節 ── 低い代謝率、高い放熱能力、被毛の性質

います。ゼブー(コブうし)と いう 牛は、ヨーロッパ生まれの 牛より、体の 温度を ととのえる ちからが 強いと いわれます[8]。

理由は 3つ、研究で 調べられて います。1つめは、体で 作る ねつが 少なめな こと。2つめは、ねつを にがす ちからが 強い こと。3つめは、毛の せいしつで、ねつを にがし、日光の ねつを うけとりにくい こと[8]。

お母さん 牛の おなかの 中の とても 小さな 赤ちゃん(はい)も、高い 温度の えいきょうを うけにくい ようです[8]。

牛と ひとくちに いっても、暑さへの 強さは ちがうのです。では、牛は ふだん、どこで ごはんを 食べて すごして いるのでしょう。

ゼブーは「コブ牛」とも呼ばれる牛で、ヨーロッパ系の牛より体温調節の能力が高いことが研究で示されています。FAOの文献データベースにある論文の要旨には、ゼブーは代謝率が低く、放熱の能力が高いこと、被毛の性質によって熱を逃がしやすく日射の吸収も減ることが挙げられています[8]。

さらに、ゼブーでは初期の胚も高温の影響を受けにくいと書かれています[8]。暑さに強いというのは、体の表面の工夫だけでなく、熱を作る量や、細胞のレベルの特徴も合わさった結果のようです。

ちなみに、背中のコブが熱を逃がすかどうかは、この要旨には書かれていません。見た目の特徴と暑さへの強さを、すぐに結びつけないほうがよいでしょう。

ここまでで、牛の暑さへの強さは種類ごとに違うことが分かりました。では、牛は1日をどこで過ごし、何を食べているのでしょうか。

ゼブー(コブ牛)は、ヨーロッパ系の牛より体温調節能力が高い。FAOの文献データベースに載る論文の要旨は、その背景として、低い代謝率と高い放熱能力、被毛の性質による熱の放散の強化と日射吸収の減少を挙げ、さらに初期の胚が高温の影響を受けにくいことも述べている[8]。

第3章のホルスタイン種と対にして読むと、筋が通る。ホルスタイン種は、熱を多く生み、それを逃がす力が追いつかない。ゼブーは、熱を生む量が少なく、逃がす力が強い。つまり暑さへの強弱は、気温を我慢できるかどうかではなく、熱の「作る量」と「逃がす量」の収支で説明されている。

注意したいのは、要旨に書かれていない部分を読み込まないことである。背中のコブが熱を逃がす、という説明は要旨にない。見た目の特徴を、機能の説明と取り違えない。

牛の暑さへの強弱は、どの土地でどの牛を飼うかを考えるための手がかりになる。では、牛は1日の大半をどこで、何をして過ごしているのか。

5. 牛は 1日を どこで すごして いるの?

5. 草の上か牛舎か ── 牛が1日を過ごす場所

5. 放牧と牛舎 ── 草を食べる動物の暮らし方と、牧草地の広さ

朝 5時ごろ、牛を かう 農家の ぎゅうしゃでは、しごとが はじまります。牛に えさを あげ、牛乳ぎゅうにゅうを しぼります。牛の えさに する 草や トウモロコシを、そだてる 農家も います[9]。

牛の 胃いは 4つ あります。食べた 草を 口に もどして、もう 1回 かみます。胃いの 中の 小さな 生きものが 草を わけて、牛の ちからに なります[9]。

世界には、牛を 草の 上で そだてる ところも 多くあります。むかしの 見つもりでは、世界の 草の 土地の 6わり ほどが、そう いう 使われ方で、3おく6000万頭 くらいの 牛を やしなって いました[10]。かわいた 土地に 住む 1おく人くらいにとっては、牛を 草の 上で そだてる ことが、くらしを ささえる ただ 1つの 方法ほうほうだった、とも 書かれて います[10]。

では、日本の 牛は、どこで どんな ふうに くらして いるのでしょう。

牛の暮らし方は、大きく二つに分けて考えられます。牛舎で飼う場合は、酪農家が朝5時ごろからエサやりと乳しぼりをします。牧草やトウモロコシを自分で育てる人もいます[9]。牛は、食べた草を口に戻してかみ直し、4つの胃の中の微生物が草を分解して栄養にします[9]。

もう一方は、草のある土地で牛を放して育てる放牧です。FAOの古い資料(1990年代後半の記述とみられます)では、放牧を中心とする方式は、世界の牧草地の約6割にあたる約220万km²を使い、約3億6000万頭の牛を養っているとされていました[10]。数字は古いので、今の割合ではなく、かつての見積もりとして読んでください。

同じ資料は、乾燥した地域に住む約1億人にとって、放牧が唯一の生計の手段だとも見積もっています[10]。そうした土地では、牛を草の上で育てることが人の暮らしそのものを支えている、という見方です。

日本の牛は、どちらの形で暮らしているのでしょうか。そして、どこに多いのでしょうか。

牛の暮らし方は、牛舎中心か、放牧中心かに分けられる。牛舎では、酪農家が朝5時ごろから牛舎でエサやりと乳しぼりをし、牧草やトウモロコシも育てる。牛は4つの胃を持ち、食べた草を口に戻してかみ直し、胃の中の微生物が草を分解して栄養にする[9]。草を食べる動物なので、牛の暮らしは「草をどこで確保するか」と結びつく。

一方の放牧について、FAOの旧い資料(1990年代後半の記述とみられる)は、放牧を主体とする方式が世界の牧草地の約6割、約220万km²を使い、約3億6000万頭の牛を養っていたと見積もる。乾燥地の約1億人にとって、放牧は唯一の生計手段とも書かれている[10]。

この数字を、今の頭数(約15.8億頭、第1章)と並べて割合を出すことはしない。年代が違うからである。読み取れるのは、牛が草地と人の暮らしを結ぶ家畜であり、乾燥した土地では牛を放して育てることが、暮らしそのものだったという構図である。

では日本ではどうか。日本の牛は、どの地域に多く、牛舎と牧場のどちらで飼われているのか。統計で確かめる。

6. 日本の 牛は、どこに 多いの?

6. 日本の乳牛の6割以上は、北海道にいる

6. 北海道の乳用牛 ── 戸数では約44%、頭数では約63%

れいわ7年(2025年)2月1日の 統計とうけいでは、日本の 牛乳ぎゅうにゅうを 出す 牛は 129万頭 くらい。うち 北海道は 81万頭 くらいです[1]。

牛を かう 農家の 数は、ぜんぶで 1万1300けん。北海道は 4970けん で、4わり ほどです。それなのに、牛の 数では 6わり を こえて います。

農家 1けん あたりで 計算すると、北海道は 164頭 くらい。ほかの 県は 75頭 くらいです。北海道の 農家は、2ばい 以上いじょうの 牛を かって いる ことに なります。

牛肉に なる 牛も、北海道は 日本で 1ばん 多いです。れいわ6年で 55万8600頭 でした[11]。

暑さに 弱い 牛の 話と、つなげたく なります。でも 資料しりょうが 理由として 書いて いるわけでは ありません。

農林水産省の畜産統計(令和7年2月1日)をALICが紹介した資料によると、日本の乳用牛は1万1300戸、約129万3000頭です。そのうち北海道は4970戸、約81万6800頭です[1]。

北海道の割合を出してみます。頭数は816,800÷1,293,000で約63%、戸数は4,970÷11,300で約44%です(計算)。戸数では半分に届かないのに、頭数では6割を超えています。

1戸あたりに直すと、北海道は816,800÷4,970で約164頭。北海道以外は、(1,293,000−816,800)÷(11,300−4,970)で約75頭です(計算)。北海道の1戸あたりの頭数は、ほかの地域の2倍あまりです。

肉用牛も、北海道は令和6年で55万8600頭と全国1位です[11]。全国の肉用牛は、令和7年2月1日で3万4000戸、259万5000頭です[1]。年がちがうので、この2つの数字で割合は出しません。

第3章の「暑さに弱い牛」と重ねたくなりますが、資料は北海道に牛が多い理由として、暑さ寒さを挙げているわけではありません。数字の事実と、理由の説明は分けて読む必要があります。

日本の牛は、どこに多いのか。農林水産省の畜産統計(令和7年2月1日)をまとめたALICの資料では、乳用牛は1万1300戸、129万3000頭、うち北海道は4970戸、81万6800頭である。肉用牛は3万4000戸、259万5000頭である[1]。

この数字から割合を計算する。頭数では816,800÷1,293,000≒63%、戸数では4,970÷11,300≒44%で、北海道は戸数より頭数のほうが多い(計算)。では1戸あたりはどうか。北海道は816,800÷4,970≒164頭、北海道以外は(1,293,000−816,800)÷(11,300−4,970)≒75頭で、約2.2倍の差がある(計算)。北海道では、規模の大きい経営が多いことが、数字の上から読み取れる。

肉用牛については、北海道が令和6年で558,600頭と全国1位である。品種別では黒毛和種が37.1%、交雑種が34.3%、乳用種が27.4%などで、これは北海道の中の内訳である[11]。全国値は令和7年、北海道の値は令和6年と年が違うため、全国に占める割合は出さない。

第3章の「暑さに弱い牛」と重ねたくなるが、これらの資料は、北海道に牛が多い理由として気温を挙げているわけではない。数字から言えるのは「北海道に頭数が偏っている」ことまでで、「涼しいから集まった」は別の資料で確かめるべき仮説にとどまる。

7. 牛の 数を、じぶんで 計算して みよう

7. 割り算で「1戸あたり」を出し、牛乳パックの産地を読む

7. 統計を自分で割ってみる ── 1戸あたりの頭数と、原典の読みどころ

牛乳ぎゅうにゅうの パックを 1つ 手に とって みましょう。「どこで 作られた 牛乳ぎゅうにゅうか」を、字で さがします。県の 名前が 書いて あれば、地図で その 県を さがして みます。

もう1つ。電卓でんたくが あれば、129万を 1万1300で わって みましょう。農家 1けん あたりの 牛の 数が 出ます。北海道の 81万を 4970で わった 数と、くらべて みます。

世界で いちばん 牛が 多い ブラジルや インドには、どんな 牛が 多いのでしょう。この 記事では しらべて いません。図書館の 本で、しらべて みたく なる 問いです。

家にある牛乳のパックに、生産地や製造所の場所が書かれていないか探してみましょう。県の名前が見つかれば、地図でその県の位置を調べます。パックによって書き方は違うので、見つかった情報だけで十分です。

電卓があれば、この記事の計算を自分で確かめられます。1,293,000÷11,300で全国の1戸あたり(約114頭)、816,800÷4,970で北海道の1戸あたり(約164頭)が出ます。全国の平均より北海道が高いことが、数字から見えます。

もっと調べるなら、農林水産省の畜産統計を探してみてください。ほかの年の数字で、同じ割り算をすると、比べられます。

世界の頭数で1位のブラジル、2位のインドでは、どんな牛が多いのでしょうか。この記事では扱っていません。調べる価値のある、次の問いです。

この記事の数字は、自分で再計算できる。①世界の合計に占める上位5か国の割合(662,334÷1,578,614≒42%)、②北海道の頭数と戸数の割合(約63%と約44%)、③1戸あたりの頭数(北海道約164頭、北海道以外約75頭、全国約114頭)である。同じ割り算を別の年の畜産統計でも行うと、北海道への偏りが強まったのか弱まったのかを、自分の手で確かめられる。

資料の読みどころは三つある。①Nature誌のオーロックスの研究(Nature 635, 2024)は、家畜化が「少数の個体の捕獲」から始まったという要旨を、Trinity College Dublinの発表と照らして読める。原典は英語である。②FAOの放牧方式の資料は古い見積もりなので、最新の統計と並べて何が変わったかを調べる価値がある。③日本の数字は、農林水産省の畜産統計とe-Statで原表に当たれる。

残る問いは、世界の頭数1位のブラジルと2位のインドで、どんな牛が多いのかである。この記事の資料からは答えられないので、各国の統計や研究を探して、第4章のゼブーと結びつくかを確かめたい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:公的機関の統計と説明、FAOの資料、大学の発表、研究の紹介記事を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 農畜産業振興機構(ALIC)「畜産統計(令和7年)」の紹介ページ。https://alic.go.jp/joho-c/joho05_003867.html (日本の乳用牛・肉用牛の戸数と頭数について。農林水産省の畜産統計をまとめたもの)
  2. 広島県「家畜の暑熱対策」。https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/tekiou/kachiku.html (牛が暑さを感じ始める気温、ホルスタイン種の暑さへの弱さについて)
  3. globalnote「世界の牛飼育数 国別ランキング(FAO統計)」。https://www.globalnote.jp/post-15229.html (2024年の世界の牛の飼育数の国別順位について。FAO統計をまとめた資料)
  4. 農畜産業振興機構(ALIC)の資料。https://www.alic.go.jp/content/001193741.pdf (世界の牛の飼育数の順位が同じであることの確認に使用)
  5. Nature Asia「オーロックスの研究」(Nature論文の紹介)。https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/15078 (オーロックスの生息期間と絶滅の時期について)
  6. Trinity College Dublin「Ancient DNA brings to life history of the iconic aurochs」(2024年)。https://www.tcd.ie/news_events/articles/2024/ancient-dna-brings-to-life-history-of-the-iconic-aurochs/ (古代ゲノムの解析結果と、家畜化の時期・場所について。大学の発表)
  7. 岡山県 畜産だより。https://okayama.lin.gr.jp/tikusandayori/1108/3.pdf (ホルスタイン種の熱の出方と、適温の目安について)
  8. FAO AGRIS「Physiological and cellular adaptations of zebu cattle to thermal stress」。https://agris.fao.org/search/fr/records/65de73650f3e94b9e5cf5709 (ゼブーの暑さへの適応について。論文の要旨)
  9. 農林水産省 こどもナビ。https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/learn/power07.html (牛の胃と、酪農家の朝の仕事について)
  10. FAO「World Livestock Production Systems」。https://www.fao.org/4/x5303e/x5303e05.htm (放牧中心の方式の広さと、牛の頭数の古い見積もりについて)
  11. 北海道庁「肉用牛の飼養状況」。https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/tss/236535.html (北海道の肉用牛の頭数と品種別の内訳について)

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