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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

チーズの あなは、なにから できるの?

チーズの穴は、細菌のガスだけで開くのか ── 干し草の粒や細い管が抱える空気の泡が起点になる

エメンタールの穴は何から始まるのか ── 干し草の粒や細い管が抱える空気の泡と、CO2のふくらみ

分野:自然

チーズの あなは、むかしから 「ばいきんの だす ガスで できる」と いわれて きました。ところが 2015ねんに、スイスの けんきゅうチームが 「ほしくさの ちいさな つぶが、あなの たねに なる」と はっぴょうしました。

ガスだけでは ないと いうのは、どういう ことでしょう。この 記事で、たねと ガスの やくわりが わかります。

エメンタールなどのチーズの穴は、約100年のあいだ「細菌が出すガスのふくらみ」と説明されてきたとされます。ところが2015年、スイスの研究チームが、牛乳にまじる干し草の細かい粒が穴の「たね」として働くと報告しました。

ガスだけでは、なぜ足りなかったのでしょうか。穴の「たね」とガスは、それぞれ何をしているのでしょうか。この記事で、その答えと、きれいな搾乳で穴が減った話、2025年に干し草の粉を入れてよくなった話が分かります。

スイス系チーズの穴は、プロピオン酸菌が出す二酸化炭素のふくらみだと長く説明され、その考えは1917年の研究にさかのぼって約100年信じられてきたとされる[3]。しかし2015年、スイスの研究チームは、牛乳に混じる干し草の微粒子が穴の起点になり、粒子の量によって穴の数と大きさが変わると報告した[2]。

では、ガスは穴の原因から外れたのか、それとも別の役割を持つのか。穴の起点とふくらませる力を分けて考え、搾乳の衛生化で穴が減った経緯と、2025年に天然の干し草粉の添加が認められた流れまでが分かる。

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1. あなを ふくらませて いるのは、なに?

1. 穴をふくらませているのは、細菌のガス

1. 穴をふくらませる力 ── 乳酸からプロピオン酸菌が作る二酸化炭素

エメンタールという チーズには、おおきな あなが たくさん あります。この あなは、ちいさな いきものの しごとの あとです。

チーズの 中には、さいきんが すんで います。まず にゅうさんきんが、ぎゅうにゅうから すっぱい もと(にゅうさん)を つくります。そのあと、べつの さいきんが それを たべて、ガスを だします[1]。ガスは チーズの 中に たまり、あなを ふくらませます。

この ガスは、わたしたちが いきを はく ときにも ふくまれる 二さんかたんそです。ただ、これだけでは 「あなの はじまり」の せつめいに なりません。それが 次の はなしです。

エメンタールのようなスイス系のチーズでは、まず乳酸菌が牛乳の糖から乳酸をつくります。次にプロピオン酸菌が、その乳酸を分解して二酸化炭素と酢酸とプロピオン酸をつくります[1]。このうち二酸化炭素が、穴をふくらませるガスです。酢酸とプロピオン酸のほうは、チーズの風味になります[1]。

ところが、ガスがあるだけでは、穴が「どこから」ふくらむのかが決まりません。次の章で、この問いに答えます。

スイス系チーズの熟成では、乳酸菌がつくった乳酸をプロピオン酸菌が分解し、二酸化炭素・酢酸・プロピオン酸ができる。二酸化炭素は凝乳の中で穴をふくらませ、酢酸とプロピオン酸は風味に寄与する[1]。

細菌のCO2が穴の原因だとする考えは、1917年の研究にさかのぼるとされる[3]。ただしCO2は、ふくらませる力であって、穴がどの位置にできるかを決める力ではない。位置と数を決める「起点」が別にあるのではないか、という疑問が残る。

2. あなの「たね」は、ほしくさの つぶ

2. 2015年、穴の「たね」は干し草の粒と報告された

2. 穴の起点の候補 ── 牛乳に混じる干し草の微粒子(2015年)

2015ねんに、スイスの けんきゅうチームが、あなの 「たね」を みつけたと はっぴょうしました[2]。たねは、ぎゅうにゅうに まじる、ほしくさの とても ちいさな つぶです。

ほしくさは、うしの ごはんです。うしの ちちを しぼる とき、ほしくさの つぶが ほんの すこし ちちに まじる ことが あります。

この つぶの まわりに ガスが あつまり、あなが ふくらんで いく、と かんがえられて います。ガスは ふくらませる ちから、つぶは はじまりの ばしょです。ふたつが そろって、あなが できます。

ただし、ほしくさの つぶだけが たねだと いう わけでは ありません。それは あとで はなします。

スイスのAgroscope、Empa、ルツェルン大学の研究チームは、2015年に、干し草の微粒子が穴の「たね」として働くと発表しました[2]。論文は、国際的な乳製品の学術誌に載った「チーズの穴ができる仕組みとその制御」にあたる研究です[2]。

牛を搾乳するとき、牛舎の干し草のちりが少し牛乳に入ることがあります。その粒が、ガスが集まってふくらみはじめる「足場」になる、というのが報告の中心です。

ここで大切なのは、細菌のガスが不要になったわけではない、という点です。粒は穴の位置を決める「たね」、ガスは穴をふくらませる力です。報道では「干し草が原因」と書かれたり「CO2と干し草の組み合わせ」と書かれたりしますが、この記事では「たねとガスの両方」と整理します。

では、干し草の粒が本当にたねなら、粒を増やせば穴は増えるはずです。研究チームは、それをチーズで試しました。

2015年にAgroscope・Empa・ルツェルン大学の研究者らは、植物由来の微粒子(干し草など)が穴の出発点として働き、その量に応じて穴の数と大きさが変わると報告した[2]。論文は Guggisberg ら“Mechanism and control of the eye formation in cheese”(International Dairy Journal 47, 118–127)である[2]。

注意したいのは、これが細菌のCO2説の否定ではなく、役割の分担を示した点だ。粒子は起点、CO2は膨張を担う。報道は「干し草が原因」と「CO2と干し草の組み合わせ」で表現が割れるため、この記事では「起点とガスの両方」と整理して読む。

起点が粒子なら、粒子の量を操作すれば穴を動かせるはずだ。この予想を、チーム自身がチーズで確かめている。

3. ほしくさの こなを ふやすと、あなは ふえた?

3. 干し草の粉を増やすと、穴は増えたのか

3. 量と数の関係 ── 8個の試作チーズと、X線CTによる130日間の観察

けんきゅうチームは、ぎゅうにゅうを とても こまかい フィルターで こして、ほしくさの つぶを とりのぞきました。その ぎゅうにゅうで、エメンタールを 8こ つくりました[3]。

そのうち 1こは こなを 入れず、ほかの 7こに ほしくさの こなを 入れました。入れる りょうは、ほんの すこしから すこし おおい ところまで、かえて あります[3]。

けっかは、こなが おおいほど あなの かずも ふえました[3]。ほしくさの つぶが たねだと いう かんがえと、よく あいます。

チームは、あなが できる ようすを、130日の あいだ、ようきの 中を とおして 見る X線の そうちで しらべました[4]。きった チーズを 見るのでは なく、まるごとの まま 見ます。

研究チームは、精密ろ過で微粒子をのぞいた牛乳を使い、エメンタールを8個つくりました。そのうち1個を除いて、干し草の粉を加えています。量は0.0625〜4mgの範囲で、少しずつ変えました[3]。

結果は、粉が多いほど穴の数が増える、という関係でした。報道では、その関係は統計的に「非常に有意」だったと伝えられています[3]。粒を足せば穴が増える、という予想どおりです。

観察の方法も新しいものでした。コンピュータ断層撮影(CT)にもとづく方法で、130日間の熟成を追いかけ、穴がどこでどのようにできるかを調べています[4]。チーズを切らずに、中の様子を何度も見られるのが強みです。

ただし、粉を何ミリグラムというのは試作の条件であって、実際の工場の量ではありません。それでも、「粒の量が穴の数を動かす」ことを、チーズそのもので確かめた意味は大きいといえます。

では、干し草の粒は、なぜ「足場」になれるのでしょうか。

実験では、精密ろ過した牛乳で8個のエメンタールを試作し、1個を除いて干し草粉を0.0625〜4mgの範囲で加えた。粉の量が多いほど穴の数が増える関係は「非常に有意」とされた[3]。

また、130日にわたる熟成を、X線CTにもとづく新しい方法で追跡し、穴がどこでどのように形成されるかを観察した[4]。切断しないので、同じチーズの時間変化を追える点が従来の観察との違いだ。

この実験は、粒子量が穴の数を動かすという因果の方向を、チーズそのものを使って示した。ただし、8個という規模は小さく、粒子の種類や量を変えた追試が気になる。では、なぜ粒子が起点になれるのか。次の章の人工の管の実験が、その手がかりを与える。

4. ほしくさの つぶは、なぜ たねに なれるの?

4. 細い管でも穴ができた ── 本当の出発点は空気の泡

4. 起点の正体 ── 人工の毛細管と空気の微小な泡

2026ねんに はっぴょうされた ついしけんきゅうで、チームは ほしくさの かわりに、とても ほそい くだを 入れて みました[2]。くだの 中は、かみの けの 太さよりも ずっと ほそい あなです。

すると、くだの かずと おおきさに 合わせて、チーズに あなが できました。X線で 見ると、あなの ひとつひとつに、くだが すくなくとも 1ぽん 入って いました[2]。

くだの 中には、ちいさな くうきの あわが のこります。このあわが、あなの はじまりと かんがえられました[2]。

ほしくさの つぶも 同じように、ちいさな くうきを 見つけやすいのかも しれません。ガスは、その あわに あつまって、あなを ふくらませます。

2026年に公表された追試では、AgroscopeとEmpaの研究チームが人工の毛細管(内径0.13〜0.18mm)や、さらに細い中空の繊維(内径は約10µm=0.01mm)を凝乳に加えました[2]。すると、管の数と大きさに応じて、穴ができたのです。

X線で調べると、穴のそれぞれに、少なくとも1本の毛細管の構造が入っていました[2]。研究チームは、穴の出発点としていちばん有力なのは、管が抱えこんだごく小さな空気の泡だと結論しました[2]。

こう考えると、「干し草だけが原因」という言い方は、少し単純すぎます。足場になるのは、小さな泡を抱えられるものです。そこへ細菌のガスが集まって、穴が育ちます。

では、穴の数や大きさは、チーズにとってどれほど大事なのでしょうか。

2026年に公表されたAgroscope/Empaの追試では、人工の毛細管(内径0.13〜0.18mm)や中空繊維(内径約10µm)を凝乳に加えても、数と大きさに応じた穴が形成された。X線観察では、穴のそれぞれに少なくとも1本の毛細管構造が含まれていた[2]。

この結果から、穴の有力な出発点は、毛細管が保持する微小な空気の泡だと結論された[2]。つまり重要なのは干し草という素材そのものより、泡を抱えられる微細な構造を牛乳やカードの中に持ちこめるかどうか、と読める。

起点は泡、ふくらませるのはCO2、という二段の説明が見えてきた。次の問題は、その穴の数と大きさを、チーズの作り手がどう気にしているかだ。

5. エメンタールに あなが ないと、どうなるの?

5. エメンタールは、穴が少なすぎるとなぜ品質が下がるのか

5. 穴の大きさの基準と、ガスの逃げ場 ── 裂け目とゴーダ系の少ない穴

チーズの あなは、かざりでは ありません。エメンタールでは、あなが すくなすぎると、かわりに さけめが できやすく、しなものが わるく なるとされます[1]。ガスの ちからを うけとめる あなが ないと、チーズが われて しまうのです。

あなの 大きさには、めやすが あります。いちばん よい しなは、さくらんぼから くるみの 大きさの あいだと いわれます[5]。

すきな 大きさは、国や つかいみちで ちがいます。イタリアの 人は くるみぐらいの あなを このみ、スライスチーズを つくる 人は、ちいさな あなが たくさん あるものを ほしがります[5]。

ゴーダという チーズは、あなが すくなくて ちいさいのが ふつうです。ぎゅうにゅうに、ガスの もとに なる すっぱい ものが ほんの すこししか ないからです[1]。

穴はチーズの飾りではありません。エメンタールでは、穴が少なすぎると裂け目(スリット)ができやすく、品質が下がるとされています[1]。ガスの圧力がかかったとき、熟成中のチーズ生地が適度に柔らかくのびれば穴になり、固くてもろければ割れる、という説明です[1]。

よいチーズの穴の大きさは、サクランボからクルミのあいだが目安とされています[5]。好みは国や用途で変わり、イタリアの消費者はクルミ大の穴を好み、スライスチーズの業者は小さい穴が多いものを求めるそうです[5]。

同じ細菌のガスでも、ゴーダ系のチーズでは穴が少なく小さくなります。牛乳にはクエン酸がごくわずかしかなく、ロイコノストックなどの細菌がそれを分解して出すCO2の量に限りがあるためとされています[1]。

穴の数や大きさは、作り手にとって大切な品質の目印なのです。そして、その穴の数が、ここ数十年で変わってきたといいます。

エメンタールでは、穴が少なすぎると裂け目(スリット)ができやすく、品質が下がるとされる。ガスの圧力に対し、熟成中のチーズ生地が適度に柔らかくのびる必要があり、固くもろければ割れる[1]。穴は、ガスの圧力を逃がす場所としても読める。

穴の大きさの目安は、一級品でサクランボからクルミの間とされる。ただし好みは市場で異なり、イタリアの消費者はクルミ大の穴を好み、スライスチーズ業者は小さい穴が多い製品を求める[5]。

ゴーダ系の穴が少なく小さいのは、牛乳中のクエン酸が微量で、ロイコノストックなどの細菌がそれを分解してCO2を出す量が限られるためとされる[1]。つまり、穴の量はガスの供給量にも左右される。

起点と供給の両方が穴の数を決めるなら、搾乳のやり方が変われば、穴も変わるはずだ。

6. きれいに したら、あなが へった?

6. きれいな搾乳で、穴が減っていった

6. 衛生化の副作用 ── 搾乳の自動化とフィルターで減った微粒子

ここ すうじゅうねんで、チーズの あなは すくなく、ちいさく なったと いわれます[3]。

むかしは、うしの ちちを おけに しぼって いました。いまは、ふたを した きかいで しぼり、とても こまかい フィルターで こします[3]。

これは ぎゅうにゅうを きれいに する ための くふうです。けれども ほしくさの つぶも 一しょに へりました。けんきゅうしゃは、しぼりかたや こしかたが かわって つぶが へり、それが あなが へる ことに つながったと せつめいして います[3]。

きれいに することは、たいせつです。ただ、それで ふえる ものと へる ものが あったのは、おもしろい はっけんでした。

ここ数十年で、チーズの穴は少なく、小さくなりました。研究者の説明では、昔の牛舎の桶での搾乳が、閉じた自動搾乳と目の細かいフィルターに替わり、牛乳の中にある固体の微粒子(干し草の粉など)が大きく減ったためです[3]。

牛乳をきれいに集めることは、食の安全のために進めてきた大事な改良です。研究者は、この変化で粒子が減り、それが穴の減少につながったと説明しています。

搾乳の衛生化は、悪いことではありません。大事なのは、穴をつくるために以前は気づかなかった別の方法が必要になった、という点です。

では、衛生的な牛乳のまま、穴を取り戻すことはできるのでしょうか。

近年、エメンタールの穴は少なく小さくなった。研究者は、昔の牛舎の桶での搾乳が、閉じた自動搾乳と細かい孔径のフィルターに替わり、原料乳中の固体微粒子が大きく減ったことを理由に挙げる[3]。

衛生化はもともと食の安全のための改良で、研究者は、この変化で粒子が減り、それが穴の減少につながったと説明している。この因果は研究者の説明として読むのがよい。

それでも、清潔さと穴の数が引き換えになるなら、牛乳をきれいに保ったまま、起点だけを意図的に補う方法が必要になる。

7. ほしくさの こなを 入れて いいことに なった

7. 2025年、干し草の粉を加えることが認められた

7. 製造規定の改定 ── 2025年のエメンタールAOPと天然干し草粉

2025ねんに、スイスで あたらしい ことが きまりました。エメンタールを つくる 人は、てんねんの ほしくさの こなを、チーズの もとに 入れても よいのです[2]。

2025ねん 4がつには、スイスの さいばんしょが、エメンタールの なかまの だんたいの うったえを みとめました[6]。さいばんしょは、ほしくさの つぶは むかしから エメンタールの なかみの ひとつで、とくべつな ちからの もとだと かんがえました[6]。

むかしの ほしくさの つぶは、じぶんから まじって いました。いまは、きれいな ぎゅうにゅうに わざと 入れて、おなじ ような あなを つくる のです。

2025年4月、スイスの連邦行政裁判所は、エメンタールの業界団体が求めていた、製造規定に天然の干し草粉の使用を認める訴えを認めました[6]。裁判所は、干し草の粒子は伝統的にエメンタールの成分であり、独特の特徴に寄与すると判断したと報じられています[6]。

Agroscopeの報告でも、2025年から、エメンタールPDO(原産地の保護の呼称)の製造者は、穴の形成をよくするために天然の干し草粉を凝乳に加えてよいとされています[2]。

この話には、もともと意見の違いがあったと伝えられますが、ここでは詳しく立ち入りません。ただ、昔は自然にまじっていたものを、きれいな牛乳に意図して補う、という流れは、研究で「たね」が分かったから出てきたものです。

穴の「たね」を知ると、穴だらけのチーズを見る目が少し変わります。

2025年4月、スイスの連邦行政裁判所は、エメンタールAOP(原産地呼称)の製造規定に天然干し草粉の使用を認めるよう求めた業界団体の訴えを認め、干し草の粒子は伝統的にエメンタールの成分で、独特の特徴に寄与すると判断したと報じられた[6]。

Agroscopeの報告では、2025年からエメンタールPDOの製造者は穴の形成を改善するため天然の干し草粉を凝乳に加えてよいとされる[2]。ここでは「2025年から許可」と表現をそろえた。

研究が起点の仕組みを明らかにし、その知見が製造規定に影響した流れは、基礎研究が現場の決まりを動かした例として読める。穴を減らした衛生化と、穴を補う許可は、牛乳の中の微粒子という同じ一点でつながっている。

8. チーズを 見つけたら、あなを かぞえて みよう

8. 穴をかぞえて、大きさを見くらべる

8. 穴を観察し、原典に当たる

おうちに あなの あいた チーズが あれば、おとなと いっしょに きって みましょう。ほうちょうは おとなに つかって もらいます。

あなの かずと 大きさを 見て、さくらんぼと くるみの あいだに 入るか、かんがえて みます。あなの まわりが つるつるか、ざらざらかも 見て みましょう。

あなの 中に ほしくさの つぶが ある、と いうわけでは ありません。ただ、あなは さいきんの ガスが、ちいさな くうきの あわを ふくらませた あとかも しれません。

穴のあるチーズを見つけたら、おとなといっしょに切って、穴の数と大きさを見くらべてみましょう。刃物は必ずおとなに使ってもらいます。

穴の大きさが、サクランボとクルミのあいだに入るかを、手の指でくらべるのも一つの方法です。スライスチーズと、塊のチーズとで、穴の様子を比べてみるのもおもしろいでしょう。

穴の数や大きさを、チーズの種類ごとに見くらべてみましょう。

家庭でできる確認は、穴のあるチーズを切り、穴の数と大きさを記録して、サクランボ〜クルミの目安と比べることだ。刃物は大人に頼む。観察だけで起点や衛生の影響までは分からないが、問いの立て方を試せる。

エメンタールとゴーダ系のチーズが手もとにあれば、穴の数と大きさを見くらべるとよい。ゴーダ系は穴が少なく小さいとされるので、ガスの供給量の違いを自分の目で確かめられる。2015年の論文(Guggisberg ら、International Dairy Journal 47, 118–127)と、2026年に公表された追試の解説(Agrarforschung Schweiz)は、観察のあとの出発点になる。

この記事で残る問いは、干し草の粒がどのように泡を抱えるか、粒子の種類と量をどう決めるか、の二つだ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

穴の仕組みはスイスの研究機関の解説と報道を、チーズの種類による違いは専門解説を、制度の動きはスイスの報道を使いました。

  1. Cheese Science Toolkit, "Cheese with Eyes" https://www.cheesescience.org/eyes.html (細菌のガス、風味、穴がないときの裂け目、ゴーダ系)
  2. Agrarforschung Schweiz(Agroscope) https://www.agrarforschungschweiz.ch/?p=48671 (干し草の微粒子、2026年公表の追試の毛細管と空気の泡、2025年の規定)
  3. DairyReporter(2015-05-29) https://www.dairyreporter.com/Article/2015/05/29/Mystery-of-disappearing-Swiss-cheese-holes-solved!-There-s-not-enough-hay-says-study (約100年の定説、8個の試作、穴が減った理由)
  4. swissinfo(2015-05-28) https://www.swissinfo.ch/eng/sci-tech/mystery-solved_hay-particles-responsible-for-holes-in-swiss-cheese/41457054 (CTを使った130日間の観察)
  5. Scientific American, "Number and Size of Swiss Cheese Holes Can Be Programmed" https://www.scientificamerican.com/article/number-and-size-of-swiss-cheese-holes-can-be-programmed/ (穴の大きさの目安と好み)
  6. March-Anzeiger(2025-04-11) https://marchanzeiger.ch/2025/04/11/gericht-erlaubt-hilfsmittel-fuer-die-loecher-im-emmentaler (2025年4月の判決)

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