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サギは、さかなの ほかに なにを たべているの?

サギの食べ物は魚だけではない:アオサギ・アマサギ・コサギの食べ物と狩りの仕方

サギの食べ物は魚だけではない:アオサギ・アマサギ・コサギの食性と、場所による狩りの使い分け

分野:生きもの

サギは、みずべに たって さかなを とる とりだと おもわれがちです。ところが、うしの うしろを あるいて、むしを たべる サギも います。

どうして うしの うしろなのでしょう。この ページでは、3しゅるいの サギの たべものと かりの しかたから、サギが ばしょに あわせて たべ方を かえる ことが わかります。

サギといえば、水辺にじっと立って魚をねらう鳥の姿を思い浮かべる人が多いはずです。ところが、牛の後ろをついて歩き、草むらから追い出された虫を食べるサギがいます。

なぜ、魚の鳥が牛を追うのでしょうか。この記事では、アオサギ・アマサギ・コサギの食べ物と狩りの仕方から、サギが場所や相手に合わせて食べ方を変えていることが分かります。

サギは魚を捕る鳥というのが一般的な印象だが、アマサギは水田や草地で、草食動物が追い出す虫を主な餌にしている。アメリカの図鑑には、トラクターや芝刈り機の後ろについて同じことをする例も載っている。

魚を捕る鳥が、なぜ畜産や農作業の後ろを歩くのか。この記事では、アオサギ・アマサギ・コサギの食性と採食行動を比べ、サギ類の食べ方が種ごと、さらに同じ種でも場所ごとに変わることが分かる。

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1. どうして サギが うしの うしろを あるくの?

1. 牛の後ろを歩くサギは、何を食べているのか

1. 牛の後ろを歩くアマサギは、何を狙っているのか

アマサギという サギは、みずたや くさの はらに います。うしや ひつじの ような、くさを たべる どうぶつの うしろを、ゆっくり あるく ことが あります。

どうぶつが あるくと、くさの なかに いた むしが びっくりして とびだします。アマサギは、それを ぱくっと つかまえます。つまり、うしを むしの おいだしやくに しているのです。

あたたかい くにでは、うしや スイギュウの まわりに、アマサギが たくさん あつまる ことも あるそうです。うしの せなかに とまってくる むしも ねらいます。

アメリカの ずかんには、トラクターや くさかりきの うしろに ついて いく こともある、と のっています。

アマサギの たべものは、むしが おもです。ほかにも、クモ、カエル、ミミズを たべます[4]。

アマサギは、水田・湿原・草地などで見られるサギです。主な食べ物は昆虫類で、そのほかにクモ、カエル、ミミズなども食べるとされています[4]。魚を水の中で待つ姿とは、だいぶ違います。

狩りの仕方も変わっています。ウシなどの草食動物の後ろを歩き、動物が歩いて追い出した虫を捕まえるのです。熱帯ではウシやスイギュウのまわりに群がり、ウシが追い出すバッタなどを餌にすると説明されています。ウシの背中に飛んでくる虫も狙います[4]。

アメリカのオーデュボン協会の図鑑でも、アマサギ(Cattle-Egret)は他のサギ類と違って乾いた野原で餌をとり、家畜が草むらから追い出すバッタ・コオロギ・ハエなどを捕らえるとあります。トラクターや芝刈り機の後ろについて、同じ効果を得ることもあるそうです[5]。

自分では追い出せない虫を、体の大きな動物に追い出してもらう。アマサギは「虫のいる場所」ではなく「虫が飛び出す瞬間」を狙っている鳥だといえそうです。では、水辺で魚をとる代表格のアオサギは、本当に魚しか食べないのでしょうか。

アマサギは水田・湿原・草地で、主食の昆虫類のほか、クモ・カエル・ミミズも採食する。特徴は、草食動物の後ろを歩き、動物の歩行で草むらから追い出される虫を捕らえる点である。熱帯ではウシやスイギュウの周囲に群がり、ウシが追い出すバッタなどを餌とし、ウシの背に飛来する虫も利用する[4]。

この行動は日本の資料だけの話ではない。アメリカのオーデュボン協会の図鑑も、アマサギは他のサギ類と違って乾いた野原で採食し、家畜が草から追い出すバッタ・コオロギ・ハエなどを捕らえると記す。さらに、トラクターや芝刈り機に同じ目的でついて歩くこともある[5]。

ここから分かるのは、アマサギの採食が「虫がいる場所を探す」のではなく「虫が動き出す瞬間を利用する」型だという点である。見つけにくい虫は、体の大きなものに動いてもらえば見える。ただし、これは資料にある採食の仕方の説明であり、1羽ごとの成功率までは示されていない。では、水辺で魚を捕る印象の強いアオサギは、実際に魚だけを食べているのか。

2. アオサギは さかなだけを たべるの?

2. アオサギは魚だけを食べているのか

2. アオサギの食性はどこまで広いのか

アオサギは、日本で よく見る 大きな サギです。たべものの なかまは、さかなが おもです。

でも、それだけでは ありません。カエルや ザリガニも たべます。大きな むしや タニシ、小さな どうぶつを たべる こともある、と いわれます[1]。

えさを とる ばしょも いろいろです。ひがたや かわ、たんぼ、みずうみや ぬまなどで、さかなの ほかに むしや カエルも たべます[2]。

さて、アオサギは 1にちに どれくらい たべるのでしょう。からだの おもさが 1.5キロの おとなで、1にちに 330〜500グラムを たべる、と いわれます[1]。

これは からだの おもさの 4ぶんの 1 から 3ぶんの 1 ほどです。おとなの 人で 50キロなら、11〜16キロ ぐらいを まいにち たべる はかりかたに なります。

アオサギの食物は、主として魚類・カエル・ザリガニで、大型の昆虫やタニシ、小型の哺乳類も食べるとされています[1]。ネズミなど個別の動物名までは、ここで使った資料には出てきません。

餌場も幅広く、国土交通省の大隅河川国道事務所は、干潟・河川・田んぼ・湖沼といった湿地を餌場にし、主食の魚のほかに昆虫やカエルも食べると紹介しています[2]。

これだけ何でも食べるなら、量もかなりのはずです。世界大百科事典には、体重約1.5kgの成鳥が1日に食べる餌は330〜500gであるという記述があります[1]。計算すると、体重の約22〜33%です。体重50kgの人なら、毎日11〜16.5kgを食べる計算になります(これはあくまで割合を人に置きかえた計算です)。

魚だけでなく、水辺にいる動けるものを広く食べる。アオサギの食べ物は、水辺の「その時にいるもの」に合わせて変わるのかもしれません。では狩りの仕方は、どこでも同じなのでしょうか。

アオサギの食物は、主として魚類・カエル・ザリガニで、大型の昆虫、タニシ、小型の哺乳類も食べるとされる[1]。国土交通省九州地方整備局の大隅河川国道事務所の説明も、干潟・河川・田んぼ・湖沼を餌場とし、主食の魚のほかに昆虫やカエルを食べるというもので、方向は一致している[2]。

食べる量についても記述がある。体重約1.5kgの成鳥が1日に食べる餌は330〜500gとされ[1]、330÷1500で約22%、500÷1500で約33%にあたる。これを体重50kgの人に置きかえると11〜16.5kgで、サギの体の小ささに対して、餌の量が多いことが実感できる。季節や餌の種類によって、食べる量は変わる。

食べる量が多く、食べるものも幅広い。では、同じアオサギは、場所が変われば狩りの仕方も変えるのか。

3. おなじ アオサギでも、ばしょが かわると かりの しかたも かわるの?

3. 同じアオサギでも、場所によって狩りの仕方が変わるのか

3. 潮の干満の有無で、アオサギの採食行動はどう変わるか

アオサギの かりの しかたは、2つ あります。じっと たって まちぶせを する ことと、ゆっくり ちかづく ことです[1]。

あおもりけんで、2つの ばしょの アオサギを しらべた 人たちが います。ひとつは、うみの みずが ふえたり へったり する わん。もうひとつは、みずの たまり場の ような 池です。

わんの アオサギは、ゆっくり あるきながら さかなを とりました。池の アオサギは、じっと たって まっていました。

どうして ちがうのか。えさに なる さかなの いる ふかさや、つかまえやすさの ちがいが かんけい している、と かんがえられています。

おなじ とりでも、ばしょを みて やり方を かえて いるのかも しれません。

アオサギは、海岸・水田・池・沼などで、待ち伏せをするか、ゆっくり近づいて、魚・カエル・ザリガニ・貝などをくわえとるとされます[1]。待つか、近づくか。その使い分けを、青森県の2か所で比べた研究があります。

調べたのは、潮の干満がある芦崎湾と、干満のないまわりざれ貯水池です。芦崎湾のアオサギはゆっくり歩きながら魚を捕り、貯水池のアオサギはじっと立って待ち伏せていたと報告されています[3]。

理由として、餌の違い(底にいる魚か、浮いている魚か)や、捕まえられる割合の違いが考えられています。ただし、はっきりした原因が決まったわけではありません[3]。

種類が同じでも、同じ狩りをするとは限らない。アオサギの「じっと立つ姿」は、性格というより、その場所での作戦なのかもしれません。では、足で水の底をゆらす鳥はどうでしょうか。

アオサギの採食方法は、待ち伏せ型と、ゆっくり近づく型に大きく分かれるとされる[1]。この使い分けを環境の違いから見た研究に、青森県の2か所で行われた観察がある。潮の干満がある芦崎湾では、アオサギはゆっくり歩きながら魚を捕った。一方、干満のないまわりざれ貯水池では、じっと立って待ち伏せていた[3]。

原因として、餌となる魚の種類(底生魚か浮き魚か)と、それに伴う捕獲率の違いが挙げられている。底にいる魚は動き回って探すほうが見つけやすく、水中を浮く魚は立って待つほうが成功しやすい、という見立てである。ただし論文でも、これは「考えられる」説明にとどまる[3]。

注意したいのは、これは2か所の観察であり、アオサギ全体の傾向とは言い切れない点である。それでも、同じ種が環境に応じて待つ・歩くを切りかえうることは分かる。アオサギの食べ物と狩りの幅の広さは、1羽の中にも選択肢があるということだ。では、足そのものを狩りの道具に使うサギはいるのか。

4. コサギは、あしで どうやって さかなを おいだすの?

4. コサギは足を「道具」にして魚を追い出す

4. コサギの黄色い足指は、採食方法と関係するのか

コサギは、アオサギより 小さな しろい サギです。さかなや カエル、ザリガニ、むしなどを たべます[7]。

みずべを あるきながら、くびを すばやく のばして、さかなを つかまえます[7]。

もうひとつ、おもしろい やり方が あります。あしの ゆびを ふるわせて、みずの そこに いる 小さな さかなを おいだして たべるのです[6]。

コサギの あしの ゆびは、きいろい いろを して います。この いろが めだつのは、この かりの しかたと かんけいが ありそうだ、と いわれています[6]。

ただし、ほんとうに そうかは、まだ すいそくです。

コサギは主に魚類・カエル・ザリガニ・昆虫類を食べ、水辺を歩きながら首をすばやくのばして魚などをとらえます[7]。

さらに特徴的なのが足です。水辺で足指を震わせて、水底の小魚などを追い出して食べます。足指の黄色い色が目立つのは、この採食方法と関係がありそうだとされています[6]。ただし、これは推測の段階です。

つまり、アオサギは「待つ・近づく」、アマサギは「ほかの動物に追い出してもらう」、コサギは「自分の足で追い出す」と、同じサギでも虫や魚を出す方法が違います。

体の大きさや足の色といった特徴は、食べ物と狩りの仕方に結びついているのかもしれません。

コサギは主に魚類・カエル・ザリガニ・昆虫類を食べ、水辺を歩きながら首をすばやくのばして魚などをとらえる[7]。それに加えて、足指を震わせて水底の小魚などを追い出す採食をする。足指の黄色が目立つのは、この採食方法と関係がありそうだと説明されている[6]。

ここで注意したいのは、色と採食方法の関係が推測にとどまる点である。資料の書き方も「関係がありそう」であり、実験で確かめられたものではない。同じ説明は、ほかの種にも共通する習性として挙げられているにすぎない。

3種を並べると、アオサギは水辺で待つか近づいて捕らえ、アマサギは他の動物に追い出させ、コサギは足で追い出す。いずれも「獲物を見つける」より「獲物を動かして見つける」ことに工夫がある、と整理できる。ただし、これは資料にある行動を比べた見方であり、3種の優劣を示すものではない。

5. サギを みつけたら、なにを して いるか みて みよう

5. 近くのサギが何をしているか、観察してみる

5. 身近なサギの採食を観察するときの見どころ

みずべや たんぼで サギを みつけたら、とおくから、すこしの あいだ みて みましょう。

じっと たって いますか。ゆっくり あるいて いますか。あしを ゆらして いるように みえますか。うしや くさかりきの うしろを あるいて いるかも しれません。

かりの しかたを みると、なにを たべて いるのか、すこし わかって きます。サギに ちかづきすぎないで、とおくから そっと みて ください。みずべは あしもとが すべりやすいので、おうちの 人と いっしょに いきましょう。

もっと しりたく なったら、とりの ずかんで、アオサギ、アマサギ、コサギの ページを ひらいて みましょう。

近くの川や田んぼでサギを見かけたら、少し離れた場所から、立ち止まって数分だけ様子を見てみてください。

じっと立って待っているのか、歩いているのか、足を動かしているのか。後ろに牛や農作業の機械がいないか。それだけで、そのサギが何を狙っているかを予想する手がかりになります。

鳥には近づきすぎないこと、水辺では足もとに気をつけることが大事です。ずかんや鳥の公式ページで、アオサギ・アマサギ・コサギの食べ物の説明を見くらべるのもおすすめです。

身近なサギを観察するなら、1回の観察で次の3点を記録するとよい。(1)立って待つか、歩くか、足を動かすか。(2)場所が干潟・川・田んぼ・池のどれか。(3)近くに家畜や農機がいるか。

この3点を、本記事で挙げたアオサギ・アマサギ・コサギの記述と比べると、観察した行動がどの採食型に近いか、自分で考える材料になる。ただし、1羽の観察では「この種はこうだ」と決められないので、同じ場所で何度か見て、記録を重ねる必要がある。

なお、胃の内容物を調べるなどした定量的な食性の比率は、今回使った資料には含まれていない。「何をどれだけ食べるか」は、図鑑や論文で別に確かめるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

アオサギ・アマサギ・コサギの記述は、百科事典の項目、国の機関の説明、学術論文、図鑑や企業サイトの鳥の紹介を照らし合わせて書いた。

  1. コトバンク「アオサギ」(世界大百科事典、日本大百科全書、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ほか) https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%B5%E3%82%AE-3140445 (食べ物・狩りの仕方・1日の餌の量)
  2. 国土交通省 九州地方整備局 大隅河川国道事務所「肝属川の鳥」 https://www.qsr.mlit.go.jp/osumi/kimotsukigawa/bird.html (餌場と食べ物)
  3. Sawara et al. (1990) Feeding Activity of the Grey Heron Ardea cinerea in Tidal and Non-tidal Environments, Japanese Journal of Ornithology 39(2):45-52 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo1986/39/2/39_2_45/_article (場所による採食行動の違い)
  4. コトバンク「アマサギ」(ブリタニカ小項目事典、世界大百科事典、日本大百科全書) https://kotobank.jp/word/%E3%81%82%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%8E-3141559 (食べ物と家畜を利用した狩り)
  5. Audubon Field Guide: Western Cattle-Egret https://www.audubon.org/field-guide/bird/western-cattle-egret (家畜や機械を追う採食。英語の資料)
  6. キヤノン バードブランチ「コサギ」 https://global.canon/ja/bird-branch/photo-gallery/kosagi/ (足指を使った採食)
  7. コトバンク「コサギ」(ブリタニカ国際大百科事典、日本大百科全書、小学館の図鑑NEOほか) https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%82%B5%E3%82%AE-64597 (食べ物と首を使った採食)

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